Web開発を学び始めるとよく聞く「JavaScript」「TypeScript」「jQuery」。
これらはすべてWebアプリケーションの開発に関連する技術ですが、それぞれ役割や特徴が異なります。
この記事では、初心者の方にも理解しやすいように、それぞれの技術についての解説と違いを整理して紹介します。
JavaScriptとは?
JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語で、HTML・CSSと並ぶWeb開発の三大要素の一つです。
特徴
- ユーザーの操作に応じてWebページの見た目や動作を動的に変えることができる
- ブラウザ上で直接実行可能
- サーバーサイド開発(例:Node.js)やモバイルアプリ開発(例:React Native)などにも応用される
コード例
function greet(name) {
alert("Hello, " + name);
}
TypeScriptとは?
TypeScriptは、JavaScriptに型の概念を加えた拡張言語で、Microsoftによって開発されました。
特徴
- 静的型付けにより、コードの誤りを実行前に検出できる
- JavaScriptにコンパイルして実行する
- エディタでの補完機能や文法チェックが強化される
メリット
- 大規模開発やチーム開発に適している
- 保守性・可読性が高い
- エラーが事前にわかるため、バグの混入を防ぎやすい
コード例
function greet(name: string): string {
return "Hello, " + name;
}
jQueryとは?
jQueryは、JavaScriptで行う処理を簡潔に記述できるようにしたライブラリで、2006年に登場しました。当時はブラウザ間の互換性の違いが大きく、それを吸収する役割として多くの支持を集めました。
特徴
- HTML要素の取得・操作が簡単にできる
- Ajax通信やアニメーション処理が簡潔に書ける
- ブラウザ間の動作差を気にせずコードが書ける
コード例
$("#my-button").click(function() {
alert("ボタンがクリックされました!");
});
現在の立ち位置
- モダンブラウザの標準機能が充実してきたため、新規開発での使用は減少傾向
- ただし、既存のシステムや保守案件では今なお多く利用されている
3つの違いを比較表で整理
技術名 | 種類 | 主な特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
JavaScript | プログラミング言語 | Webの基本言語 | フロントエンド、サーバーサイド、モバイルアプリなど |
TypeScript | JavaScriptの拡張言語 | 型安全・エラー検出 | 中〜大規模アプリ開発、保守性重視の案件 |
jQuery | JavaScriptライブラリ | 簡潔な記述、互換性の吸収 | レガシーシステムの保守、軽微なUI操作の実装 |
初心者はどれから学べばよい?
まずはJavaScriptの基礎をしっかり学ぶのが最優先です。Webの基本を理解したうえで、保守性や開発効率を高めたい場合にはTypeScriptを学び始めると良いでしょう。
jQueryについては、現在では新規開発で使われることは少なくなってきましたが、過去の資産を扱う場面や、簡単な操作を素早く実装したい場合に役立つことがあります。
まとめ
- JavaScript:Web開発の基礎となる言語。必ず学ぶべき。
- TypeScript:型によるエラーチェックが可能な拡張言語。中〜大規模開発に最適。
- jQuery:JavaScriptの処理を簡潔に書くためのライブラリ。現在は保守案件向け。
これらの違いを理解することで、自分が学ぶべき技術や、プロジェクトに適した選択ができるようになります。