(2024/9/10 ライセンスガイド変更により修正)
今回は、AI Builderのライセンスについてと、後半でクレジットの割り当て方法について解説します!
簡単にAI Builderについてもおさらいしましょう。
AI Builderは、人工知能 (AI) の技術的な使用経験を問わず、あらゆる人々がAIを扱ったソリューションを簡単に作成することができるロ―コードのAIサービスとなっています。
Power Apps、Power AutomateやSharePointなどのMicrosoft製品を通じて利用できます。 AI Builderは基本製品ではなく、既存の製品に追加する一連の機能であるため、アドオン機能と呼ばれます。

では、そんなAI Builderのライセンスの考え方についてご説明していきます。
AI Builder のライセンス概要
AI Builder のライセンスは、キャパシティベースで提供されます。
つまり、使えば使うほど必要なライセンス数が増えてきます。
このキャパシティは、「サービスクレジット」という独自の単位で表されます。
このサービスクレジットは、AI Builderのすべての機能・モデルにおいて単一 (共通) 単位となります。
ただし、モデルによって、サービスクレジットの消費レートは異なりますのでご注意ください!
詳細については後ほど、「キャパシティレートについて」で説明します。
既定のAI Builderライセンス
以下のライセンスにアドオンとして既定のAI Builder使用権が含まれます。
① Power Apps per app
② Power Apps Premium (旧:Power Apps per user)
③ Power Automate Premium (旧:有人 RPA を含む Power Automate per user)
④ Power Automate 無人 RPA アドオン
⑤ Power Automate ホスト型 RPA アドオン
⑥ Dynamics 365 Finance サブスクリプション
ライセンスごとのAI Builderサービスクレジット数
ライセンス種類 | Power Apps per app | Power Apps Premium | Power Automate Premium | Power Automate 無人RPA アドオン | Power Automate ホスト型RPA アドオン | Dynamics 365 Finance |
---|---|---|---|---|---|---|
クレジット | 250 | 500 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 20,000 |
これまで、共通で累積キャパシティの上限はテナントあたり 100 万クレジットでしたが、今後、ライセンスごとに上限が設けられます。(適用日はまだ未公表2024/2/4)
ライセンス種類 | Power Apps per app | Power Apps Premium | Power Automate Premium | Power Automate 無人RPA アドオン | Power Automate ホスト型RPA アドオン | Dynamics 365 Finance |
---|---|---|---|---|---|---|
蓄積クレジットの上限 | 1,000,000(※) | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 20,000 |
※ 2022 年 11 月より前に購入したアプリごとのライセンスにはクレジットは含まれません。
これを超えるサービスクレジットが必要な場合は、次の「AI Builderキャパシティアドオン」をご利用ください。
AI Builder キャパシティアドオン
AI Builder キャパシティアドオンは、「キャパシティパック」という単位で購入することができます。
キャパシティパック 1つ=サービスクレジット 100万/月
以下の3つのプランが用意されています。(まとめて買うほどお得という考え方です。)
キャパシティ パックのレベル | AI Builder アドオン SKU の名称 | キャパシティ パックの最小購入数 | 1つのキャパシティパックの価格/月 |
---|---|---|---|
Tier 1 | AI Builder Capacity T1 アドオン | 1 キャパシティ パック | 500 ドル/キャパシティ パック |
Tier 2 | AI Builder Capacity T2 アドオン | 10 キャパシティ パック | 375 ドル/キャパシティ パック |
Tier 3 | AI Builder Capacity T3 アドオン | 50 キャパシティ パック | 250 ドル/キャパシティ パック |
サービス クレジットはテナント全体で共用として適用されます。
