個人用メモです。受験とは関係ありません。編集中。
高分子に関する用語中心にまとめる予定。
高分子化合物とは
・分子量が10,000を超えるような化合物
※10000に厳密な意味があるわけではないが、分子量が10000を超えてくると、確かに低分子とは異なる性質が表れてくる。
・単量体が多数つながってできた高分子量物質のこと
(IUPACの定義)
・1種または数種の原子あるいは原子団が互いに数多く繰り返し連結していることを特徴とする分子からなる物質
単量体(monomer:モノマー)
オリゴマー(oligomer) ・・・重合度が数十程度以下
高分子(polymer:ポリマー) ・・・重合度が数百以上ウイスキー
高分子の種類
○ 天然高分子(natural polymer)
動植物を構成するあるいは細胞や組織に含まれr津高分子
(無機)
・多糖(糖類)
セルロースとアミロース
・タンパク質 ・・・肉
20種類のαアミノ酸が縮合反応の繰り返しによってできた高分子
・核酸 ・・・DNA,RNA
・天然ゴム(炭化水素系物質)
(有機)
・二酸化ケイ素(SI)「天然水晶」
その他、岩石や雲母など
○ 合成高分子(synthetic polymer)
完全に人工的に合成された高分子
ポリエチレン
(有機)
・合成樹脂(プラスチック) ・・・高分子化合物の中でも熱や圧力を加えて加工ができるもの
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2タイプが存在
・合成繊維 ・・・高分子化合物を紡糸することで繊維状にしたもの
ナイロン(ポリアミド系合成繊維)、ポリエステル(ポリエステル系合成繊維)、アクリル繊維など
・合成ゴム(スチレン、ブタジエンゴムなど) タイヤ
(無機)
・シリコンゴム(シリコン・・・・Si)
○ 半合成高分子(semi-synthetic polymer)
天然高分子を化学反応によって一部修飾した高分子
人造繊維(アセテート、硝酸セルロースなど)
高分子の分子形態
物性を決めるのは高分子の構造
一次構造(Primary Struncture)
モノマーの種類・繋がり方。
繰り返し単位(モノマー単位)の結合様式、立体規則性、分子量、分子量分布
・繰り返し単位(モノマー単位)の結合様式
頭-尾(head-to-tail)結合 ・・・この形態が多い
頭-頭(head-to-head)結合
尾-尾(tail-to-tail)結合
コンフィグレーション(configuration,立体配置)
重合時に決まる構造のこと。
(線状高分子のつながる方は重合時に決まり、共有結合を切って繋ぎ変えない限り変わらない)
1,4-構造の高分子は、さらにtransとcisの幾何異性体が存在
・立体規則性(stereoregularity:又はタクティシティ(tacticity))
2個の繰り返し単位の立体配置が同じ場合(ダイアッド,二連子,diad)と異なる場合(メソ,meso)がある
3個の繰り返し単位(トリアッド,三連子,triad)の立体配置が同じ場合と異なる場合がある
mm : イソタクチック(isotactic:接頭語it-) すべてのメチル基が主鎖に対して同じ方向に結合しているもの
rr :シンジオタクチック(syndiotactic:接頭語st-) 交互に結合しているもの
mr(又はrm) :ヘテロタクチック(heterotactic)
二次構造(Secondary Struncture)
高分子の一次構造(コンフィグレーション)重合時に決まるが、高分子鎖のC-C結合まわりの回転により、分子は様々な形態をとることができる。この構造が二次構造。
・コンホメーション(conformation,立体配座):高分子鎖における原子や原子団の間の空間配置
コンホメーションの多様性は高分子の最大ともいえる特徴であり、コンホメーションにより分子の集合体である高分子物質の性質は決まる。
高次構造(higher order Struncture)
三次元立体構造
分子鎖構造
- 線状高分子
- 線状単独重合体
- 線状ブロック共重合体
- 非線状高分子
- 分岐高分子
*くし形高分子(comb polymer)
* ハイパーブランチ高分子(hyperbranched polymer)
* 星型高分子(star polymer)
* デンドリマー(dendrimer(樹木を意味する)) - 環状高分子(cyclic polymer)
* 大環状高分子(macrocyclic polymer)
* ポリロキタサン(polycrotaxane)
* ポリカテナン(polycratenane) - 架橋高分子(crosslinked polymer)
* はしご型高分子(ladder polymer)
* 網目状高分子(network polymer)
* IPN(interpenetrating polymer network,相互侵入高分子網目)
- 分岐高分子
- 超分子ポリマー(supramolecular polymer)
成分数による分類
・単独重合体(homopolymer:ホモポリマー) ・・・繰り返し単位が1種類しかないもの
・共重合体(copolymer:コポリマー) ・・・繰り返し単位が複数あるもの
共重合体は異なる繰り返し単位の結合の仕方によって、さらに細かく分類(モノマー(A,B))
- ランダム共重合体(random copolymer) 配列に規則性がないもの、名称:poly(A-ran-B)
AAABBABAABBAA - 交互共重合体(alternating copolymer) AとBの繰り返し単位が相互に結合したもの、名称:poly(A-alt-B)
ABABABABABAB - ブロック共重合体(block copolymer) 繰り返し単位がブロックとなって高分子鎖中に結合、名称:polyA-block-polyB
AAAAABBBBBBBBBBB
B A
BBBB AAAA - グラフト共重合体(graft copolymer)、名称:polyA-graft-polyB
