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災害・被災地支援のためのサイト・アプリ開発の検討事項

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災害時はウェブ制作者、システム開発者、デザイナー、アプリ開発者などが立ち上がって情報共有を支援しようという取り組みが生まれます。

そういった意志を持つことは大切ですが、似た取り組みが乱立しやすいです。これから何かしたい、と考えている方には一度読んでもらいたいと思います。

本内容は高校時代に支援物資を集めて海外に寄付した経験、10年以上自治体の中間支援に関わり様々な社会起業家、NPO、NGOの活動を見てきた経験、東日本大震災の情報発信や寄付活動や実際に災害支援のウェブサービスを作った経験に基づき書いてます。

要約(詳細は後述)

  1. 被災地状況の共有マップはYahoo災害マップを使おう
  2. 安否確認サービスは災害伝言板、Googleパーソンファインダーを使おう
  3. XやLINEの代わりは今作っても普及するには時間かかるよ
  4. どうしても作りたいなら、自治体やボランティアと必ず連携できる前提が大事

被災状況マップを作りたいと思う方へ

過去の災害では被災状況マップが何度も誕生しています。

私も過去にWordPressを基盤としたシステムをノーコードで立ち上げたことがあります。この様な取り組みを展開する中での課題は、同時期に複数のマップが作成されてしまい、情報の一元化が困難となることです。

  • 有志が独自に開発した被災状況マップ
  • Googleマップに記録される被災状況マップ
  • 自治体がGISを活用して公開する被災状況マップ

色々な角度から立ち上げられたマップが乱立します。

地図を作成しても、現地のボランティアや自治体がそこにアクセスして活用してくれるか?については未知数です。ネット上では注目されますが、情報は活用されなければ被災者を救うことはできません。

災害発生前から自治体や消防と協定を結び、災害時に特定のマップ情報を参考に支援活動を実施するという前提がないと、いくらサイトを立ち上げても100%情報を活用していただける状態にはなりません。

当時はありませんでしたが、今はYahoo!が災害マップを提供しています。運営会社の認知度、サーバー基盤や大量アクセス耐性、自治体との協定の可能性を踏まえると被災状況マップとして現状最も有効です。

安否確認サービスを立ち上げようと考えてる方へ

通信会社の災害伝言板、Googleの安否確認サービスが既にあるので、既存サービスへ誘導・集約するようにしてください。

公開前提の救助要請について

現状やはりXへの投稿が多いです。嘘の情報も混在しており判断が難しいですが、頑張って信頼できる情報を抽出するか、嘘の投稿を積極的に通報して検索結果から除外するしかないと現状では思います。

SNSでの救助要請の注意点などは、ググれば過去の事例や研究を見つけられます。

災害向けのサービスを立ち上げたい方へ

これから災害向けサービスを展開したいと考える方には、下記への対応を考慮した上でサービス設計をしてほしいです。

情報管理

  • 投稿された情報がバックアップされること
  • 投稿された情報を精査する体制があること

情報共有

  • 自治体の災害部署が参照できること
  • 消防・警察などが参照できること
  • 投稿されたデータは後日研究に使えるようにエクスポートできること

個人レベルの取り組みでは相当難しい部分だと思います。地元の消防団や自治会などと日頃から連絡を取り合い、ある程度信頼関係を築いていると地域単位では展開しやすいと思います。

サイト維持

  • 大量アクセスに対応できる仕組みであること
  • サイト・サーバー維持に関わる費用を十分に賄う資金があること(または低価格で維持できる設計にする)

参考までに東日本大震災の際はUshahidiが活用されてました。こういったオープンソースを基盤としてシステム開発期間を短くするという方法もあります。

誰でもできるベストな被災地支援方法

ずばり、物資よりも寄付金です。

物資は必ず現地で処理できない物量になりますので、先ずは現金を寄付して現地の状況に応じて支援団体に物資を調達してもらうのがベストです。

また寄付金については支援金と義援金の違いを理解しておきましょう。

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(画像は日本財団の解説ページから)

多くの方は義援金という意味での寄付をイメージされてますが、支援金は現地で活動するボランティアに対する寄付です。義援金は被災者に対する寄付です。

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