(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudのアップデート情報はIBM Cloud アップデート情報 や 柔らか層本をご参照ください。)
概要
専用ロードバランサー(Citrix NetScaler)を注文するには、あらかじめどのVLANに設置するかを確認して、カスタマーポータル上で申し込みます。 ここでは、プライベート・ネットワーク内に置かれたウェブサーバーにバランシングする方法や、メンテナンス・ページを表示する方法を説明します。
事前準備
NetScalerを注文する前に、どのVLANに対してバランシング設定を入れるのかを確認しておく必要があります。 これは、注文時にVLANを指定する場所があるためです。 サーバーの一覧画面や、VLANの一覧画面から、設置したいVLAN情報を確認し、メモを残しておくことをお勧めします。
Citrix NetScaler の注文方法
カスタマーポータルの「Account」->「Place an Order」をクリックして、注文を進めます。 「Network」をクリックすると、次の画面のように Citrix NetScaler VPXの項目が表示されますので、この下にある「Order」をクリックします。
注文画面では、以下の項目を選択してから、「Continue」をクリックします。
「Location」 … 使いたいデータセンターを選択します
「Select NetScaler」 … スペックを選択します。 ここでは「Citrix NetScaler VPX 10.1 10Mbps Standard」をクリックします。
「Select IP Addresses」 … 必要なIPアドレスを選びます。 ここでは「1 Static IP Address」をクリックします。
それから、NetScalerがIPアドレスを使用するので、どれだけの期間IPアドレスを利用するかや、申請者の情報を入力願います。 それから、NetScalerを使いたいVLANを「Backend VLAN」と「Frontend VLAN」から選択します。
注文後は、仮想サーバーのように10分程度で利用できるようになります。 使えるようになったかどうかは、サーバーの一覧を表示する「Devices」->「Device List」を選ぶと、Device Typeが「NetScaler」として表示されます。 次の画面では、2行目のNetScalerが今回注文したものです。
NetScalerの管理画面にログインするには
NetScalerの設定は、専用の管理画面で行うため、そのログイン情報を確認します。 カスタマーポータルの「Devices」->「Device List」をクリックし、デバイスの一覧を表示します。 NetScalerの行の左端にある三角マークをクリックすると、ポータルのログイン情報が表示されます。
NetScalerの管理画面はプライベート・ネットワークから接続するため、VPN接続を行います。 それから、デバイス一覧からNetScalerの「Actions」->「Manage Device」をクリックします。
ブラウザで新しいタブが開き、NetScalerのログイン画面が表示されます。 「User Name」と「Password」に先ほど確認した情報を入力し、「Login」をクリックします。
ログインに成功すると、次のように管理画面が表示されます。 NetScalerの設定は、この画面を通して作業を行います。
バランシング設定の方法
ローカル・ロードバランサーのバランシング先はパブリック・ネットワークに限定されていましたが、NetScalerはプライベート・ネットワークに対しても負荷分散することができます。 ここでは、このプライベート・ネットワーク内のIPアドレスに振り分ける方法を、詳しくみていきます。
次の図は今回のバランシング設定で、VIPへのアクセスは、プライベート・ネットワーク内のウェブサーバーに対してバランシングします。
サービス用IPアドレスの確認
カスタマーポータル上の「Devices」->「Device List」から、NetScalerのIPアドレスをクリックします。 詳細画面に表示されたIPアドレスが、ロードバランサーに接続するために必要となるので、控えておきます。 ここでは、次の画像に表示される「198.11.204.0」を控えます。 注文時に複数のIPアドレスを申し込んだ場合は、ここに申し込んだ分のIPアドレスが表示されます。
NetScaler管理画面でバランシング設定
NetScalerにログインしたあとは、バランシング対象のサーバーの登録と、サービス用IPアドレス(VIP)の設定を行います。 左メニューの「traffic Management」->「Load Balancing」をクリックします。 設定を進めるために「Load Balancing wizard」をクリックして作業を進めます。
ウイザード画面ではNetScaler上でHTTPのサービス登録を行います。 「Next >」をクリックしたら、「Name」に任意のホスト名を入力して「New」ボタンをクリックします。
バランシング設定は、次の画面のように「Server Name」にNetScaler上で表示したい名前と、「IP Address」にバランシングしたいウェブサーバーのPrivate VLANの情報を追加し、「Create」ボタンを押します。
それから「Add」ボタンをクリックすると、次の画面のように「Configured Servers」にウェブサーバーの情報が登録されました。 同様に、他のバランシングしたいサーバー情報も登録し、「Next >」をクリックします。
VIPアドレスを振り分けるため、Virtual Serverの設定を登録します。 「Name」に「HTTP_VIP」と入力します。 「IP Address」には、VIP「198.11.204.0」を入力します。 それから「Available Service」の欄に、先ほど追加した2つのウェブサーバーの情報が登録されていますので、クリックして選択し、「Add >」ボタンを押して「Configures Services」に移動します。 「Next >」ボタンをクリックして、確認画面に進みます。
最後に「Finish」ボタンをクリックします。 登録に成功しますと「The configuration is successful.」と画面に表示されるので「Exit」をクリックしてウイザード画面を閉じます。
あとは、外部のサーバーから、このVIPに対してアクセスします。 curlを使うと、次のようにバランシングされていることが確認できます。
[admin@step ~]$ curl 198.11.204.0
z-web01.example.com
[admin@step ~]$ curl 198.11.204.0
z-web02.example.com
[admin@step ~]$ curl 198.11.204.0
z-web01.example.com
[admin@step ~]$ curl 198.11.204.0
詳細なバランシングの設定方法については、Citrix社が提供しているガイドをご確認願います。
Citrix NetScaler L4 ロードバランス設定ガイド
http://www.citrix.co.jp/products/pdf/NetScaler_L4_setting_guide_v1.pdf
応用編:メンテナンス・ページを表示するには?
NetScalerにはバランシング先のサーバーが停止状態になると、ローカル・ロードバランサーとは異なり、外部のURLにリダイレクトすることができます。 リダイレクト先にオブジェクト・ストレージのURLを入力しておくと、メンテナンス用のサーバーを用意しなくても、メンテナンス・ページを表示できます。
NetScaler管理画面で「Traffic Management」->「Load Balancing」->「Virtual Server」をクリックします。 バランシング対象のサービス名称をクリックしたあと、「Open」ボタンをクリックします。
「Advanced」タブをクリックし、「Redirect URL」の入力フォームに、メンテナンス・ページのURLを入力します。
あとは、ウェブサーバー上のApacheを停止して、ブラウザからVIP「 http://198.11.204.0/ 」にアクセスすると、先ほど用意したメンテナンスページが表示されていることがわかります。