2023年10月27日~28日にかけて開催されたPyCon APAC 2023に参加、登壇してきました。
大きなカンファレンスで外部向けに登壇するのはPyCon以外を含めても初めてでした。
また僕のトークは二日目午後だったこともあり、他の方のトークを聞いて回る余裕はあまりありませんでした(泣)
CfPの公開から登壇まで
今回初めての登壇を経験したので、せっかくなので経緯や流れを記しておきます。
プロポーザルの募集開始から登壇本番までの時系列をまとめてみます。
- CfP募集開始:2023/5/11 Blog
- 応募締切:2023/5/31
- プロポーザル提出:2023/5/31
- 採択結果発表:2023/7/14 Blog
- PyCon APAC 2023:2023/10/27-28
このように、プロポーザル締切りからカンファレンス当日まで5カ月近くの期間があります。
スピーカーとして参加するにはもちろんプロポーザルが採択される必要があります。
プロポーザルに応募できるようなトークテーマは日常的に考えたり軽くでもストックしておいたりすると応募の心理的障壁は低くなるものと思います。
また、プロポーザルのレビューに際して今回は以下のブログで評価観点が公開されていました。
PyCon JP Blog: PyCon APAC 2023 レビュアーの評価観点
Python 初心者にとって自らの知見を広げる内容か
Python が社会で活用されている具体的なイメージを描けるか
内容に独自性・新規性はあるか
(以下略)
特に一番目の項目が初心者向けのことであったため、「エンジニア初心者に向けた内容」のテーマにしようと決めることができました。
発表内容
発表のタイトルは『あなたのアプリケーションを本番システムで動かすために』
Webサービスを本番環境で運用するために必要となる項目を浅く広く扱いました。
スライドも公開しています。
現地で視聴してくださった方は本当にありがとうございました。
当日、質疑応答の中で「その場でちゃんと回答できなかったな」と後から思っていたのでこの場で補足したいと思います。
幅広い領域の知識をどのような順序で身に着けていったか
良い質問であり、難しい質問です。
正直に言うと「人それぞれ」ということに尽きてしまいます。
それぞれのバックグラウンドや得意領域、または関心事は人それぞれだからです。
当日は「僕には元々インフラやネットワーク関連のキャリアがある」という旨の回答をしてしまいたが、少しバイアスがあったなと反省しています。
例えばエンジニア入門者がWebアプリケーションフレームワークで開発する場合を考えると、初めはあまり欲張らずそのフレームワーク自体の習得に集中すれば良いと思います。
重要なのは「順序」よりも「全体像を掴むこと」です。
資料の末尾に載せていますが、全体像という意味では『自走プログラマー』という書籍がとにかく本当にオススメです。
ORMと比較してSQLクエリビルダーも選択肢に入ると思うが、どう使い分ければ良いか
トークの中で「ORMのメリットとしてセキュリティ面でメリットがある。SQLインジェクションの対策になる」という説明をしました。
しかし、仮にSQLインジェクションを防ぐのが目的であれば必ずしもORMだけがその手段にはなりません。
データ分析の用途でデータベース問合せのSQLを代替するのであれば、データ操作するためだけのライブラリを使えばORMよりも覚えることが少なて済みます。
ORMの特性・メリットはSQLインジェクションの対策ができることだけではなく、オブジェクトリレーションです。
今回はWebのバックエンドアプリケーションを前提に話したので、このあたりの文脈を省略してしまいましたが、誤解を生まないようもう少し丁寧に説明できれば良かったなと反省です(正確性と理解しやすさのバランスが難しい…)。
※これについては後から質問者の方と会話することができて、意図を詳しく聞くことができました。
さいごに:PyCon JP 2022 とボク
PyConは去年が初めての参加でした。
去年はスピーカーではありませんでしたが、同じ会社の同僚2名の登壇が決まっていたため、現地応援の意味もあって参加しました。
Pythonという同じテーマで集まった方々と交流できて多くの刺激をもらい、とても楽しかったです。
「次は自分もぜひスピーカーとして参加したい」という意欲が非常に高まり、今回のPyCon APAC 2023に至ることができたと思います。
祭りが終わった達成感と寂しさを覚えていますが、また来年もスピーカーとして参加できるよう邁進していきます。
参加者、スポンサー、何よりスタッフの皆さんお疲れさまでした&ありがとうございました!