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Difyで爆速開発!テレビ番組から旬のネタで販促セリフを自動生成する「呼び込み君」AIアプリ

Last updated at Posted at 2025-06-12

スーパーの売り場でかわいいロボットがマイクを持ってセールストークをする画像 (1).jpg

Difyで爆速開発!テレビ番組から旬のネタで販促セリフを自動生成する「呼び込み君」AIアプリを作ってみた

#Dify #AI #ChatGPT #ローコード #呼び込み君

はじめに
スーパーのお肉売り場で働くSimoです。日々「今日の特売品、どうやってアピールしよう?」「テレビで紹介されたあの料理、ウチの食材で売り出せないかな?」って、苦悩する毎日です。

皆さんはお店でいつも流れてる「呼び込み君」を知っていますか?
あのセリフは気づくと同じ事ばかり、商品名と価格を連呼したりとマンネリ化はするし、タイムリーな情報を入れるのが難しいんです。気づいた課題はこちら。
・セリフを吹き込む人によって出来具合がバラバラ
・セリフを聞いても購買意欲が出ない(料理のイメージにつながらない)
・いつも言っていることが同じ、聞き流されている

そこで、最近話題のAI開発プラットフォームDifyを使って、テレビ番組の旬な料理レシピ情報から、スーパー向けの販促セリフを自動生成するAIアプリを開発しました。ローコードでサクッとAIアプリが作れるDifyの魅力と、開発ステップ、活用例をご紹介します。

目次
Difyとは?
・作成したアプリの概要:呼び込み君自動作成アプリ
・Difyでの開発ステップ:AIにざっくりと、お願いごとをしました。
・ワークフローの構築
・日付範囲を動的に生成する「コード実行」ノード
・最新の情報を抽出する「Google Search」ノード
・販促セリフを生成する「LLM」ノードのプロンプト設計
・実行結果(Test Run)
・現場での反応と効果
・今後の展開
・まとめ

Difyとは?
Difyは、プログラミングを知らなくても、AIを使ったアプリを簡単に作れるプラットフォームです。 色々なAIの機能を組み合わせて、自分のアイデアをすぐに形にできます。AI(GPTなど)に「こうしてほしい」と指示を出したり、色々な情報をAIに読み込ませて賢くさせたり、作業の流れを決めたりといったことが、簡単な画面操作できます。

今回はこのDifyのワークフロー機能を活用し、「最新のテレビ番組情報からレシピを抽出して、それに合った販促セリフを生成する」アプリを作成しました。

作成したアプリの概要:呼び込み君自動作成アプリ
今回私が作成したアプリは、その名も「呼び込み君自動作成アプリ」です。

このアプリでできること:

最新のテレビ番組の料理情報を自動で検索・取得します。
取得した情報を元に、「呼び込み君」用の販促セリフを自動生成します。
販促セリフと共に、元になった番組名や放送日などの情報も出ます。
これによって次の様なことが期待できます。

マンネリ化の防止: 常に新しいテレビ番組の情報を自動で取り込むため、呼び込みセリフのマンネリ化を防ぎます。
タイムリーな情報提供: 旬の話題やテレビで注目された料理をすぐに販促に活かすことで、顧客の購買意欲を高めます。
業務の効率化: 担当者がセリフを考える手間を大幅に削減します。

このアプリには商品の指定や金額の設定はせず、テレビの料理番組で放送されたレシピを第一条件として自動的に検索し、販促セリフを生成するように設計されています。*ここは後で解説します

 
Difyでの開発ステップ:私からAIには、ざっくりとお願いしました。
プロンプト
Difyを使ってスーパーで使う「呼び込み君」に吹き込むセリフを作りたい、条件はテレビの料理番組の料理レシピ情報をもとにして具体的な料理名や味の感想を入れる。 
明るくて元気なセリフでお願いね。セリフは50文字から100文字くらいで、丁寧な言葉で話しかけるようにしてほしいな。あと、どんな番組を参考にしたかも教えてくれるとよい。
条件として、期間は1週間前後、お肉を使う料理、標準語。

こんな感じでお願いしあとはAIに全部自動でお任せしました。

ワークフローの構築
私が開発した「呼び込み君自動作成アプリ」は、Difyのオーケストレート機能(ワークフロー)を使って構築しました。ノードは「開始」「コード実行」「Google Search」「LLM」「終了」の5つです。

スクリーンショット 2025-06-11 211755.png

(スクリーンショットの説明) この画像は、Difyのワークフロー画面全体を示しています。左から右へ「開始」→「コード実行」→「Google Search」→「LLM」→「終了」の各ノードが接続されており、データの流れが一目でわかる構成です。

