WordPress公式ユーザーフォーラム、有料テーマやプラグインのサポートフォーラム、そして最近ではSlackやDiscordと様々なサポート窓口やオンラインコミュニティがあります。
比較的すぐに回答を引き出せる方もいますが、具体性が伝わらないまま相手に理解されず、ボランティア回答がない相談も頻繁に目にするため、WordPress経験者の立場から効率よく回答を引き出す方法をお伝えしたいと思います。
相談せずにWordPressの問題を解決する方法
1. マニュアルを相談前に確認する
WordPress、テーマ、プラグイン、それぞれ開発者が基本設定などを説明するマニュアルを公開しています。
「それマニュアルにありますよ」という回答を比較的多く目にするので、相談はマニュアルでは解決できない内容をするようにしましょう。
2. 既存の相談を検索する
WordPressは利用者も多いので他人が既に相談済みの問題もよくあります。
ただし相談者も初心者だとWordPress関連の固有名詞など記載してなかったり、上手に表現できていない可能性も高いです。
共通の固有名詞や表現を変えて複数回検索すると似た相談が見つかる場合もあるので、検索は1回で「なし」と判断するのではなく根気よく複数回バリエーションを変えて検索してください。
3. ChatGPTなどAIを活用する
検索が苦手な人というのは実際に存在します。そういった方はChatGPTなど使ってAIに検索してもらうというのも有効です。
例えば英語ができない人でもAIを通して検索すれば、英語ドキュメントも検索対象にすることもできます。和訳もしてくれますので、活用することでより多くの情報にアクセスできます。
エラー文が表示された場合、AIに聞くとどういったエラーなのか、どう解決すれば良いのかを探りやすいです。
AI活用はWordPressを使うなら避けては通れません。
4. プラグインを全部停止してみる
WordPressの世界ではプラグインを一旦停止して、一つ一つ有効化するだけで相談する必要がなくなります(笑)。なんの知識もいらない簡単な方法なので必ず試してください。
全部停止してくださいって書いてあるのに、部分的にしか停止しないで相談して回答者に「停止していないだろ?」と突っ込まれる相談も比較的目にします。ご注意ください。
相談に対する回答をすぐに引き出す方法
1. 利用環境・サイト状況を丁寧に補足する
「〇〇が分かりません、わかる方いませんか?」
という短文の相談が意外とWordPress相談対応していると多いのですが、WordPressはサーバー、テーマ、プラグイン、PHPバージョンが違えばどれも共通にはなりません。
詳細を含まない相談には結局全般的な回答しかできず、質問者が期待しているのと違う回答がされてしまいます。
質問時は下記を含めるようにしましょう。
- 利用しているサーバー
- PHPバージョン
- WordPressバージョン
- テーマ名とバージョン
- プラグイン名とバージョン(有効化しているもの全部)
- セキュリティプラグイン利用の有無
- サーバーのセキュリティ機能利用の有無
近年はレンタルサーバーが提供するWAFにより、WordPress操作に問題が発生する件数が増加しています。かなりの確率で初心者からWAFを原因とする相談が寄せられるため、問題発生時にはWAFを一時停止するか除外ルールを設定することを覚えておくと良いでしょう。
2. スクリーンショットや動画で補足する
文章での相談をどう表現して良いのか、どの表現をしたら伝わるのか?というのは初心者にとって難しいです。その場合は問題箇所のスクリーンショットや操作を録画した動画を添えると回答者に伝わりやすくなります。
3. 問題の再現方法をわかりやすく説明する
「〇〇ができなくなりました。」と結果だけ伝える方が多いです。
大事なのは結果のみではなく、そこに至る過程です。例えばプラグイン更新をした直後だったり、サイト上の設定を変更したり、コンテンツを編集した直後だったり、問題発生には様々な条件が付きものです。
回答者にとって問題の原因を絞り込みやすいよう、相談を工夫することはとても大事です。
4. 不具合報告は事前検証を抜け目なく
WordPressの不具合相談8割はユーザーの不具合じゃないか・・・というのが体感です。
正しい使い方ではなかったり、第三者が開発したプラグインによって影響がでていたり、自身の行動を見つめ直すというのをしないまま「これは不具合ですよね?」と言っても喧嘩を売るのと等しいですのでやめましょう。
不具合報告はステージングサイトを作成し、不具合報告をしようと思っている製品(テーマやプラグイン)のみの状態で発生したら報告するようにしましょう。どうしても不具合報告したいけど、確証が持てない場合は投稿時の冒頭に
「自分の検証だと不具合っぽいのですが、万が一違っていたらすみません。」と一言加えるだけで開発者が感じる印象も変わってきます。開発者が「ここまで検証してくれたんだな、じゃあ報告に沿って念のために検証してみよう」って気持ちにさせるのは大事です。
5. 相談窓口を間違えないようにする
WordPress基本機能、使い方など特定テーマ・プラグインに関する相談の場所はWordPressの公式ユーザーフォーラムです。たまに「なぜ回答が来ないのか?」とお怒りになるユーザーを見ますが、回答義務はなく善意のボランティアなので自分の行動を改めましょう。
テーマ・プラグインは上記フォーラムで相談できますが、開発者に聞くのが早い場合があります。公式ディレクトリからそれぞれのテーマ・プラグインのフォーラムに英語で投稿しましょう。
DeepLやChatGPT使えばよほど難しい言い回しじゃない限り通じます。
ちなみにwordpress.comを使っている方は、サポートフォーラムが別にあります。
.comは企業によるWordPressホスティングサービスなので、その利用者が対象です。.orgはボランティアによる運用です。レンタルサーバーに自らWordPressをインストールして使用している場合は、.orgのフォーラムを使いましょう。
有料テーマ・プラグインの場合それぞれ販売元が用意したサポート窓口を利用しましょう。ただしWordPress全般に関する相談を投稿すると.orgのフォーラムを利用してくださいと誘導されることがあります。
もし相談内容が有料テーマ・プラグインに関するものではない場合、最初から.orgのフォーラムに相談を投稿することで回答までの時間を短縮できる可能性が高まります。
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