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4.2 サーバーを替えても同じIPアドレスを継続するには?

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(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudのアップデート情報はIBM Cloud アップデート情報柔らか層本をご参照ください。)

概要
仮想サーバーから物理サーバーへの移行によるIPアドレスの変更、アクティブ・スタンバイ構成時のサービス用IPアドレスなど、サーバーが替わってもIPアドレスを引き継いで利用したい場合の対応方法です。この方法はパブリックとプライベートのIPアドレスに同じ流れで適用できます。本章では少し入力項目が多いパプリックIPのケースでご紹介します。

VLANにサブネットの割当てを追加
クラウドのサーバーは、IPアドレスでサーバーを判別して管理するため、利用者が自由に変更すことができません。 この課題に対してSoftLayerは、VLANにサブネットを追加することで対応しています。 次の図で、仮想サーバーのパブリックVLANには、サーバー起動時、eth1にパブリックのIPアドレスが割り当てられています。 これにセカンダリ・サブネットを追加して、サーバーのサブ・インタフェースとして、セカンダリ・サブネットのIPアドレスを設定します。 もちろん、このセカンダリ・サブネットは、SoftLayerによって外部のネットワークとルーティングされていますので、他のネットワークと通信することができます。

このサブ・インタフェースに、外部へ公開するIPアドレスを付与することで、サーバーが変更になっても継続して同じIPアドレスでアクセスを継続することができます。 置換え対象の旧サーバーのサブ・インタフェースのIPアドレスを削除して、新サーバーのサブ・インタフェースに付け替える作業は、ユーザーの作業になります。手作業で変更もできますし、クラスタ構成用のソフトウェアを使って自動切換えも可能です。

このセカンダリ・サブネットは、SoftLayerのカスタマーポータルでは、ポータブルIPとしてオーダーすることができます。 このポータブルIPは、パブリックVLANとプライベートVLANの両方に対して追加できます。 制限として、パブリックVLANにプライベートのサブネットを割り当てることはできません。 パブリックVLANにはパブリックIPアドレスのサブネット、プライベートVLANにはプライベートのアドレス範囲からの割当になります。

ポータブルIPのサブネットの中のIPアドレスの割当管理は、ユーザーの責任になっています。 SoftLayerのカスタマーポータルは、ポータブルIPのIPアドレスにコメントを入力できるようになっていますから活用するのがおすすめです。

ポータブルIPの注文
ここでは、パブリックVLAN側にポータブルIPを注文する例を説明します。 カスタマーポータルから「Network」->「IP Management」->「Subnets」を選択すると、「Subnets」画面が表示されます。 ここで「Subnets」画面の右上にある「Order IP Addresses」をクリックします。

「Order IP Addresses」画面で、「Select the type subnet to add this account」のセレクトボックスから、「Portable Public」を選択し「Select Option」で、必要なIPアドレス数を選択し、「Continue」をクリックします。 もし、プライベートVLANにポータブルIPを注文する場合は、「Portable Private」を選択します。

次に、サブネットを割り当てるVLANを指定する画面が表示されますので、サーバーが所属しているVLAN番号を選択し、「Continue」ボタンをクリックします。

次にパブリックIPの場合は、追加するIPアドレスの利用方法や注文者情報を入力する画面が表示されますので適宜内容を記載します。 入力が完了したら、チェック・ボックス(I agree that the contact information is current and valid)にチェックを入れて「Place Order」ボタンをクリックします。

追加されたセカンダリ・サブネットは、「Subnet Details」画面で確認できます。 次の図のように、サブネットの中で、3つのIPアドレスは予約されているために利用できません。 必要なIPの数を見積もるときは、このことを考慮する必要があります。

ポータブルIPの管理画面
ポータブルIPは、そのアドレス範囲をユーザーが自由に利用できます。別の言い方をすると、管理責任はユーザーにあります。 そこでSoftLayerのカスタマーポータルのポータブルIPの管理画面は、コメントを入力できるようになっています。「Subnet Details」の「Notes(Click cell to edit)」列にサーバー名や目的を記載して管理できます。

公開用IPアドレスのCentOSでの設定例
ここでは、CentOSでのポータブルIPの設定例を紹介します。 先ず、サーバーでパブリックVLAN側に接続されているインターフェイスを確認しておきます。

次の結果から、既存の「eth1」がパブリックVLAN側に接続しているインターフェイスであることが確認できます。

# ip -f inet addr
1: lo:  mtu 16436 qdisc noqueue state UNKNOWN
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
2: eth0:  mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP qlen 1000
inet 10.52.21.76/26 brd 10.52.21.127 scope global eth0
3: eth1:  mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP qlen 1000
inet 50.23.93.2/29 brd 50.23.93.7 scope global eth1

そして、パブリックVLAN側に接続されている「eth1」に対し、ポータブルIPの中からIPアドレスを設定します。

 /etc/sysconfig/network-script/ifcfg-eth1:0を作成し、IPアドレス(50.23.77.182)を割り当てます。 この例では、4 IPアドレスでサブネットを注文しているので、Netmaskは、255.255.255.252となります。
/etc/sysconfig/network-script/ifcfg-eth1:0は、次のように編集します。
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
IPADDR=50.23.77.182
NETMASK=255.255.255.252

ここで作成したサブ・インターフェース(IPアドレス)を有効にします。 ここまでの設定でポータブルIPを利用した通信が可能になります。

# ifup eth1:0

次の図のように、サーバーの移行先にポータブルIPを引き継いで利用することが可能になります。

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