アプリの構成:「コード実行」「Google Search」「LLM」の3点を解説します。

コード実行ノード:今日の日付をもとに、検索期間(放送から前後1週間)を計算
GoogleSearchノード:テレビ番組と料理の最新情報を検索
LLMノード(GPT-4):プロンプトに基づいて販促セリフと参考情報を生成

・日付範囲を動的に生成する「コード実行」ノード
まず、最新のテレビ番組情報を検索するために、Google検索で利用する日付範囲を生成します。これには「コード実行」ノードを使用し、Pythonコードを記述しました。

スクリーンショット 2025-06-11 215736.png

(スクリーンショットの説明) この画像は、「コード実行」ノードの編集画面です。中央にはPythonコードを記述するエディタがあり、Pythonコードが入力されています。画面下部には、このノードの出力としてstart_dateとend_dateという一週間前後の日付を指定。
Python

def main() -> dict:
import datetime

今日の日付を取得します
today = datetime.date.today()

1週間前と1週間後の日付を計算します
start_date = today - datetime.timedelta(days=7)
end_date = today + datetime.timedelta(days=7)

日付をYYYY-MM-DD形式の文字列に変換します
start_date_str = start_date.strftime('%Y-%m-%d')
end_date_str = end_date.strftime('%Y-%m-%d')

計算した日付を辞書形式で返します
return {
'start_date': start_date_str,
'end_date': end_date_str
}

自分が思うポイント!
あまりよくわかりませんが最後の日付を決定するところが大事のような気がします。
スーパーの売り場で体の色が赤と白のぴかぴかロボットが考え事をする?.jpg

・最新の情報を抽出する「Google Search」ノード
次に、Google Searchノードでテレビ番組と料理の最新情報を検索します。ここが、鮮度の高い情報を得るための重要なポイントです。

スクリーンショット 2025-06-11 212152.png

(スクリーンショットの説明) この画像は、「Google Search」ノードの編集画面を示しています。注目すべきは「クエリ設定」の入力欄です。ここに、上記で示した(テレビ OR 番組) 料理 レシピ (今週 OR "昨日 放送") after:{{code_1.start_date}} before:{{code_1.end_date}}という検索クエリが入力されているのが確認できます。{{code_1.start_date}}と{{code_1.end_date}}は、前の「コード実行」ノード(code_1)の出力変数を参照していることを示しており、動的に日付が埋め込まれる設定になっていることが見て取れます。また、ノードの設定として、検索結果の数や、必要に応じてAPIキーの設定欄なども表示されています。
クエリ設定:
(テレビ OR 番組) 料理 レシピ (今週 OR "昨日 放送") after:{{code_1.start_date}} before:{{code_1.end_date}}

ポイント:

検索対象を「テレビ」または「番組」、そして「料理」「レシピ」に限定し、関連性の高い情報に絞り込みます。
「今週」や「"昨日 放送"」といったキーワードを組み合わせることで、直近で話題になっている情報に集中させます。
Pythonコードで生成した前後1週間の期間(after:{{code_1.start_date}} before:{{code_1.end_date}})で絞り込むことで、常に最新の情報をキャッチできるようにしています。
この工夫により、実際に放送されたばかりのレシピ情報が効率よく抽出されるようになりました。

自分が思うポイント!
GoogleSearchを使うところがデジタルかなと感じました(当たり前なんだけど)これでタイムリーな情報でお客様が「あれ、昨日テレビでやっていたかも?」なんて効果が期待できます。以前ならレシピ本とか検索していたような気がします。
スーパーの売り場で体の色が赤と白のロボットが手を打つ?.jpg

販促セリフを生成する「LLM」ノードのプロンプト設計
取得した情報をもとに販促セリフを生成するために、LLMノード(GPT-4を使用)に以下のプロンプトを設定しました。

スクリーンショット 2025-06-11 215809.png

(スクリーンショットの説明) この画像は、「LLM」ノードの編集画面、特にプロンプトを設定するテキストエリアを示しています。プロンプト全体が入力されており、ロール(システム、ユーザー)や、入力情報が# 入力情報のセクションに適切にマッピングされているのが確認できます。また、画面上部には使用するモデル(GPT-4など)の選択肢や、温度(Temperature)などのパラメータ設定オプションも表示されているはずです。このプロンプトが、AIが「呼び込み君」としてどのように振る舞い、どのような形式で出力すべきかを詳細に指示していることがわかります。
あなたは、日本のスーパーで働く、非常に優秀な販促企画ロボット「呼び込み君」です。
提供された情報(テレビ番組で紹介された料理レシピなど)を元に、お客様の購買意欲をそそるような、明るく元気な販促セリフを生成してください。
セリフはスーパーの店内で流れる呼び込み君のイメージで、親しみやすく、かつ食欲を刺激するような言葉を選んでください。
また、セリフと共に、参考にした番組名や放送日などの情報も出力してください。

