青山・情報システムアーキテクト育成プログラム ADPISA-M 受講体験談(前半)
ADPISA-M(中級レベル:ITSS 2-3 相当)
前回は、前半の3か月(10月後半~1月前半)について、私の経験をもとに記事を書かせていただきました。ADPISA-M は、ある程度のIT業界の経験がある方にとっては非常に有益な知識・技能を身に着けスキルアップが図れると思いました。
今回は、後半の3か月(1月後半~3月前半)について、振り返ります。
目次
1.ビジネスプロセス・データのモデリング
2.デザインシンキング入門
3.価値を実現するためのプロジェクトマネジメント
4.情報処理関連選択科目群
5.大学施設の利用について
6.修了式
ビジネスプロセス・データのモデリング(通学)
2回に分けて「ビジネスプロセス・データモデリング」を学びました。1回目は、大学入学共通テストが実施されておりましたが、通常授業のため通学しました。初回は、プロセスモデリングについて授業を受けました。グループに分かれて、模造紙やポストイットを使ってテーマに対してモデリングをしました。デジタルツールを使うのも良いですが、アナログツールでディスカッションしながら進めるのも良いなと多いました。あと、長文からシステム要件を読み取る能力が必要だと思いました。
2回目は、データモデリングについて学習しました。ER図を中心にデータモデリングの重要性を学びました。簡単な帳票作成をテーマにER図を作成してみたり、グループで「MURAL」というオンラインホワイトボードツールを使ってディスカッションをしながらモデル図を作成しました。

【担当講師】
三輪 一郎先生
【シラバス】
あいまいに理解されやすい「企業の情報システム」を「業務の仕組み」として捉え、これをコンピュータの支援を受けて成立させることを想定した際に有用なモデリングの手法(プロセス・モデリング手法、データ・モデリング手法)を習得する。
【使用ツール】
● 模造紙、ポストイット、ペンなど(1回目)
● クラウド型のオンラインホワイトボードツール「MURAL」(2回目)
【1回目】
・モデルとは,情報システムのモデル化の3本柱:組織/プロセス/データ
・IRMモデル(情報システムのメタ構造)とモデリング手法の関係
・情報システムのモデルと情報システム構築手順の概念モデル:論/物×現/新マトリクス
・プロセス・モデリングの代表的な図法:BPMN,IDEF0,業務フロー,UML2.0
・プロセス・モデリング手法解説,プロセス・モデリング小演習
【2回目】
・データモデリングの代表的な図法:E-R図,IDEF1X,THモデル,クラス図,その他の手法
・データ・モデリング手法解説,データ・モデリング小演習
・組織×プロセス,組織×データ 観点の重要性
・Agile開発を想定した応用型ビジネスモデリングのポイント
デザインシンキング入門(オンライン)
2回に分けて、デザイン思考を学習しました。ビジネスゴール達成には、チームマネジメントを効率的にする必要があります。それらの基盤はリーダーシップ、マネジメント力、ビジネスコミュニケーション力といった「人」の能力に依存します。デザインシンキングを学ぶことはこれらの能力を身に着けることにつながります。
コミュニケーション・スタイル・チェックリストを記入することで自分の「苦手・嫌いなスタイル」と「好きなスタイル」が理解できました。自分の特徴として、協調指向が得意であるのと、ひらめき指向は苦手であることがわかった。最後の演習「苦手なスタイルの人に仕事を依頼する!」では、グループで実業務でありそうなケースをテーマにディスカッションしましたが、他の方の意見が非常に参考になりました。
デザイン思考は書籍を読んでも習得が難しいので、グループワークを通して、実体験ができて大変参考になりました。デザイン思考を学びたい社会人は多いのでニーズがある科目だと思います。また、デザイン思考を考える上で、インサイトから問題を定義し、新たな体験(価値)を創造することが重要であることがわかりました。実業務だと活かしきれてない部分があるので今後活用しようと思います。
【担当講師】
ラーニング・ツリー・ インターナショナル株式会社
【シラバス】
本科目では、顧客に新たな体験を創造する「デザイン・シンキング」手法と、ビジネスを加速する「コミュニケーションスキル」の理解・実践スキルの習得を目的とする。
【使用ツール】
● クラウド型のオンラインホワイトボードツール「Miro」(2回目)
【1回目】
・ビジネスに期待されるコミュニケーションスキルとアサーティブコミュニケーション(講義と演習)
・イノベーションに不可欠なEQ力と非言語コミュニケーション(講義と演習)
