はじめに
社会に出て最初の数年は「質問をする側」として多くの学びを得る期間でした。しかし、経験を積むにつれて「質問を受ける側」になることが増え、自分が質問される立場で感じたのは、質問意図の明確さがコミュニケーションの質を大きく左右するということです。
特にIT分野では、Slackのようなチャットツールが主流です。非対面のため、文脈や表情が伝わらず、質問意図を伝える難しさが目立ちます。
質問意図を含めることは、回答を得るまでのやり取りを効率化するだけでなく、相手に余計な負担をかけず、スムーズなコミュニケーションを実現するために重要です。
この記事では、質問意図を含めることの重要性とその具体的な方法についてまとめてみました。
質問意図を含めることのメリット:
コミュニケーションコストの減少
まず、「コミュニケーションコスト」とは、情報伝達や意思疎通にかかる時間や労力、精神的な負担を指します。これはビジネス効率に直結する重要な要素です。コミュニケーションコストが高いと、生産性が低下し、非効率な業務が発生する原因となります。
質問意図を含めることで、以下のメリットがあります。
- 回答者が答えやすくなる: 質問の背景が明確になり、回答にかかる時間が短縮されます。
- 質問者の効率向上: 迅速な回答が得られるため、業務をスムーズに進められます。
- プラスアルファの回答を得られる: 質問意図が明確だと、期待以上の有益な情報が付加されることがあります。
質問意図を含めた質問の例
以下は、質問意図を含めることでどのように質問が変わるかの例です。
質問意図が不明な質問
「〇〇ファイルの〇〇実装ですが、エラーで動かないんですけど、何が問題でしょうか?」
回答者は「どんなエラーが出ているのか」「どのような状況で発生したのか」などを質問し返す必要があり、コミュニケーションが冗長になります。
質問意図を含めた質問
「以下のコードでAPIからデータを取得しようとしていますが、タイムアウトエラーが発生します。ネットワークの問題かAPIの設定に問題があるのか分からず困っています。このエラーを解決するためにどの部分を確認すべきかアドバイスをいただけますか?」
この質問では、状況の背景やエラー内容が示されています。これにより、回答者はすぐに適切なアドバイスを提供できます。
質問意図を伝える工夫
- 背景を簡潔に説明する: 質問がどのような文脈で発生したのかを共有します。
- 仮説や試した内容を含める: 自分で考えた仮説や試行錯誤した結果を共有すると、重複した回答を避けられます。
- 具体的なゴールを示す: 「最終的に何を知りたいのか」「どのような結果を目指しているのか」を明示します。
例:
「〇〇の設定を変更しようとしていますが、エラーが発生しています。公式ドキュメントを確認し、以下の方法を試しましたが解決できませんでした。他に試すべき方法があれば教えていただけますか?」
まとめ
今回の記事では、質問意図を伝えるメリットやその具体例を解説しました。
時々、質問意図を明確にしないまま質問をする人を見かけることがあります。しかし、そうした質問に対して質問意図の大事さを指摘をしてくれる人は少ないのが現状です。
そのため、自分自身が意識的に「相手にとって負担の少ない質問」を心がけることで、コミュニケーション全体が円滑になり、仕事の効率化につながります。
相手の立場に立ち、思いやりのある質問と回答を心がけながら、効率的な仕事を進めていきましょう!