1. 概要
- 「複素数平面」で解く「図形と方程式」 という名前の書籍に取り組んでいた
- 上記書籍の p.94 演習3.27 (2) を解く際、同書籍中の情報だけでなく、ちょっとした思い付きやアイデアが必要だった
- この解き方をインターネットで調べてみたものの、私は見つけることができませんでした(´;ω;`)
立ったこの1問を解くためだけに、私は数時間近く溶かしてしまったので、次にこの問題に直面する方々のために、解法を共有したいと思います!
2. 問題
以下の2つの円がある。
\begin{align}
C_1&: |z|=3 \\
C_2&: |z-2i| = 2
\end{align}
上記2つの円の共通接線を求めよ。
3. 解法
3-1. C_1 と接線との接点を1つ決めることでわかること
\begin{align}
共通接&線が C_1 に接する点を \beta とすると、\\
\\
|\beta|&=3 \\
\beta\bar{\beta} &= 9\\
\\
である。
\end{align}
3-2. 円 C_1 の接線の方程式を求める
テキストの「命題3.43 円の接線の方程式」を適用すると、
\begin{align}
C_1 の接線の方&程式は次のように表せる。\\
\\
\bar{\beta} z + \beta \bar{z} &= 2 * r^2 \\
&= 2 * \{C_1 の半径\}^2 = 18・・・①\\
\end{align}
3-3. 「3-2」で求めた接線と、円 C_2 の中心との距離から方程式を作る
テキストの「定理3.29 点と直線の距離」で以下のような関係性があることが示されている。
\begin{align}
直線l&の方程式が法線型一般型\\
\bar{v}z &+ v\bar{z} + c = 0\\
で表さ&れているとき、複素数 \alpha と直線lの距離dは次のように表せる\\
\\
d &= \frac{|\bar{v}\alpha + v\bar{\alpha} + c|}{2|v|}\\
\\
上記の&関係式を適用すると、\\
円C_2&の中心である複素数 \alpha = 2i と、直線①の距離を表す式は以下のようになる。\\
\\
d &= \frac{|\bar{\beta}\alpha + \beta\bar{\alpha} - 18|}{2|\beta|} \\
&= \frac{|\bar{\beta}*2i + \beta*\bar{2i} - 18|}{2|\beta|} = \{C_2 の半径\} = 2\\
よって&これを整理すると、\\
&|\bar{\beta}i + \beta * (-i) - 9| = 2|\beta| = 2 * 3 = 6 ・・・②
\end{align}
3-4. ②式の絶対値記号を外し、βを表す複素数を求める
\begin{align}
②をさらに整理すると、&\\
\\
|(\bar{\beta} - \beta)i - 9| &= 6\\
\\
\\
ここで \beta = x + yi (x, y は&いずれも実数)とおいて計算すると、 \\
\\
|(\bar{\beta} - \beta)i - 9| &= |\{(x+\bar{yi}) - (x+yi)\}i - 9| \\
&= |-2y(i)^2 - 9|\\
&= |2y - 9| = 6 となるので、\\
\\
2y-9 &= \pm6 \\
y&=\frac{15}{2}, \frac{3}{2}\\
\end{align}
ここから、場合分けを使って、$β$の値を求める。
- (Ⅰ) $y = \frac{15}{2}$ ⇒ $\beta = x + \frac{15}{2}i$のとき
\begin{align}
|\beta| &= 3\\
|x + \frac{15}{2}i| &= 3\\
x^2 + {\left(\frac{15}{2}\right)}^2 &= 9\\
x^2 &= 9 - \frac{225}{4}\\
x^2 &= -\frac{189}{4}\\
\\
しかし、x は実数値&であるので、この時は解を持たない。
\end{align}
- (Ⅱ) $y = \frac{3}{2}$ ⇒ $\beta = x + \frac{3}{2}i$のとき
\begin{align}
|\beta| &= 3\\
|x + \frac{3}{2}i| &= 3\\
x^2 + {\left(\frac{3}{2}\right)}^2 &= 9\\
x^2 &= 9 - \frac{9}{4}\\
x^2 &= \frac{27}{4}\\
x &= \pm\frac{3\sqrt{3}}{2}\\
\\
よって、 \beta &= \pm\frac{3\sqrt{3}}{2} + \frac{3}{2}i\\
&= \frac{3}{2}(\pm\sqrt{3}+i)\\
\end{align}
3-5. βの値から、共通接線の方程式を求める
- (Ⅱ) $\beta = \frac{3}{2}(\pm\sqrt{3}+i)$ のとき
\begin{align}
接線の方程式である①に&\betaを代入すると、\\
\\
\bar{\beta} z + \beta \bar{z} &= 18 ・・・①\\
\frac{3}{2}(\pm\sqrt{3}-i)z + \frac{3}{2}(\pm\sqrt{3}+i)\bar{z} &= 18\\
(\pm\sqrt{3}-i)z + (\pm\sqrt{3}+i)\bar{z} &= 12\\
\end{align}
4. 感想
この1問を解くために3~4時間はかかった_(-ω-`_)⌒)_
もうやりたくないっぴ...(´∩ω∩`*)