- 周期共重合体(periodic polymer)
- 傾斜組成(グラジエント)共重合体(gradient copolymer)
1,2は単独重合体とは異なるせいしつを示すことが多い
3はそれぞれの単独重合体の性質を兼ね備えていることが特徴
高分子の分子量と分子量分布
高分子は分子量分布をもっているのが一般的であり、分子量は平均値としてあらわされる。
Mn=Mw=Mzとなるのは、分子量分布がない単分散ポリマーの場合
・数平均分子量:Mn(Number-average molecular weight) 高分子の全重量/高分子の分子数
・重量平均分子量:Mw(Weight-average molecular weight) 分子量を重みとして用いた加重平均
・z平均分子量:Mz(z-average molecular weight) 分子量の2乗を重みとして用いた加重平均
・粘度平均分子量:Mv(Viscosity-average molecular weight)
・ピークトップ分子量:Mp(GPC (SEC)peak molecular weight)
分子量の測定法
・NMR法(末端基定量法) Mn 測定範囲 <$10^4$
・凝固点降下法(cryoscopy)と沸点上昇法(ebullioscopy) Mn 測定範囲 <$10^4$
・蒸気圧浸透圧法(vapor pressure osmometry) Mn 測定範囲 <$10^4$
浸透圧法の半透膜にかからない比較的低分子量の高分子のMnを測定する標準的な方法
・浸透圧法(osmometry) Mn 測定範囲 $10^4$~$10^6$
・静的光散乱法(static light scattering) Mw 測定範囲 $10^4$~$10^7$
・粘度法(viscometry) Mv 測定範囲 <$10^7$
・サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography,SEC) Mn,Mv,Mz 測定範囲 <$10^7$
ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography,GPC)とも呼ばれる
・マトリックス支援レーザー離脱イオン化飛行時間型質量分析法(matrix-assisted laser desorption ionization time-of-flight mas spectroscopy:MALDI-TOF MS) Mn,Mv,Mz; 測定範囲 <$10^5$
重合方法の分類
単量体(モノマー)が多数結合して重合体ができる反応を重合
(反応機構により分類)
○連鎖重合(chain polymerization)
(モノマー構造の違いでさらに分類)
・付加重合(addition polymerization) ・・・炭素炭素二重結合C=Cをもつ単量体が付加反応を繰り返して繋がっていく反応
ラジカル重合(radical polymerization)
アニオン重合(anionic polymerization)
カチオン重合(cationic polymerization)
配位重合(coordination polymerization)
・開環重合(ring-opening polymerization) ・・・環状の単量体の環が開いて繋がっていく反応
ラジカル開環重合
アニオン開環重合
カチオン開環重合
配位開環重合
開環メタセシス重合(Ring-opening metathesis polymerization,ROMP)
・連鎖縮合重合 ・・・単量体の間で小さな分子(H2Oなど)が取れて繋がっていく反応
○逐次重合(setep-growth polymerization)
・重縮合(polycondensation)
・重付加(polyaddition)
・付加縮合(addition-condensation) ・・・付加反応と縮合反応を繰り返して繋がっていく反応
○リビング重合
連鎖重合:
※モノマーだけでは反応を開始することができない
モノマーの中に少量の「重合開始剤」というものを加えるとこれらが一部のモノマーと反応し、このモノマーから重合が進んでいく。
重合熱(heat of polymerization)
逐次重合;ヒドロキシ基やアミノ基などの官能基を持ったモノマー同士が反応していき、徐々に長いポリマーになっていく重合
※モノマーはそれ自身が反応を開始し、時間が経つにつれて分子量を増していく
重縮合 ・・・重縮合は2分子が反応する際に副生成物を出す重合のこと
重付加 ・・・副生成物を出さない重合のこと
ラジカル重合:
ラジカル重合会資材
一時ラジカル
開環重合:環状化合物の環構造を解き、環の解かれた化合物の端同士が結合することで重合体とする反応
重合反応プロセス
・塊状重合(bulk polymerization:バルク重合) ・・・モノマーは液状/開始材はモノマーに可溶/溶媒なし
・溶液重合(solution polymerization)
・懸濁重合(suspension polymerization)
・乳化重合(emulsion polymerization)
・分散重合(dispersion polymerization),沈殿重合(precipitation polymerization) 生成する高分子が溶媒に溶けない場合、重合の進行とともに光雲氏が微粒子の沈殿として析出
・気相重合(gas-phase polymerization)
・固相重合(solid-state polymerization)
・界面重合(interfacial polymerization)
参考書
・基礎高分子科学 (2006/07|東京化学同人|450ページ)
・高分子科学―合成から物性まで (エキスパート応用化学テキストシリーズ) (2016/9/15|講談社|東信行(著),松本章一(著),西野孝(著)|256ページ)
・ベーシックマスター 高分子化学 (2011/3/16|オーム社|412ページ)