目次
1. はじめに🚀
仕事や日常生活の中で、「この人はなぜこんなに共感力がないのだろう?」と思う場面に出くわすことがあります。
たとえば、相手がこちらの状況を考えずに一方的に話してきたり、配慮のない言葉をかけられたりすると、ストレスを感じることが多いです。
特にエンジニアの世界では、「技術的に正しいから問題ない」といったロジック重視の考え方が優先されることが多く、
その結果、コミュニケーションが雑になったり、相手の気持ちを軽視してしまうことがあります。
では、共感力がないとどのような問題が起こるのでしょうか?
また、共感力を高めるにはどうすればよいのでしょうか?
今回は、「教わる側に立つ体験をする」 ことを軸に、私自身が試した方法と、そこから得た気づきを紹介します。
この記事が、共感力について考えるきっかけになれば幸いです。
2. 共感力がない人に苦労した経験談🚀
仕事では、相手の考えや気持ちを理解することが求められますが、共感力がない人と関わると、コミュニケーションのズレが生じやすくなります。
特に、「伝える側の配慮不足」や「相手の状況を考えない対応」 によって、業務がスムーズに進まなくなることがありました。
1. 曖昧な指示
あるプロジェクトで、上流工程のメンバーから仕様の説明を受けましたが、内容が非常に曖昧でした。
「〇〇の機能を追加する感じで」といった抽象的な表現が多く、具体的に何を実装すればよいのか分かりませんでした。
不明点を確認しようとすると、「前の仕様書を見ておいて」と言われるものの、仕様書も完全には整理されておらず、情報が不足していました。
結果として、何度もやり直しが発生し、工数が増加してしまいました。
このように、共感力がない人は「相手がどう受け取るか」を考えずに情報を伝えることが多く、受け手側が苦労することになります。
2. 質問しづらい雰囲気の職場
別の案件では、チーム内の有識者が非常に気分屋で、機嫌の良いときは優しく教えてくれるものの、機嫌が悪いと露骨に不機嫌になり、冷たい対応をされることがありました。
その結果、「質問してもいいのか分からない」「このタイミングで聞くと怒られるかも」 という不安が常にあり、コミュニケーションが取りづらくなっていました。
共感力のある環境では、メンバーが安心して質問できる空気が作られますが、こうした雰囲気があると、メンバーは自発的に動けなくなり、結果的に生産性が下がる という問題につながります。
3. 陰口や悪口が飛び交う職場
さらに、別の現場では、オフィス内で常に誰かの陰口が飛び交っていました。
しかも、その場にいない人に対しては大声で文句を言い、その人がいるときは別の場所でこっそり悪口を言う、といった状況でした。
こうした環境では、「いつ自分がターゲットになるか分からない」という不安感が生まれ、心理的安全性が失われます。
結果として、チームメンバー同士の信頼関係が崩れ、業務効率にも悪影響を及ぼしていました。
3. 共感力がないと起こる問題🚀
上記のような経験から、共感力がない環境では、以下のような問題が発生しやすいことが分かりました。
- 曖昧な指示による業務の非効率化
- 質問しづらい空気による生産性の低下
- 陰口や悪口による信頼関係の崩壊
このような環境では、メンバーが萎縮し、のびのびと仕事をすることが難しくなります。
では、共感力を高めるためには、どうすればよいのでしょうか?
次の章では、共感力を上げる方法について考えていきます。
4. 共感力を上げる方法🚀
前章では、共感力が欠如している環境で起こる問題について述べました。
では、共感力を上げるためには、どのような方法があるのでしょうか?