(例: 使用量の予測に基づいて月に 470 万のサービスクレジットを必要とする場合は、キャパシティパックを5つ購入することになります)。
ライセンスに付与されるクレジットと異なり、キャパシティアドオンの上限はありません。
キャパシティレートについて
ライセンスのサービスクレジット数について把握したうえで、実際にどのくらい必要なのか、AI Builderの実行数から計算する必要があります。
モデルによってサービスクレジットの消費レートは異なる為、どのモデルをどのくらい使うのかある程度予測して適切な数を購入する必要があります。
計算は以下の AI Builderレートカードで計算するか、計算サイトを参照してください。
(2024/8現在、こちらの計算サイトが使えなくなっているようです。)
(2024/9 ライセンスガイド参照
ライセンスガイドはこちら:https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2085130
英語版:https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=2085130&clcid=0x409)
実際に現在の環境でどのくらい使われているのか確認したい場合は、以下の記事をご覧ください。
AI Builderアドオン購入方法
Microsoft 365 管理センター(https://admin.microsoft.com)にアクセスします。
(このページにアクセスするには、テナントの請求管理者である必要があります。)
[請求] > [サービスを購入する]をクリックし、 右の検索バーで「AI Builder」を検索して、AI Builder 容量アドオンを見つけることができます。
Tier1, Tier2, Tier3からプランを選び、[詳細]ボタンをクリックします。
1年分か1か月分かを選択し、[購入]ボタンをクリックします。
クレジットカード情報を入力し、購買プロセスに従います。
このプロセスを完了すると、テナントに自動的に AI Builderクレジットの権利が付与されます。
クレジットの環境への割り当て方法と制御方法
クレジットに対して、最初に管理者が行うべきことをこちらに記載します!
主には、クレジットを環境に割り当てる方法と制御方法についてです。
余っている未割当のクレジットがあると、デフォルトでは消費できてしまいます。
未割当のクレジットを自由に使わせないようにするには、すべてのクレジットを割り当てるか、追加の設定が必要です。
制御方法についてはこちら
Power Platform 管理センター(https://aka.ms/ppac )に移動して[リソース] > [キャパシティ]を選択します。
概要タブの下の方に、アドオンセクションが表示されます。
この中にAI Builderクレジットについて、所有しているクレジットの合計数と、その中で割り当てられているクレジットの数が表示されます。
こちらのAI Builderクレジットを割り当てるためには、容量ページでアドオンタブを開きます。
(AI Builder 容量のアドオンなど、テナントにPower Platform容量のアドオンに対する権利がある場合は、アドオンタブが表示されます。)
ページの上部にある[環境に割り当て]を選択すると、サイドパネルが開きます。
このパネルで、対象の環境を選択し、この環境に割り当てるクレジット数を入力して、[保存]をクリックします。
1 つの環境での AI Builder クレジットの合計は、テナントレベルで利用可能な AI Builder クレジットの数を超えることはできません。
ある環境から別の環境にクレジットを再度割り当てる場合は、2つ目の環境で容量を増やす前に、最初の環境の容量を減らします。
設定変更が完了するとアドオンタブにて、環境に割り当てられているクレジット数を確認できます。
制御方法
クレジットを一部だけ環境へ割り当てても、デフォルトでは使用量を制御できるわけではありません。
テナント内で余っているクレジットがあると、それを自由に使えてしまいます。
環境に割り当てた分だけ使用させたい場合は、以下の2つの方法があります。
①すべてのクレジットを環境に割り当てる
ユーザー用環境と別の管理者用の環境に残りのクレジットを割り当てるなどして、クレジットを余らせなければ制御できます。
以下のようにテナントのすべてのクレジットを環境に割り当て、オレンジ色のバーになったらOKです。
②制御設定をする
未割当のクレジットがある状態でも制御させたい場合は以下の方法で制御することが可能です。
Power Platform 管理センター(https://aka.ms/ppac )に移動して[設定] を開きます。
[AI Builderクレジット]をクリックします。
「ユーザーによる未割り当てのクレジットの使用を許可する」のチェックを外します。
[保存]ボタンをクリックで完了です!
こちらを設定することによって割り当てられていない環境では以下の画像のように、モデルの作成ボタンがグレーアウトして無効化されます。