はじめに
注意:本記事はプレビュー機能を含みます。
エンタープライズでRPAを使用する場合、監視がより重要になります。
UiPathの場合、ジョブなどのステータスを監視する方法としては、ワークフローに通知機能を実装したり、Webhookを使用する方がありました。
今回は、Automation Cloud上で完結する監視方法を考えてみます。
つかうもの
※クラウド環境は2024年3月時点のもの
Automation Cloud(Insights, Orchestrator) Enterprise版
リアルタイム監視ダッシュボード
2024年2月、Insightsではリアルタイム監視機能がプレビューとしてリリースされました。
このダッシュボードを使うことでプロセス(ジョブ)、キュー、マシンのリアルタイムの状態を可視化できます。
通常、Orchestrator-Insights間のデータ連携は15~30分くらいのラグが発生するため、厳密なリアルタイムの監視には適していませんが、リアルタイム監視機能では1分程度のラグになっています。
ジョブのリアルタイム監視ダッシュボード
ダッシュボード画面は1分おきに自動で更新される仕様のようです。なので監視チームは常時画面を開きっぱなしにすることもできます。
ダッシュボードには以下のウィジェットが含まれます。
- ジョブの成功率
- 完了(成功または失敗)ジョブ数
- 未完了(実行中や中断など)ジョブ数
- 失敗したプロセス
- エラーの詳細
- プロセス別の実行状況(成功数、失敗数、平均実行時間など)
ダッシュボードに表示する期間は、直近の1分間から24時間まで選択できます。
リアルタイム監視アラート
リアルタイム監視機能のアラートはトリガー条件を満たす度、Automation Cloudに登録したアカウント(メールアドレス)に通知する機能です。
例えば、ジョブがエラーになると以下のようなメールを受信できます。
ジョブのリアルタイム監視アラート
ジョブのアラートは以下の条件で発報できます。
特定ステータスのジョブ数
ジョブが失敗した際の通知などに使用します。「Status:Faulted >= 1」のように設定すると、ジョブが失敗する度にメールが送信されます。
未完了ジョブの実行時間
保留中のまま放置されたジョブがあるなどの通知に使用します。「Status:Pending >= 10」のように設定すると、ジョブが10分以上保留のままになるとメールが送信されます。
完了ジョブの実行時間
何かしらの問題により実行時間が長くなっているジョブを発見する場合に使用します。1回の実行時間または、平均実行時間のどちらか選択します。
アラート対象のジョブを集計する期間を選択できます。厳密にリアルタイムの状況を把握したい場合は、期間はより短く設定します。
おわりに
元々、Insightsはデータ連携のタイムラグがあるためリアルタイム監視に適さず、稼働状況の分析・棚卸目的で使用されること多かったのですが、リアルタイム監視機能がリリースされたことで、ライセンス費用に対するROIが向上したと思います。
通知に関しては、もう少し機能が充実しても良いかと思いました。例えば、Exceptionクラスの種類でフィルタリングできるとか。SystemExeptionは運用・監視チーム、その他Exceptionは業務チームに通知先を振り分けるなどできたらいいなと思いました。
とはいえ、良い機能アップデートなので是非、プレビューからGAへ昇格してほしいです。