はじめに
前回の記事で、MacOSにUiPath Assistantをインストールしてみたので、今回はMacOSでUiPathを動かしてみます。
つかうもの
※ クラウド環境は2022年9月時点のもの
- UiPath Assistant v2022.4 ※Mac版
- UiPath Studio v2022.4
- Automation Cloud(Orchestrator) ※ Community版
ワークフローを作る
Macで動くワークフローを作るには、WindowsのPCに入れたStudioを使い、プロジェクト作成時に「対応OS」を「クロスプラットフォーム」にします。
ワークフローを作成する環境(Windows)と動かす環境(Mac)が全く異なるので、実装する際はその違いに注意する必要があります。
クロスプラットフォームで作成されたプロジェクトでは、デフォルトでインストールされるパッケージは以下となります。
因みに対応OS「Windows」で作成したプロジェクトでは、UiPath.WebAPI.Activitiesの代わりに、UiPath.Excel.ActivitiesとUiPath.Mail.Activitiesがインストールされます。
- UiPath.System.Activities
- UiPath.UIAutomation.Activities
- UiPath.WebAPI.Activities
UiPath.System.ActivitiesとUiPath.UIAutomation.Activitiesについて、同じ.NET5/6アーキテクチャで動く、対応OS「Windows」と比べてみると、内包するアクティビティの数が全く違います。
クロスプラットフォームの場合、自動化できるのはOSに依存しない範囲に限られるため、使えるアクティビティが大幅に制限されています。
パッケージ | クロスプラットフォーム | Windows |
---|---|---|
UiPath.System.Activities 22.4.4 | 103 | 131 |
UiPath.UIAutomation.Activities 22.4.7 | 16 | 150 |
↓クロスプラットフォームのUiPath.UIAutomation.Activities(22.4.7)に含まれるアクティビティ
最低限のブラウザ操作は自動化可能です。Macでブラウザの自動化をする場合、Safariには対応していないので、MacにChromeとアドオンをインストールしておきます。
クロスプラットフォームでも、UiPath.Excel.ActivitiesやUiPath.Mail.Activitiesなどをインストールすることは可能ですが、他パッケージ同様、アクティビティの数は制限されています。
↓クロスプラットフォームのUiPath.Excel.Activities(2.12.3)に含まれるアクティビティ
MS Office for Macには対応していないため、「システム > ファイル > ワークブック」カテゴリのアクティビティしか使えません。
ワークフローを動かす
作成したプロジェクトをOrchestratorへパブリッシュします。
Mac版ではローカルパッケージフィードは使えないので、必ずOrchestratorへパブリッシュする必要があります。
Mac版のAssistantでは、対応OSが「クロスプラットフォーム」で作成されたプロセスしか表示されません。
Windows版のAssistantでは、すべて表示されます。
また、Mac版のAssistantでは、PiPでの実行ができません。
おわりに
Mac版に対応しているアクティビティは、Windows版に比べると少ないですが、正直なんとかなるレベルかと思いました。
Windowsに比べMacを普段使いしているビジネスユーザは多くないため、自動化のニーズがあると言えない領域ですが、StudioもMac対応したら、もう少し活発になるかもしれませんね。