・成果を向上するコミュニケーションスタイルの活用(講義と演習)
【2回目】
・イノベーションはリーダーシップ機能の中心(講義)
・イノベーションを起こすデザイン・シンキング(講義)
・デザイン・シンキングのプロセスとツール(講義と仮想プロジェクト演習)
価値を実現するためのプロジェクトマネジメント
(オンラインおよび通学)
ADPISA-M の最後の授業は、全 3 回(22.5時間)におよぶ「価値を実現するためのプロジェクトマネジメント」です。初回はプロジェクトマネジメントの基礎についてオンラインで学びました。2回目は、渋谷ヒカリエ8階の「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」というフロアで開催されました。初田先生は、長年、日立製作所に勤務されており、製造業のSE等を経て、PMO 活動に従事されています。現場の生の授業を受けられてよかったです。
3回目は、グループA, B に日付が分けられており、各回で株式会社日立ドキュメントソリューションズの出張授業を受けました。
※内容については守秘義務があるため、詳細は割愛します。


【担当講師】
ラーニング・ツリー・ インターナショナル株式会社(1回目)
初田 賢司 先生(2回目)
株式会社日立ドキュメントソリューションズ(3回目)
【シラバス】
ISアーキテクトが描いた構想を実現し価値を産み出すためには、その構想をプロジェクトで実現し、定常業務で実行しなければなりません。本講義では、プロジェクトマネジメントに必要な知識体系とその知識を実践で使いこなすためのスキルを講義と演習により習得します。また、異分野のプロジェクトと比較することにより、ITプロジェクトの特質について理解を深めます。
【使用ツール】
● Googleスプレッドシート(1回目)
● プロマネ訓練ボードゲーム「プロ・トレZ」(3回目)
【1回目:プロジェクトマネジメントの基礎】
・イントロダクション
・プロジェクトとプロジェクトマネジメントの用語と概念
・プロジェクトスコープの定義
・作業の特定と見積もり
・作業のスケジュールとタイムラインの作成
・作業の委任とプロジェクト計画のベースライン
・プロジェクトの実行とコントロール
・プロジェクトの終結
・まとめ
【2回目:ITプロジェクトのプロジェクトマネジメント】
・ITプロジェクトの立上げ
・WBSを中心としたプロジェクト計画の作成
・ITプロジェクトのコントロール
・ITプロジェクトにおけるリスク・マネジメントの実際
・プロジェクトの混乱を防止するためのロスコスト・マネジメント
・グループ演習
ケーススタディ トラブルの原因と防止策を考える
【3回目:ゲーミフィケーションを活用したPM実践道場(対面教育)】
・オープニング「プロ・トレZ」の概要・プレー方法説明
・PM導入体験:「プロ・トレZ」プレー。チームディスカッション(振り返り)
・海外プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメント
・プロジェクトマネジメントディスカッション
・建設プロジェクトとITプロジェクトの比較
・まとめ
情報処理関連選択科目群(オンライン)
受講生一人一人がISアーキテクトに成長するために必要な学習のうち、ADPISA-M の他の科目では学ばない項目を学習します。ADPISA 運営側の推薦する分野と、受講生一人一人の希望も踏まえて受講する Udemy の講座を選び、ADPISA-M の開講期間中にオンデマンドに視聴します。Udemy の様々な講座の中から選択することになりますが、ADPISA の対象科目に対応した動画コンテンツも対象となりました。以下に抜粋します。
- 【デジタルトランスフォーメーション】事例と理論で学ぶ、DXの基礎知識&戦略論
- ビジネス推進のためのデータモデリング入門
- 新任リーダーのためのITプロジェクト管理入門
- 「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応
- プロダクトマネジメント入門講座: シリコンバレーの現役PMが伝授するBtoBプロダクトマネジメント
- プロダクトマネジメント実践講座: シリコンバレー企業の現役PMが伝授する、プロダクトの成長を加速するロードマップの書き方
- アジャイル・プロジェクトマネジメント短期集中講座
- 現役シリコンバレーエンジニアが教えるアジャイル開発
- 【実践】今日から使えるデザイン思考 ~クリエイティブに問題解決をしたいすべての人へ~
- 【ベストセラー著者が教える】組織でイノベーションを生み出す!「デザイン思考」実践講座~入門編
- サイバーセキュリティ入門、初めの一歩!
