NetSuiteは219を超える国や地域、27の言語と190の通貨をサポート (2024年12月現在) をサポートしており、日本国内外で利用する際も各国のビジネス要件を満たしたERPの運用が可能です。これはOneWorldと呼ばれる機能により実装されています。
この記事では日本向けのローカライズ機能と海外向けのローカライズ機能について概要を見る方法を提示します。
日本向け機能とドキュメント
一覧がヘルプ・センターのドキュメントに掲載されています。
Japan Help Topics
https://docs.oracle.com/en/cloud/saas/netsuite/ns-online-help/section_4169634320.html
誰でも見られるドキュメントは docs.oracle.com
に英語のみ公開されていますが、日本語をはじめ各国語のドキュメント (ドイツ語、スペイン語、簡体字中国語) は、NetSuiteインスタンスを購入すると、NetSuiteの一部として閲覧可能になります (ただし公開されている英語よりも版が古い)。同等の目次のURLは以下の通りです。
日本のヘルプトピック
https://system.netsuite.com/app/help/helpcenter.nl?fid=section_4169634320.html
(NetSuiteアカウントでのログインが必要です)
日本向け機能は日本向けローカライゼーションを実現するいくつかのSuiteAppで実現しています。SuiteAppとは、NetSuiteを拡張して特定の業界や国と地域の要件に合わせるためにインストールするアドオンモジュールのことです。日本向けには以下のSuiteAppのインストールが必要になります。新しくプロビジョニングされた日本版 NetSuite アカウントには、Japan Localization SuiteApp などはすでにインストールされています。
- Japan Localization (SuiteAppバンドル ID 490217) - 日本の請求サイクルに対応した日本固有の機能を提供し、支払条件を定義し、日本の締め請求書をカスタマイズ、生成します。
-
Japan Fixed Assets Reports (SuiteCloudベース、アプリID
com.netsuite.jpnfixedassetsreports
) - 減価償却資産のレポートと対応する税務レポートを生成します。SuiteApp は、税務署からの減価償却率と減価償却資産の税務レポートに適用する減価償却方法も提供します。レポートは、日本の市町村税務署の要件に準拠しています。(2021.2でリリースされた比較的最近提供された機能です。) - Japan Financial Statements (SuiteAppバンドル ID 519372)- 日本の貸借対照表、日本の損益計算書、日本のキャッシュフロー計算書を提供します。SuiteAppにはまた、財務諸表ごとにテンプレートが2つ用意されています。英語のテンプレートと日本語のテンプレートです。
- International Tax Reports (SuiteAppバンドル ID 43003) - 簡単かつ正確に提出できるよう現地のフォーマットで作成されたVAT/GSTレポートとオンライン申告、また、税金コード別の購入と販売レポート、さらに、新たなネクサスが作成される際の事前設定された税金コードが提供されます。日本の仕入税額控除の計算とレポートも提供されます。
- Electric Bank Payments (SuiteAppバンドル ID 416781) - 企業による日本国内の仕入先支払請求書や従業員給与の支払を可能にし、顧客からの支払を受けるための日本の支払フォーマットを提供しています。
- Payment Gateway (SuiteAppバンドル ID 47196)- 日本向けにVeriTransクレジットカード支払ゲートウェイとの連携を提供します。初期状態ではインストールされていない可能性があります。
これらがインストールされているかどうかを確認するには、管理者権限を持つユーザーが、以下のいずれかのメニューから一覧を確認します。
SuiteAppバンドルの場合: 「カスタマイゼーション」「SuiteBundler」「バンドルの検索及びインストール」「リスト」
https://system.netsuite.com/app/bundler/bundlelist.nl
SuiteCloudベースの場合:「カスタマイゼーション」「SuiteCloud開発」「インストール済みSuiteAppリスト」
https://system.netsuite.com/app/suiteapp/devframework/appinstalllist.nl
日本向けに対応すべき項目
NetSuiteがERPとして日本市場向けに対応すべき項目には以下のような内容があります。これらは前述の日本向けローカライゼーション機能を提供するいくつかのSuiteAppバンドルで対応されています。
- 一般
- 日本の言語形式、カレンダー形式、祝日、住所形式、通貨形式、時間帯
- 会計
- 一般会計
- 日本の会計期間
- 銀行業務
- 日本の銀行口座情報への対応
- 税金
- 日本における消費税への対応 (企業が税金を回収)
- 日本の納税申告書への対応
- 日本の仕入税額控除の計算への対応
- 財務諸表
- レポートの日本の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書への対応
- 日本の財務レポートパッケージ、株主変動表への対応
- 固定資産管理
- 固定資産の減価償却方法への対応
- 一般会計
- 注文管理
- 請求と請求書
- 締め請求書
- 支払処理
- 受取手形への対応
- 顧客のクレジットカード支払に対応 (Veritrans連携)
- 支払遅延残高および回収
- 日本の請求サイクルと支払条件への対応
- 請求と請求書
- 仕入先、購買、受領
- 仕入先への支払
- 支払手形への対応
- 仕入先支払請求書と従業員経費の支払フォーマットの全銀支払ファイル仕様 (全国銀行資金決済ネットワーク)への対応
- 仕入先への支払
- SuiteCommerce
- SuiteCommerce Advanced (SCA)、サイト、SuiteCommerce InStore(SCIS)のロケール設定
その他のドキュメントソース
2024年7月にNetSuiteのサポートコミュニティ日本語版が公開されました。2024年12月現在、約3,000のディスカッションが日本語で投稿されています。詳細については、以下の記事を参照してください。
たとえば、特に新リース会計基準の対応状況がこちらで掲載されています。
Oracleから公開されているミドルウェアについてのヘルプセンターでは、OracleミドルウェアとNetSuiteとのコネクタードキュメントを中心に日本語で掲載されています。
以下のURLからアクセスできます。
https://docs.oracle.com/search/?q=NetSuite&lang=ja
海外向け機能とドキュメント
以下のリージョンと国向けの設定項目があります。詳しくはそれぞれのドキュメントを参照してください。(外部公開されているものは英語です。)
-
リージョン
- ANZ (オーストラリア、ニュージーランド)
- EMEA (ヨーロッパ/EU・中東・アフリカ: オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国)
- LATAM (ラテンアメリカ)
- 南東アジア (マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)
- 国