はじめに
前回、前々回に引き続き、Orchestratorで廃止されるクラシックフォルダーについてです。
移行ツールの紹介の続きです。
前回、前々回の記事はこちら
検証結果
移行ツールを使用した結果です。プロセス、トリガー、キュー、ストレージバケットの移行結果を見ていきます。
プロセス・トリガーの移行
移行前後の関係性は以下の通りです。
クラシックフォルダーでは、プロセス・トリガーは何かしらのロボットグループに関連付ける必要があるため、移行後のモダンフォルダーでは、ロボットグループに相当するモダンフォルダー第二階層に移行されます。関連付けられていないロボットグループ(サブフォルダー)には移行されません。
有効化済みのトリガーを移行した場合、移行ツール実行後の元トリガーは無効化され、移行後の新トリガーが有効化された状態となります。移行ツール実行後、即運用開始ではなく、移行結果の検証を経てから運用開始となるパターンがほとんどだと思うので、トリガーはすべて無効化した状態で移行ツールを実行した方が良いかと思います。
過去に実行したジョブや、そのログは移行対象ではありません。移行前のクラシックフォルダーに残っているので、監査証跡等で保管が必要な場合は、ファイルダウンロードなどして手元に残しておくことを推奨します。
移行後のプロセスで古いバージョンのUiPath.System.Activitiesを使用している場合、モダンフォルダーで動作しない可能性があるので、UiPath.System.Activities 2019.10以降にバージョンアップしたほうが良いです。
キューの移行
移行前後の関係性は以下の通りです。
仕様はアセットの移行と同じです。第一階層のフォルダーに移行させず、第二階層のフォルダーにそれぞれ移行されます。さらに、移行元のキューと移行されたキューは、それぞれリンクによって繋がります。
リンクによって繋がっているので、1つのキューを変更すると(キューアイテムのステータスを更新するなど)、リンク先すべてのキューも変わります。
ストレージバケットの移行
移行前後の関係性は以下の通りです。
仕様はアセット・キューの移行と同じです。第一階層のフォルダーに移行させず、第二階層のフォルダーにそれぞれ移行されます。さらに、移行元のストレージバケットと移行されたストレージバケットは、それぞれリンクによって繋がります。
リンクによって繋がっているので、1つのストレージバケットを変更すると、リンク先すべてのストレージバケットも変わります。
ストレージバケットはプロバイダー(ファイルの保存先)をいくつか選択できますが、Orchestratorと他クラウドストレージ(AWS S3)を比べても移行の差はありません。
おわりに
以上がクラシックフォルダーからモダンフォルダーへの移行についての話です。
まだ移行していない方がいれば、廃止となる4月まで時間はないので、手っ取り早く移行ツールを使って移行した方が良いと思います。ただし、簡単で良いので移行計画の作成と、移行後本番運用前の動作確認だけはやっておきましょう(ちなみに4月のアップデートで、クラシックフォルダーの廃止と一緒に、この移行ツールも廃止になります)。