(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudのアップデート情報はIBM Cloud アップデート情報 や 柔らか層本をご参照ください。)
概要
EVaultバックアップは、EVaultの管理コンソール(WebCC)から、バックアップ一覧を表示し、バックアップのバージョンを指定してリストアを実行できます。 ここでは、過去に取得されたEVaultバックアップからのリストア方法をご紹介します。
リストアの想定シナリオ
今回は、バックアップ元のサーバー上でオペレーション・ミスが起きてファイルを削除してしまった場合を想定し、リストアを実行してみます。 前提として、バックアップ・ジョブは、次のように運営しています。
バックアップ先は、ローカルである。
バックアップ対象は、特定のフォルダーを対象にしている。
バックアップ・ジョブは、毎日0時30分にEVaultによって自動実行される。
事前準備
事前準備として、サーバーでオペレーション・ミスが起きた状況を再現しておきます。 次のように画像が41件ありましたがすべて消えてしまった、というシナリオです。
# ls /mnt/san1/data/Evault-baukup*.jpg | wc -l
41
# rm -f /mnt/san1/data/Evault-baukup*.jpg
# ls /mnt/san1/data/Evault-baukup*.jpg | wc -l
ls: cannot access /mnt/san1/data/Evault-baukup*.jpg: No such file or directory
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EVault管理コンソールの表示
EVaultのリストア作業は、カスタマーポータルからEVaultの管理コンソール(WebCC)に接続して実行します。 EVaultの管理コンソールは、プライベート・ネットワーク上にあります。 VPN接続をしてから管理コンソールに接続できます。 VPN接続については、2.7 パブリックIPからのログインを禁止して、保守するには?を参照してください。
VPN接続のあと、カスタマーポータルから、「Storage」->「Backup」でEVaultバックアップのデバイス一覧を表示し、左端の「三角マーク」をクリックしてEvaultの詳細情報から、EVaultの管理コンソール(WebCC)へのリンクをクリックします。 特にログイン画面は表示されません。
どのジョブを使うのか
EVaultでは、バックアップ・ジョブを複数運用することもあります。 まず、対象のファイルをバックアップしているジョブを判別して選択します。 それからリストアの実行は、「Run Retore」をクリックして進みます。
いつの時点まで戻すのか
今回のリストアは、ファイルの誤削除ですから、該当のファイルを戻すだけの作業になります。 ここでは朝、業務開始直後に誤削除が起きて直ぐ報告が上がって来たとします。 このようなケースでは、前日のバックアップで対応できるはずです。 リストア対象のバックアップが決まったら次に進みます。
どのファイルを戻すのか
EVaultのリストアにおける最大の強みは、状況に応じてバックアップをすべてリストアすることもできれば、フォルダー単位やファイル単位に選択してリストアすることもできることです。 もちろん、フォルダーやファイル名称でリストア対象をフィルターすることも可能です。
今回は、削除してしまったファイルのみをピンポイントで指定し、リストアを実行します。
リストア先およびファイル書き込みのオプション指定
EVaultのリストアでは、元の場所に戻すことも、異なる場所に戻すことも可能です。 今回は、リストア先を元の場所にします。 さらに、リストアの実行時に同名のファイルが存在する場合の動作に関するオプションを指定します。 特に、元の場所にリストアする場合、このオプションの選択は要注意です。 間違えると更なる惨事に繋がる可能性があります。
ここでは同名のファイルが存在する場合はスキップにします。 実際の運用では、関係者への確認が必要な場面です。
リストア終了の確認
リストアが終了したら、下図のようレポートが表示されます。 Statusをみると、Restore complatedとなっており、リストアの成功が一目で確認できます。
最後の締めくくりとしてサーバー上でリストア状況を確認してみます。 ご覧のとおり、誤削除してしまった41個のファイルがピンポイントでリストアできています。
# ls /mnt/san1/data/Evault-baukup*.jpg | wc -l
41