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FileMakerでグローバル変数の管理法(自己流)

Last updated at Posted at 2021-11-24

はじめに

ここら辺の記事を読んで、FileMakerでのグローバル変数管理が大切だと思い、試行錯誤の結果、自身がたどり着いた方法を記事にします。グローバル変数の管理に気を使う必要性については、上記記事でよく説明されているので、省略します。もっと良い方法があるよ!って方は、ぜひ教えてください。

たどり着いた過程

最初は、上記記事を読んで、それに沿ってスクリプトで管理することにしました。多少パフォーマンスを犠牲にしても、開発時のメリットは大きいと考えました。その後、命名規則を考えたり、パフォーマンスをよくすることを意識していたら、カスタム関数で管理してもよいのでは?と思い立ち、現在は、カスタム関数で管理する手法を採用しています。今後、また変わる可能性も。

FileMakerでグローバル変数の管理法(自己流)

  • 命名規則の記事も参照。
    • 変数名は $$GLOBAL.VARIABLE.NAME
    • 変数設定関数名はSet.GlobalVariableName ( %valueForm )
    • 変数取得関数名はGet.GlobalVariableName ()
  • 変数を設定スクリプトステップは、原則使わない。
    • スクリプトステップで他の代替手法がない場合には、dummy変数に設定する形で、 変数を設定スクリプトステップを使うことも。
    • 現在のスクリプト終了スクリプトステップのように引数があるものは、大体そこで足りる。他に頻用するのはIfExit Loop Ifスクリプトステップの条件計算式。
  • 動的に変数名を設定したい場合は別の方法で。
    • 動的変数名だと管理方法や意味合いも大きく変わってくるので、ここでは詳細は記載しない。
    • サンプルファイルで使われている以下の関数を参照。
      • Set.GlobalVariablesFrom ( %messageCode )
      • Set.GlobalVariablesFromMessageCodeWith ( %prefix )
  • 変数設定関数の実例
Set.IsFieldOpend ( %boolean )
// Purpose
//   $$IS.FILE.OPENEDを設定する。
// Parameter
//   %boolean = これまでにファイルが開かれていなければnil、開かれていればTrue。
// Notes
//   結果は必ずTrueを返す。

Let ( [ $$IS.FILE.OPENED = %boolean
];
  True
)

Let関数内の[ ]は省略可能だが、なくてもパフォーマンスには影響しないのと、可読性・メンテナンス性を考え省略していない。
ちなみにnilはカスタム関数で、計算式には何も設定していない。""と同値。命名規則の記事も参照。

使い方の実例
スクリプトの引数で変数設定関数を用いる場合。

If (
  Set.GlobalVariableName1 ( Value1 ) and
  Set.GlobalVariableName2 ( Value2 );
  ParameterToSet
)

Let関数を用いる場合。

Let ( [
  $variableName = Value1;
  %variableName1 = Value2
];
  Set.GlobalVariableName1 ( %variableName1 ) and
  Set.GlobalVariableName1 ( Value3 )
)

この場合は返り値が必ずTrueになる。
返り値を好きな値にしたいなら、Let関数、If関数の組み合わせも。

Let ( [
  $variableName = Value1;
  %variableName = Value2
];
  If (
    Set.GlobalVariableName1 ( %variableName1 ) and
    Set.GlobalVariableName1 ( Value3 );
    ParameterToSet
  )
)

変数設定関数の返り値を必ずTrueにしているのがミソ。andで繋げることで1つの計算式で複数の変数設定を行える。

  • 変数取得関数の実例
Get.IsFieldOpend ()
// Purpose
//   $$IS.FILE.OPENEDの値を取得する。
// Parameter
//   なし。
// Notes
//   なし。

$$IS.FILE.OPENED

利点

  • カスタム関数の管理で、ファイルで使用されているグローバル変数が一望できる。
    • 引数を見ればグローバル変数の形式も分かる。
    • ファイルを超えて変数の共有はできないので、ファイル単位で管理できれば問題ない。
  • 計算式内でも取得できる。
    • スクリプトステップ方式だと計算式内ではハードコーディングが必要。
  • コーディング時に自動補完が効く。タイプミスがなくなる!
  • 変数名を変更したい場合はカスタム関数を処理するだけでよい。メンテナンス性がよい!
  • スクリプトステップを減らせるので、スクリプトの見た目がすっきりする。
    • 1つの計算式内で同時に多数の変数を設定させることも可能。ローカル変数の設定も併記できる。
    • 引数、条件計算式は省略表記されてしまうので、若干可読性が落ちる可能性も。ただ、変数設定をやっている場所は明白になっているので、そこまで苦慮はしないか?

欠点

  • カスタム関数の数が増える。
    • まぁ、許容範囲だと思います。
  • ハードコーディングに比べると、若干パフォーマンスが落ちる?
    • 変数を取得する際で1呼び出しあたり2-3µsecぐらい(自己調べ)。

パフォーマンスの検証

  • パフォーマンス計測にはFM-SC使用。スクリプト引数には、1から1000までの自然数が順に指定される。
グローバル変数を関数で設定カッコなし(number)
現在のスクリプト終了 [ テキスト結果: test_Set.TestWithoutBrackets ( Get ( スクリプト引数 ) ) ] 

カスタム関数
test_Set.TestWithoutBrackets ( %text )
Let ( $$TEST = %text;
  True
)
グローバル変数を関数で設定カッコあり(number)
現在のスクリプト終了 [ テキスト結果: test_Set.TestWithBrackets ( Get ( スクリプト引数 ) ) ] 

カスタム関数
test_Set.TestWithBrackets ( %text )
Let ( [ $$TEST = %text
];
  True
)
グローバル変数を変数を設定で設定(number)
変数を設定 [ $$TEST ; 値: Get ( スクリプト引数 ) ] 
現在のスクリプト終了 [ テキスト結果: True ] 

20211124_Set関数比較.png

グローバル変数を通常呼び出し(number)
現在のスクリプト終了 [ テキスト結果: Let ( $$TEST = Get ( スクリプト引数 );   $$TEST ) ] 
グローバル変数を関数呼び出し(number)
現在のスクリプト終了 [ テキスト結果: Let ( $$TEST = Get ( スクリプト引数 );   test_Get.Test ) ]

カスタム関数
test_Get.Test ()
$$TEST 

20211124_Get関数比較.png

  • 結論。
    • 変数を設定スクリプトステップを使用する方法と、カスタム関数を用いる方法にはパフォーマンスに差がない。
    • Let関数で[ ]を省略しても、パフォーマンスは改善しない。
    • カスタム関数でグローバル変数を呼び出すと、1命令あたり2µsecぐらいのオーバーヘッドになる。100万回で2秒ぐらい。

サンプルファイル

こんな感じで使っているので参考にしてみてください。

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