共感力は生まれ持った才能ではなく、後天的に鍛えることができるものだと考えています。
私自身、共感力を高めるためにいくつかの方法を実践してきました。
ここでは、私が実際に試した方法を中心に紹介しつつ、一般的に効果があるとされる方法についても触れます。
1. 教わる側に立つ体験をする
共感力を養うための最も効果的な方法のひとつは、「自分が初心者の立場になること」 です。
普段、エンジニアとして知識やスキルを活かして働いていると、知らず知らずのうちに「自分の常識が他人の常識ではない」という視点を忘れがちです。
そこで、あえて自分が未経験の分野に飛び込み、教わる側の立場に立つことで、「分からない側の気持ち」 を体験することができます。
🔹 実際に試した体験
私自身、以下のような未経験の活動に参加し、指導者の対応から多くの学びを得ました。
- キックボクシング → 未経験でも対等に接してもらえたことで、安心感があった
- スキムボード → 「初めてにしてはうまいですね」と褒められるとやる気が出ることを実感
- 筋トレのパーソナルトレーニング → 「あえて言わなかったが…」と後出しで言われると、不信感が生まれることを体感
これらの経験から、指導する側が「どのように接すると、学ぶ側がモチベーションを維持しやすいのか?」を考える重要性に気づきました。
2. 相手目線フィルターを習慣にする
日常のコミュニケーションで 「この言い方で、相手はどう感じるだろう?」 と一瞬考える癖をつけるだけでも、共感力は向上します。
例えば:
- チャットで「問題ありません」と送ると、相手は冷たく感じるかもしれない
→ 「ありがとうございます、大丈夫です!」のように柔らかくする - コードレビューで「この変数名、分かりにくいです」と指摘すると、相手が防御的になるかもしれない
→ 「〇〇のようにすると、より分かりやすくなりそうですね」と提案型にする
こうした小さな意識の積み重ねが、共感力を養うのに役立ちます。
3. フィードバックをもらう
自分が相手にどう伝わっているかは、意外と自分では分からないものです。
そのため、他人からのフィードバックを積極的に求めることも共感力向上につながります。
例えば:
- Slackのメッセージを同僚に見せて「伝わりやすい?」と聞く
- レビューコメントを受け取った側の意見を聞く
- 「自分の伝え方、冷たく聞こえてない?」と率直に尋ねる
第三者の目線を借りることで、自分のコミュニケーションスタイルを客観的に見直すことができます。
4. 書籍や動画で学ぶ
共感力は感覚的なものと思われがちですが、実は心理学やコミュニケーションの技術として体系的に学ぶことができます。
特に以下のようなテーマの書籍や動画は、共感力向上に役立ちます。
- 「ノンバーバルコミュニケーション」(非言語表現の理解)
- 「傾聴の技術」(相手の話をしっかり聞くためのスキル)
- 「ビジネスコミュニケーションの心理学」(共感力を仕事に活かす)
書籍で得た知識を実際の会話や職場のやり取りで試してみることで、少しずつ共感力を鍛えていくことができます。
5. 教わる側に立つ体験(メインの解決策)🚀
共感力を養うために最も効果的だと感じたのが、「教わる側に立つ体験」 をすることでした。
普段、エンジニアとして「教える立場」になることが多いですが、逆に自分が「初心者として学ぶ側」になったとき、どのように感じるのかを意識することで、新たな気づきを得ることができました。
ここでは、私が実際に試した体験を、「共感力のある指導」と「共感力のない指導」 に分けて紹介します。
5.1 共感力のある指導(学びやすい環境)
共感力のある指導者は、初心者に安心感を与え、モチベーションを高めてくれることが多かったです。
① スキムボード(ポジティブな声かけ)
- 初めてのスキムボード体験。トレーナーから「初めてにしてはうまいですね、何かやってますか?」と聞かれました。
- 実際にサーフスケートをやっていたのでそれを伝えると、「だから上達が早いんですね」と評価してくれました。
