2025年1月24日より、Oracle NetSuite日本語版でも生成AI機能「テキストエンハンス (Text Enhance)」が利用できるようになりました。デフォルトでONになっているので、さっそくどんな感じか試してみました。
Text Enhanceの使いどころ
Text Enhance機能は、顧客へのメール、上司やチームへの報告書、商品のセールスポイントの作成など、フィールドやテキストに準備されたテキスト情報を膨らまして、特定の長さの特定の言語の文章を作成する際に役立ちます。Enterprise Resource Planning (ERP)、基幹業務システムにおける生成AIの利用シナリオのひとつです。
そんなのChatGPTにやらせればいいじゃん、と思うかもしれません。しかし、入力したデータのOpenAIでの取り扱いに不安を覚えるユーザーもいるでしょう。NetSuiteの生成AIはOracle Cloud Infrastrucutre (OCI)に配置されたOCI Generative AIが使われます。このサービスではOCI上でCohere/Llama 2の両LLMを統合的に利用できます。一定量までは無料月間割り当て分があるのでこれを消費して無料で利用できます。それよりも多く活用したい場合は、OCI Generative AI Service で独自の Oracle Cloud アカウントを使うように構成できます。
利用手順: コミュニケーション系
たとえば、顧客の「コミュニケーション」タブの「メッセージ」「電子メール」のウィンドウを開くと、本文のテキストボックスの右上に「テキストエンハンス」ボタンが表示されます。
コミュニケーション系のテキストボックスでは「テキストエンハンス」ボタンからは「クリーン・アップ」「元に戻す」「再実行」のコマンドが利用でき、「クリーン・アップ」を実行すると本文に書いたテキストをプロンプトとして生成AIを実行し、結果のテキストで置き換えるということをしています。
最初に以下をテキストとして入れておき、「クリーン・アップ」を実行すると、
お客様に謝罪する文面を100字で書いて
以下のような結果が表示されます。
弊社商品でお困りのことと思い心よりお詫び申し上げます。今回ご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございません。お客様に快適にご利用いただけるよう、より良い商品・サービスの提供に尽力いたします。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
コミュニケーション系の「テキストエンハンス」ボタンは、他にも「イベント」「タスク」「通話」などの活動や、「ユーザー・ノート」「キャンペーンの反応」など、色々な所で活用できます。
利用手順: 商品系
在庫アイテムの「購入/在庫」や「販売/価格設定」などにある「説明」テキストボックスでは、「生成」「短くする」「長くする」といった追加のコマンドが表示されます。
これらのコマンドでは、商品カタログのフォーマットに従ってそれっぽくテキストを生成してくれます。
最初のテキストが以下だった場合、
Dell 24" U2415 UltraSharp LED Monitor
「生成」コマンドで以下のようになります。この際、他のフィールドに入っている商品名の情報も参照され、活用されています
## 表示名
Dell 24" U2415 UltraSharp LED モニター
## 商品説明
高性能でスタイリッシュな 24 インチモニター。鮮やかな画像と動画を表示します。
## コア機能
広視野角でどこからでもくっきりとした映像をお楽しみいただけます。
## 追加詳細
- 在庫あり
## ドロップシッピングアイテム
いいえ
## スペシャルオーダーアイテム
いいえ
## ベンダー紹介
当社は、世界中から高品質な製品を取り揃えている。
参考資料
動画をはじめとする追加の参考資料の日本語版は、以下の場所より参照可能です。NetSuite Communityはサインインをすることで完全な情報を閲覧することが可能です。特に、動画の閲覧にはサインインが必須です。
Oracle NetSuite Community
Oracle NetSuite Community: ホーム› NetSuite サポートコミュニティ› AI関連機能
- Oracle NetSuiteで業務効率を最大化:テキストエンハンス機能のご紹介 (動画: コミュニティへのサインインが必要)
- NetSuiteにおける人工知能(AI)
- テキストエンハンス
- テキストエンハンス・プリファレンス設定
- SuiteScript 2.x 生成AI API
動画は、以下からも見ることができます
その他の参考資料