制約条件

  • 生成する販促セリフは50文字〜100文字程度で簡潔にまとめてください。
  • 丁寧語を使用し、お客様に語りかけるようなトーンでお願いします。
  • 商品名や具体的な番組名は、自然な形で盛り込んでください。
  • セリフの後には必ず参考情報を付記してください。

入力情報
(ここにGoogle Searchノードから得られた最新のテレビ番組の料理情報が入ります)

出力形式
【販促セリフ】
(ここに生成されたセリフ)

【参考情報】
この企画は「(番組名)」で(放送日や曜日)に放送された内容を参考にしました。
自分が思うポイント!
Chatgptを使うことで時間が大幅短縮、自分では思いつかない表現、レシピを使うことができました。
image.png

実行結果(Test Run)
最後に、ワークフローの実行結果です。Difyの実行画面では、各ノードの入力と出力、そして最終的なアプリの出力が確認できます。

スクリーンショット 2025-06-11 212418.png

(スクリーンショットの説明) この画像は、Difyでワークフローをテスト実行した際の「実行結果」画面を示しています。画面左側にはワークフローの各ノードが一覧表示され、それぞれのノードをクリックすると、そのノードの入力と出力の詳細が画面中央に表示されるようになっています。最終的な出力としては、右側に「🔎 最新のテレビ番組の料理情報」「📣 販促セリフ」「📘 参考情報」の各項目が整理されて表示され、期待通りの形式で情報が生成されていることが確認できます。
🔎 最新のテレビ番組の料理情報
「昨日の夜、NHKの『あさイチ』で『豚肉の生姜焼き』のレシピが紹介されました。このレシピでは、豚肉を柔らかく仕上げるための特別な下処理と、甘辛いタレの作り方が詳しく解説されています。」

📣 生成された販促セリフ
おはようございます!本日、当店一押しの豚肉をご紹介します! 丁寧に育てられた、柔らかくてジューシーな豚肉を使って、 とろ〜りと甘辛い「豚肉の生姜焼き」はいかがでしょうか? ご家庭で簡単に作れるレシピで、お子様から大人まで大満足間違いなしですよ! この機会にぜひ、当店の豚肉をお試しください!

📘 参考情報
この企画は「あさイチ」で昨日の夜に放送された内容を参考にしました。

自分が思うポイント!
今回DifyChatgptを組み込みアプリを作成しましたが、想像を超えるスピード、情報収集、セリフ構成能力の高さに驚きました。 実装面で良いと思ったポイントは「検索結果」と「販促セリフ」、「参考情報」を出力したところです。
・なぜこのセリフができたのかがすぐわかる!
・販促企画の裏付けになる! 「参考情報」として番組名や放送日が出ているので自信を持って販売できる!
AIが何を参考にしたかがわかるので、調整や改善がしやすい!
この3点がセットになることでアプリへの信頼度が増したと感じます。

スーパーのフルーツ売り場で体の色が赤と白のロボットがマイクを2本持って飛び跳ねてよろこぶ.jpg

現場での反応と効果

セリフを考える時間がほぼゼロに! これまで担当者(私)が頭を悩ませていた時間が大幅に削減されました、朝の忙しい時間に別の仕事(昨日の数値確認)ができるようになりました。 アプリの出来具合よりも着想が良い、デジタルな視点など企画について評価してくれる人が多く嬉しい評価です。
AIを使っても出来なかったこともあります。
時間の設定をしているのですが最も古いもので5年前のデータもありました。原因はテレビ番組には再放送というものもあること、ネットの情報(動画サイト)等からも情報を持ってきてしまうためと考えられます。

今後の展開
「呼び込み君」AIアプリは、さらなる可能性を感じます。
他の売り場にも対応した販促セリフの自動生成や音声合成機能Text-to-Speechを使って様々な声の種類でセリフを読み上げることが可能です。

まとめ
Difyを使えば、専門的な知識がなくても、私のようなスーパーの現場スタッフでも「AI販促企画ボット」を簡単に作ることができました。販促に悩む全国のスーパー仲間の皆さん、ぜひ一度Difyを試してみてください!

(この記事は現場スタッフの実体験と自作プロンプトを元に執筆しています)

タグ
Dify GPT-4 AI活用 ノーコード 呼び込み君 ローコード

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