- 学び:「適度な褒め言葉があると、学習意欲が上がる」
② キックボクシング(初心者への配慮がある指導)
- 格闘技は未経験だったため、常連から白い目で見られないか気にしていました。
- しかし、トレーナーは経験者と同じように態度を変えず、フラットに接してくれました。
- スパーリング時も「いい感じ!」「今のタイミングでいけばもっと決まる!」と声をかけてくれ、闘争心を引き出してくれました。
- 学び:「未経験者にも同じ目線で接することで、安心感を与えられる」
③ テニス(楽しませる指導)
- もともと経験があり、技量に問題はありませんでしたが、トレーナーは非常にフレンドリーでした。
- 他の会員とも積極的に紹介してくれ、和気あいあいとした雰囲気を作ってくれました。
- ただ、少しフレンドリーすぎて、馴染むのが難しそうだと感じ、継続はしませんでした。
- 学び:「雰囲気を作るのも重要だが、距離感も人による」
5.2 共感力のない指導(ストレスを感じた環境)
共感力がない指導では、「否定的な言葉」「雑な対応」「過剰な厳しさ」などが見られました。
① 筋トレのパーソナルトレーニング(後出しの指導)
- 最初はパーソナルトレーニングで手解きを受けたのち、4年ほど自己流で筋トレをしていたが、フォームの再確認のためパーソナルトレーニングを受けました。
- トレーニング終了後に、トレーナーから「あえて言わなかったが、本来はこの順番でやったほうがいい。」と指導を受けました。
- その言い方に「お前は分かっていない」というニュアンスが含まれており、不快に感じました。
- 学び:「指導の仕方一つで、相手の受け取り方が変わる」
② ビリヤード(放置される指導)
- 体験レッスンを受けましたが、トレーナーが途中で常連客と話し始め、指導が疎かになりました。
- 初心者としては「自分は邪魔だったのかな?」と感じ、通うのをやめました。
- 学び:「指導中に放置されると、初心者は『歓迎されていない』と感じる」
③ 小学生時代のバレーボール(スパルタ教育の弊害)
- 厳しい指導方針で、殴られるのが当たり前の環境でした。
- 自発的に練習しようとも思わず、卒業まで下手なままでした。
- ただし、走り込みのおかげで体力はつき、シャトルランでは最後の一人になるまで走れるようになりました。
- 学び:「厳しさは必要な場面もあるが、共感力がないとやる気を削ぐ」
5.3 ここから得た共感力を上げるためのポイント
共感力のある指導者は、以下の要素を持っていました。
- 初心者にも同じ目線で接する(キックボクシングの指導)
- 適度に褒めてやる気を引き出す(スキムボードの指導)
- プレッシャーをかけすぎず、楽しさを提供する(テニスの指導)
共感力がない指導には、以下の問題点がありました。
- 否定的な言葉を使う(筋トレの後出し指導)
- 指導が雑で、初心者が不安になる(ビリヤードの放置)
- 厳しすぎてモチベーションを削ぐ(バレーボールのスパルタ教育)
6. 未経験の分野に挑戦してみよう🚀
共感力を高めるには、「教わる側の立場になること」 が重要です。
ここでは、私の経験をもとに、実際にどのようにして新しい体験を探すのか、その方法を紹介します。
また、私自身が実際に体験した中でおすすめのものや、今後挑戦したいことについてもまとめました。
6.1 どのように教わる立場になるか?(方法一覧)
1. 自分の住んでいる地域の単発の体験イベントに申し込む
- マンツーマンの指導や、募集人数が決まっているものも可。
- 月額制の習い事だと「続けなくては…」と考えてしまい、申し込みのハードルが高くなることがあるため、まずは単発の体験イベントから始めるのがおすすめ。
2. AIや検索を利用し、ジャンル問わず趣味一覧を調べてみる
- 例えば ChatGPT に「おすすめの趣味をジャンル問わず50個挙げてください」 と指示すると、今まで見たことのない趣味や世界が出てくる。
- 気になるものがあれば、自分の住んでいる場所で体験イベントがないか検索し、実際に試してみる。
