今回は、Igniteで発表された、AI Builderのプロンプトビルダーについて現在の情報をまとめます。
AI Builderでは、Azure AIを使用しており、Azure OpenAI Serviceの機能を使用できるAI Builder GPTモデルも用意されています。
そのようなLLMモデルをより簡単に使用するために用意された一つの機能がAI Builderのプロンプトビルダーです。
プロンプトビルダーとは
プロンプトビルダーは、GPT プロンプトの構築、テスト、展開を担う、AI Builder の新しいインターフェイスです。
この新しいインターフェイスを使用すると、プラットフォームのコンポーネントやコパイロット全体にわたって使用できるカスタムプロンプトを作成できます。
プロンプトビルダーとは、つまり、生成AIに対する指示内容(=プロンプト)を事前に用意しておくことができる機能で、いろんなアプリやフローの中で、そのプロンプトをテンプレートとして使うことができます。
「こういうときのタスクにはこういうプロンプトがいい」とテンプレートを用意しておくことができるため、
生成AIの機能を使うときの障壁となる、「プロンプトの書き方がわからない」というハードルを下げてくれる機能になっています。
そして、このビルダーの中にプロンプトのテスト機能などの便利な機能も備えております。
現時点(2023/11/25)ではまだリリースされておりません。今度のリリース予定に含まれる機能となっていますが、実際に使えるようになるまでには少し時間がかかりそうです。
実際に触るときには、Power AppsやPower Automateのスタジオを開き、[詳細]>[AIハブ]>[AIプロンプト]で見ることができますが、まだ編集などは(動的な値の挿入などでエラーになり)、まだ使うことができないです。
プロンプトビルダーには二種類のプロンプトがあります。
- 事前構築済みプロンプト
- カスタムプロンプト
事前構築済みプロンプト
事前構築済みプロンプトは、Microsoftチームによって作成および微調整された事前設定済みのプロンプトで、作成者が一般的なタスクを簡単に達成できるように支援します。
様々なユースケースにおけ生成AIの使用方法を示すテンプレートを提供し、インタラクションを簡素化します。
現在、サンプルとして用意してくれている事前構築済みプロンプトは以下です。
- テキスト分類
- 苦情に応答する
- 要約
- 感情分析
- 情報抽出
テキスト分析系でもともと存在していたAI Builderのモデル以下のモデルはプロンプトビルダーでプロンプトのサンプルを用意しておくことで簡単にGPTモデルで実現できるので、置き換わっていきそうですね。
- 感情分析
- カテゴリ分類
- エンティティ抽出
- キーフレーズ抽出
- テキスト翻訳
- 言語検出
カスタムプロンプト
プロンプトを独自に詳細に作成することで、特定のビジネスニーズに合った応答を生成することができます。これにより、LLMモデルはさまざまなタスクを達成するための柔軟なツールに変わります。
例えば、費用対効果を算出したいような場面は組織の中でたくさんあると思いますが、それをプロンプトビルダーで用意しておくことによって独自の「費用対効果算出モデル」を用意しておくことができるようなイメージです。
以下のように動的な値を入れて、その時の入力値に応じて出力ができます。
まとめ
AI BuilderのGPT(テキスト生成)モデルや今回お話したプロンプトビルダーによってさらに、生成AIを使ったアプリ・フローが作成しやすくなりますね。
今後、本格的に使えるようになるのが楽しみですね!
GPT(テキスト生成)モデルについては以下をご参照ください