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俳優の阿部寛公式サイトの表示速度が高速とよく言われてますが、Qiitaでも検証ではシミュレーション計測結果が大半を占めているため実際のデータで判定してみました。

今回はRUMではなく無料で公開されているCrUXにあるLoad Eventからデータを取ります。

CrUXから見る阿部寛公式サイトのLoad Event

記事で参考にしているデータは下記から確認できます。

1年後に記事を読まれる方向けに、スクショも貼っておきます。

スクショを表示する(クリックで開きます)

Site-speed-audit-for-abehiroshi-la-coocan-jp-in-Japan-Treo-sh.png

計測データ(2023年12月時点)

グローバル 国内
平均Load Event 3.4秒 3.3秒
2.5秒 <= p58 p58.1

データから見えるポイント

  • CrUXでは海外アクセスは韓国と台湾でしたので、国内集計とほぼ変わらない数値。
  • 42%のサイト訪問者は2.5秒以下でサイト表示ができていない。
  • 1年前の平均は0.8秒で高速でした。1年を通じて段々と遅くなっており2023年9月以降は表示速度が悪化。
  • 表示速度悪化と共にCore Web VitalsのLCPも悪化。
  • Core Web VitalsのFIDは珍しくこの1年間も良好範囲内ではない。
  • 6秒以上かかっているサイト訪問者は全体の2.2%。

表示速度の理想は2秒以内とも言われてますので、現状の平均表示時間からすると遅いです。つまりこの記事を執筆した時点では、阿部寛さんの公式サイトは高速とは言えません。

dev.toと阿部寛さん公式サイト、どちらが高速?

2017年にこちらの記事が話題となりました。

同じように今回はデータが遡れる2023年1月と12月の両サイトのLoad Eventを比較してみましょう。採用するのはグローバルの平均値です。

サイト 1月 12月
阿部寛公式サイト 0.8秒 3.4秒
dev.to 3秒 2.9秒

阿部寛公式サイトは1月だと圧倒的な速さでしたが、12月の最新データではdev.toの数値を上回ってしまいました。

シミュレーションではなく実際のデータを採用した理由

従来はPageSpeed Insights(Lighthouse)のスコア(表示速度ではない)で誤って判断されていたり、表示速度だとしてもWebPageTestなどのシミュレーションで判断されている場面はよく目にします。

改善作業時はWebPageTestも有効で私も結構頼る部分はありますが、ウェブサイトの表示速度はシミュレーションの値がサイト訪問者と同じであるということは一切ありません

ウェブサイト高速化をするとサイト訪問者にとって表示速度を改善した結果、CVR改善や離脱率改善の効果は各社の事例として実際に出ています。(例:WPO Stats)

一方で何割のサイト訪問者が高速化の恩恵を受けられているのかという部分はあまり注目されていません。

国内の大手企業向けウェブサイト高速化サービスの実例をCrUXで調べましたが、初期費用に50万~100万円近く払って更に月額で数万円単位の費用を払っていても、高速化の効果があるのは全体の半数以下にとどまる事例もありました。

ウェブサイト高速化のゴールはシミュレーションだけではなく、実際にサイトを閲覧する訪問者が高速にサイトを表示できることです。

2024年以降のウェブサイト高速化のゴール設定を説明する記事を準備中です。

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