3. ニッチな専門店を探しに行く
- 一般的な趣味とは異なるジャンルに触れることで、新しい視点が得られる。
-
例:
- 刀剣専門店 → 実際に刀の重さや作りを体験できる。
- 楽器専門店 → 楽器を試奏できるイベントがあることも。
- カスタムメイドシューズの店 → 自分の足の形を計測してもらい、適切な靴を提案してもらう体験。
- ワイン専門店 → 試飲イベントを通じて、ソムリエから直接学べる機会がある。
- りんご飴専門店 → 普段なかなか食べる機会のないりんご飴を専門のお店で食べることができる。
- こうした専門店では、知識のあるスタッフが詳しく教えてくれるため、教わる側の立場になりやすい。
6.2 おすすめの体験
今までの記事で紹介したものや、記事には触れていなかったが印象に残ったものを含め、個人的におすすめの体験を紹介します。
1. サーフィン
- 全身海水に浸かり、パドルで全身を使うため、初心者にとってはかなり特殊な環境下での体験 となる。
- トレーナーの教え方によってモチベーションが左右されるため、「良い指導 vs 悪い指導」を体感しやすい。
2. ボルダリング
- 筋トレ経験があっても、効率的な体の使い方を学ばないと手を痛める。
- 私は筋トレを行っており自信があったため、指の力だけで登ろうとして指関節と腕を痛めた。
- しかし、トレーナーの指導を素直に聞けば防げるため、「適切な指導を受けることの重要性」を学べる体験。
3. キックボクシング
- 最近は通いやすい場所に キックボクシングジム が増えているため、比較的挑戦しやすい。
- 初心者でも「シャドーボクシング」「サンドバッグ」「ミット打ち」から始められるので安心。
-
指導者の声かけ次第で、自分のモチベーションが大きく変わることを実感できる。
- 例: 「トレーナーがうまく闘争心を煽ってくれると、一気に我を忘れてのめり込むことができる。」
- さらに、格闘技を学ぶことで「物理的に強くなった」という自信が得られ、仕事やプライベートの精神面にも良い影響を与える。
6.3 私が挑戦したいこと
今後、共感力をさらに高めるため、以下の新しい体験に挑戦したいと考えています。
-
バギーの運転
- 不整地を走る経験 は日常では得られないため、学ぶべきことが多そう。
-
パラグライダー
- 「飛ぶ」という非日常的な体験 を通じて、教わる側の視点をより強く感じられるのではないかと考えている。
-
洞窟探検
- 未経験の環境に身を置くことで、指導者の説明の大切さや、リスク管理の重要性 を実感できるのではないかと期待している。
7. まとめ🚀
本記事では、共感力の重要性と、それを高めるための方法について考察しました。
共感力がない環境では、以下のような問題が発生しやすいことが分かりました。
- 曖昧な指示による業務の非効率化
- 質問しづらい空気による生産性の低下
- 陰口や悪口による信頼関係の崩壊
こうした問題を防ぐためには、意識的に共感力を鍛えることが重要です。
特に、私が実践した中で効果的だと感じたのは、「教わる側に立つ体験をすること」 でした。
自分が初心者として何かを学ぶ立場になることで、
- 適切なフィードバックがあると、やる気が上がる
- フラットに接してもらえると、萎縮せずに取り組める
- 放置されたり、否定的な言葉をかけられると、不安やストレスにつながる
といった気づきを得ることができました。
また、共感力を高めるためには
- 相手目線フィルターを習慣にする
- フィードバックをもらう
- 書籍や動画で学ぶ
といった方法も有効です。
さらに、未経験の分野に挑戦する ことで、新たな視点を得ることができます。
私自身も、バギー運転・パラグライダー・洞窟探検などに挑戦し、「教わる側の視点」 をさらに深めていきたいと考えています。
共感力はすぐに身につくものではありませんが、意識して鍛え続けることで、確実に変わっていきます。
まずは、「教わる側の体験」を通じて、 共感力を磨く習慣を一緒に作っていきましょう!