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Civic TechAdvent Calendar 2013

Day 17

社会課題とその解決目標,さらにその部分目標をオープンデータ化する試み

Last updated at Posted at 2013-12-17

こんにちは,名古屋工業大学の白松と申します.
先週の土曜,2013年12月14日に名古屋大学でSpending Data Party 2013 Winter in 東海(主催: CODE for TOKAI/オープンデータ東海の河口信夫先生)が開催され,そこでYahoo! JAPANの河合太郎さん率いるCODE for NAGOYAのキックオフがありました.活動アイディアはいろいろありますが,それらのアイデアを実現していくためには,より多くの人々の協力が不可欠です.今後,賛同してくれる協力者を広く募ってプロジェクトを進めて行くことになるでしょう.

では,このように公共圏で組織を超えた協働を始めようとするとき,Facebook等の既存のSNSで充分でしょうか?
どこかに似たようなことを目指している潜在的協力者はいないか?と思った時,そのような人物検索を可能にするサービスが存在するでしょうか?
また,誰が協力してくれていて,誰の貢献度が高いのかをオープンにするサービスが存在するでしょうか?
さらに,世の中の影響力ある人々が何を目指してどのように活動しているのかを把握できるようにするサービスが存在するでしょうか?

「ゴオルシェア(仮)」の試作

試作段階ですが,今,「誰がどんな課題に注目しているのか」「誰が何を目指して動いているのか」をボトムアップにオープンデータ化して共有するためのサービスを作っています.
goalshare_ui.png

URLは追って公開しますが,この文献この発表資料で概要を説明しています.
具体的には,Linked Open Data (LOD) の枠組みを使って課題と解決目標の関係や,その部分目標との関係,協力者との関係などを紐付けした上で,どのような計算によって協力者を検索するのかを説明しています.

このようなシステムがあれば,以下のようなことができるのではないかと考えています.

(1) 身の回りの社会課題や目指す目標を一般市民が公開&共有して,似た方向性の人々を探せるようにする
(2) 断片的なニュースから,社会課題や有力者の目標を抽出&共有して,世の中の動きの透明性を向上させる

(1) 身近な課題や目標を公開/共有して協働の相手を探す

いま,FacebookなどのSNSを使って組織を超えた市民協働が行われていますが,似たような試みが複数あると「協力すればいいのに」と思うことがありませんか?
「総論賛成・各論反対」に陥ったり,感情的な対立があったりして,そんなに簡単に一緒にやれない場合もあるだろうとは思います.が,単に互いの存在に気づいていない場合もありそうです.
私は,「誰がどんな課題に注目しているのか」「誰が何を目指して動いているのか」を共有するためのオープンデータをみんながボトムアップに構築することで,そのような仕組みを作ろうと考えています.

ただ,一般の人々の課題や目標をいきなり収集するのは敷居が高いと考えて,まずは震災復興に関するWebニュース記事から課題や目標を抽出してデータセットを作ってみようと試みました.
データセットはこちらからご覧頂けますが,その経緯はこの文献この文献でご確認下さい.
このようなデータセットを作ってみて気付いたのは,身近な地域課題だけでなく,原発事故のように広域の多数の人々に影響を及ぼす社会課題についても,「誰がどのようなアプローチで解決しようとしているのか」に関する透明性を向上させることができそうだ,ということでした.

(2) 有力者の目標を共有して世の動向の透明性を向上させる

私達がニュース記事を読んで世の中を理解するためには,ひとつひとつのニュースに記された断片的な情報を自分の中で再度つなぎ合わせ,編纂していく必要があります.影響力ある組織や有力者の何らかのアクションが報道されるとき,その背後にある「目指すビジョン」や「行動原理」は暗黙的である場合が多く,その場合,大多数の一般市民にとって理解が難しくなります.

そこで,影響力ある人々の目標をオープンデータ化することで,報道を聞いた時に我々がよく感じる「それは何のためにやっているのか?」という疑問を解消できないでしょうか.ただし,そのような目標を有力者本人が入力するインセンティブは(今のところ)ありませんので,まずは「世の中の動きをわかりやすくしたい」という動機を持つ市井の人々が,ニュース記事を読みながらクラウドソーシング的にデータを構築することになるでしょう.その場合,複数の解釈に基づくデータが並立する可能性もありますが,それらをマージする作業により,異なる立場からの観点を含む俯瞰的な解釈が可能になるかもしれません.また,それらの目標を時系列上に並べれば,有力者達がいつまでに何を成し遂げようとしているのかを共有することができ,近未来像をクリアにすることができるかもしれません.

「ゴオルシェア(仮)」体験イベントの開催

明後日12月19日に,大垣市 ソフトピアジャパンのドリームコアで,「ゴオルシェア(仮)」の試作版を使ったイベント(主催: 株式会社CCL)を開催します.

オープンデータ・カフェin 大垣「繋がるオープンデータ「LOD」で、身近な課題を解決しよう!」

実際に,地域課題やその解決目標,さらにその部分目標を入力するワークを予定しています.
ご興味のある方は,どうぞお越しください.

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