- ゼロトラストセキュリティ
- 【情報セキュリティ】Ethical Hacking:ホワイトハッカー入門
【シラバス】
大学施設の利用について
青山学院大学発行の身分証明書(学生証相当)が発行されるため、大学の施設を利用することが可能です。青山学院大学図書館では書籍を借りることができます。その他の施設を利用できます(私が利用したのはコンビニと学食ぐらいですが)。
セブンイレブン IVYCS青山学院大学1号館店
青山学院大学には学内にセブンイレブンがあります。お弁当やパン、スイーツ、飲料、お菓子、日用品など様々な商品があります。土曜日も営業しているので毎回、通学した際に利用させていただきました。
17号館の学生食堂(イチナナ)
青山キャンパスは、2ヶ所の学生食堂があります。17号間と7号館にありますが、7号館学生食堂は土曜日は営業してません。そのため、通学した際は17号館の食堂のみ利用可能です。メニューは青山学院と聞くと高そうですが、とてもリーズナブルな値段になっています。定番のカレー・ラーメン・ビーフシチューの他に、人気はシェフの気まぐれランチがあります。
学生食堂では、青学カレー(イチナナカレー)を食べました。ちなみに、ランチパック「青学カレー風と油淋鶏風」にもなってます。お値段はカツカレーで 430 円という安さです。青山キャンパスに来たらぜひ食べてみてください。

修了式(通学・オンライン合同)
開会のことば
1.社会情報学部学部長 宮川裕之先生より
2.ADPISA事務局より
居駒先生、山口先生
3.ADPISA-M講師より(1人2分程度)
4.受講生 修了にあたっての抱負(1人30秒程度)
5.事務連絡
閉会のことば
打ち上げ(19:30~22:00)
同期生約 30 名と講師の先生方も参加いただき盛り上がりました。お酒が飲めない都合で、今まで飲み会に参加できなかったのですが、お酒が飲めなくても思い出話を膨らませて同期生と楽しい時間を過ごさせていただきました。
毎週、グループワークだったので同期生の方たちともだいぶ仲良くなれました。グループワークが同じチームにならなくて中々、話せなかった同期生とも交流できました。
場所:ヒカリエ7F「かしわ」
まとめ
今回、後半の3か月(1月後半~3月前半)について、私の経験をもとに記事を書かせていただきました。ADPISA-M は、ある程度のIT業界の経験がある方にとっては有益な知識・技能を身に着けスキルアップが図れると思いました。グループワークやディスカッションが非常に多かったので自分の弱点も見えてきました。例えば、判断を要する決断力や、メンバーとのコミュニケーション不足を感じました。他の受講生の方と比較して発言回数が少ないと感じたり、リーダーシップが思うように発揮できなかった点を反省点として今後の課題としたいです。また、ファシリテーターをするときは、メンバーへの意見を求めたり、合意をする上での工夫をする必要もあると感じました。ヒューマンスキル的な弱点は勉強して克服できるものではないので、今回の履修証明プログラムは非常に有意義であり、今後の人としての成長に役立つ内容でした。先生方や同期生には感謝の言葉しかありません。半年間ありがとうございました。
学んだこと(後半)
1.ビジネスプロセス・データのモデリング
2.デザインシンキング入門
3.価値を実現するためのプロジェクトマネジメント
4.情報処理関連選択科目群
参考サイト
次年度以降の募集については、以下のサイトで確認してください。
私の仕事がなくなる前に 事務からIT、学び直し急ぐ(日本経済新聞)2021年12月10日
青山学院大学 DX社会を牽引する情報システムアーキテクトの育成
紹介動画
ADPISA-E(エントリレベル:ITSS 1 相当)
ADPISA-H(上級レベル:ITSS 4-5 相当)
おわり。