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データサイエンティスト採用で躓いたこととTips

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はじめに

データサイエンティストの中途採用を1年程行い、その中での躓きやTipsと呼べるかもしれない要素を書いていこうと思います。
私は元々はエンジニア採用領域からきたHR界隈の人間のためデータサイエンティストの生態が分からない中でのスタートでしたので、色々苦労しました。データサイエンティスト採用に悩まれている方に少しでも役に立ちましたら嬉しく思います。

躓いたこと

データサイエンティストはどこに?

エンジニア採用でいえば、エンジニアはSES・SIer・IT事業会社などにいるのは想像できていましたが、データサイエンティストはどこの会社にどのくらいいるのか?が全くわかっていませんでした。
結論としては受託分析の会社以外にSIer、メーカー、官公庁系、大学等の機関など幅広い領域にいらっしゃった訳ですが、今でも見落としている業種・業態があるのではないかと思ったりしています。

印象的だったのがブレインパッドに入社したデータサイエンティストの中には、
「転職活動中は自分が何者か分からず、エージェントと相談していく中でデータサイエンティストという職種が合うんだなと思った」
「自分以外でデータサイエンスを社内でやっている人がいなかった」
といった方が複数いらっしゃいました。
私たちから見たら立派なデータサイエンティストだとしても、現職ではデータサイエンティストという肩書や役割ではないという点も、データサイエンティストの採用を難しくする1つの要因だと思います。
同時にデータサイエンスが日本社会に浸透していく道半ばであることを現しているのかなとも感じました。

ただ競合は多い

データサイエンティストの人口は少ないながらも、
近年のデータサイエンティストの採用市場は激化しています。
受託分析以外の会社でも大手SIer、コンサル、メガベンチャー、メーカー、AI系ベンチャーなど常に誰もが知るような会社と採用上の競合になっていました。(データサイエンティストの方からすると幅広い選択肢がある時代と言えます。)
エンジニア採用と同様に採用企業からエージェントさんに支払われるFeeもデータサイエンティストポジションは高騰していると聞きます。
ただ、競合が多かったからこそブレインパッドのデータサイエンティストとして働く魅力については、その分考えられてきたと感じています。

銀の弾丸はもちろん無い

昨今のデータサイエンティストの転職市場においては、
「王道」がまだ無いように思います。(他の職種にも同じことが言えると思います)
エンジニア特化の転職エージェント・スカウト媒体は存在していますが、
データサイエンティストに特化したサービスはまだまだ少ないです。
これは恐らくデータサイエンティストの人口がまだ限られているため、
HR企業のリソースがそこまで投下されていないことが関係していると考えています。

「どんな業務にアサインされますか?」に答えられない

ブレインパッドは受託分析の会社であるため、入社した後でないとどのような案件にアサインされるか分からないという不確実性を背負って採用活動をする大変さがありました。
弊社のデータサイエンティスト組織は業界や技術領域によってチームを組成している訳ではありません。
毎度のごとく、「これまでの案件ですと~~」といった形でプレスリリース等を使用しながらお話しするのですが、
私たちには顧客情報の守秘義務が当然あることからお伝えしきれないことも沢山ある訳でした。
魅力はたっぷりあるのに伝えきれない、そんな歯痒さを抱えながらの採用活動でした。

Tips

データサイエンティストはどうやって探すのか?

私も絶賛模索中なのですが、代表的なのは下記かと思っています。

  • ブティック型のエージェント
    • もちろん大手エージェントさんからのご紹介もありますが、どちらかというと規模の小さいエージェントさんがAI領域に絞ってデータサイエンティストの転職支援の実績を着実につくられているいる印象です。候補者もAI領域に知見のある方に支援してほしいというニーズから、ブティック型のエージェントさんをお使いになられているのだと思います。
  • ビズリーチ等の大手スカウト媒体
    • 候補者からすると複数の企業から様々な選択肢が提示されるため、自分の歩みたいキャリアが明確になってないデータサイエンス系の方からすると、スカウト媒体は転職活動の際の有効な手段となっている印象です。ただ情報収集フェーズの方が他の職種に比べて多そうな所感です。そのため中長期のコミュニケーションが必要となる傾向が多いです。
  • 分析コンペ系に紐づく転職サービス
    • NishikaやSIGNATEなど分析コンペの事業を展開しつつ転職を支援するサービスがあります。定期的に分析コンペに参加しながら、転職を検討するタイミングになった際に、利用されているのだと思います。ただ、こちらの転職サービスに登録されている方も、転職は中長期に考えている方が多いと思います。

1つの媒体やエージェントさんから短期間で何名ものデータサイエンティストを採用するのは難しいため、データサイエンティストがいる場所には幅広く・そのチャネルごとのプラクティスを見つけるまで試行錯誤していくほか無いように思います。

データサイエンスにおいて何を重んじるかを伝える

いざデータサイエンティストの方とお会いできても、どういった形でデータサイエンスに携わりたいかは当然様々だと思います。
私が主にエージェントさんと話す上では、「ブレインパッドではビジネス価値に繋がるデータサイエンスを大事にしているため、技術面以外にも志向性を確認します」と繰り返し伝えておりました。そのためエージェントさんにはブレインパッドはビジネス志向を大事にしている会社として認知頂いているように思います。
「一言でいうとどんなデータサイエンティストを求めているか?」を言語化することで、候補者と面接前に志向性のマッチ度合いをすり合わせできると思いますし、エージェントさんにも覚えて頂きやすいかと感じております。

敬意を払う対話

ブレインパッドに中途入社したデータサイエンティストに面接の印象を聞いてみると、
「学生時代の研究について、とても興味を持って聞いてくれた」
「自身がやってきた技術に対して1番リスペクトを持って深く質問され、技術を大事にしている印象を受けた」
といった話をしてくれました。

これは私が面接官にお願いした訳ではないのですが、
ブレインパッドは様々なバックグラウンドの社員が集まっている会社であり、
且つ多様な業界・顧客の分析に携わることから、
自分が経験している以外の領域について学んだり、知ろうとする姿勢をとても感じます。
面接でも同様に経験されてきた内容を可能な限り深く理解しようとし、
結果的に候補者からの印象が良くなっているのだと思います。

また会社のValuesの1つに「敬意を払う」を掲げており、
採用の観点においてこのValuesを大事にしている点も、
結果としてこのような面接が実現できいる1つの要因かと考えています。

転職はやっぱり不安

データサイエンスの転職市場はまだ事例もそこまで多くないこともあり、
カジュアル面談をしていく中で、
「自分と同じような境遇から入社された方はいるのか?実際にその方がブレインパッドで働かれて感じる印象はどうか?」
といった質問がよくありました。
このことから、どの環境にいる人にとっては、ブレインパッドはどういう環境に感じるのかを伝える必要がありました。
そこで受託分析・IT系事業会社・非IT事業会社・その他業種からブレインパッドに入社したメンバーへ部長陣と共にインタビューを行い、スライドにまとめました。(スライド37p以降に記載があります。)

面接や面談の前にこの資料を展開することでで、
ブレインパッドの理解が高まった状態でお会いできて、面談・面接が有意義な時間になっていると感じます。

おわりに

実際に書いてみるとエンジニア採用とも通ずることが多かったです。
データサイエンティスト採用固有の課題でいくと、転職や採用の事例が少ないという点だと思います。
日本のデータ活用の浸透が進み、データサイエンティストと採用企業の良縁が多く生まれることを願っています。

つらつらと書いてきましたが、ぜひ情報交換をして頂ける方・転職のご相談や質問したい事がある方がおられましたら私のTwitterへお気軽にDMを頂けたらと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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