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QAマネジメント~テスターの採用&育成~

Last updated at Posted at 2018-12-15

はじめに

ゲーム業界でQAやCSに関する仕事をしています。
実務は任せて、マネージメントがメインです。
QAの人が社内でもっと評価されるべく、日夜頭をひねっております。

男性(そしてちょっとコミュニケーションは苦手め)が多い現場で
どういうやりとりをするか、もしかしたら当たり前のことをたくさん書きます。

今回は現場最前線でテストをしているテスターの採用や育成についてです。
ちなみに私の現場では、アルバイトとしてテスターの方に活躍いただいています。
テスト設計をするとか管理とか色々大事ですが、コツコツとテストをしてくれる人も超大事です。

テスターってなに

会社によってテスターが担う業務範囲は違います。
(ちなみにデバッガーはテストして、コードも修正する人のことを指します。)

テストするだけ?テスト設計もする?
テストケースに沿ってやる?フリーでやる?
開発の近くの席でテストする?外部のテストスタジオでテストする?
不具合を見つけたら口頭で報告?ツールに記載して連携?

これらは開発規模によって変わってくることがほとんどです。
大規模なゲームの開発だと外部のテストスタジオで、テスターやテストリーダーの役割をきめてバグトラッキングシステムで不具合を報告しないと管理が大変ですが
小規模な開発だと、エンジニアの隣にテスターが座って、開発された横からテストして
不具合は口頭で連携して、なんてこともあります。

後者の場合はテスターの素養もありつつ開発チームとの相性が重要だと思いますが
中~大規模開発の際に活躍するテスターの要件を整理します。
何度も言いますが、テストをしてくれる人は超大事です。

ゲームのテスターの特性

私が直接・間接的に関わったゲームのテスターの共通点は以下です。

  • ゲームが好き
  • リアルなコミュニケーションはそんなに得意ではない
  • もくもくと作業することができる
  • 実はゲームを企画したい人がけっこういる
  • 20代
  • 将来について深く考えている人は少なめ
  • 素直(と見えるけど、実はうまく言えずに飲み込んでいるだけかもしれない)

なんとなくこの特性を意識しながらこの下を読み進めていただけるとイメージがわきやすいかと思います。

うまくいったこといかなかったこと

ここからは実際に採用や育成の経験上のポイントをまとめます。

採用編

テスト経験者だからといって安易に採用しない

経験者だと、立ち上がりが早そう!と少し期待したりしますが
過去のやり方や癖が残っていると意外と大変です。
そしてそのやり方は確固たる理由があるかというとそういうことはあまりなく
「前職でそうだったから」という理由であることが多いです。
どういうテストをすべきか、を素直に受け入れられる柔軟性がある方をお勧めします。

ゲーム業界に入るためのきっかけとしてテスター業務を選ぶ人もアリ

未経験でプランナー採用されることは少ないものの、未経験でテスターとしての採用は業界的によくあります。
そのため、何が何でもゲーム業界に入りたい!という方はテスターから入る方もいます。
私の過去の経験では、(本当はプランナーになりたくて、テストに興味もないし、むしろそんな業務があることも知らなかったけど)やってみたら意外と性にあい、このままテスト業務を続けたい、という方もかなりいます。

企画とかできなくてすぐに辞めそうだから採用しない、なんて決めこまず、
「テスターとしてしっかり成果を残したら異動もあるね」等の期待値コントロールをしつつ採用してみるのもありだと思います。
ゲームプランナーに憧れていたものの、より身近にみることで「やっぱりそちらをやりたい」「自分には向いてないかも」「テストって奥深くて面白いな」など、どう思うかは本人次第。
QAはQAで魅力ある業務でありたいですね。

テストするゲームのジャンルや特性は採用前に共有

テスターを希望される方の中で、自社でどのようなゲームを開発しているか知らずに(または公表していないからわからずに)応募される方もいます。
とはいえ、開発するゲームのジャンルはある程度偏ります。RPGもアクションもパズルも音ゲーも作るなんてよっぽど大きなゲーム会社でない限り、たぶん無理です。
入ってみて、『自分は音ゲーが好きで、そのテストをしたかったのに、この会社つくってないじゃん!』というミスマッチがありました。
言える範囲で『こういうジャンルのゲームをテストしてもらうけど大丈夫?』と伝えておくと入社後の早期離脱防止の一手になります。

『週末は一日中ゲームしています』という人はアリかなしか

面接の際にこう話していたらどう受け取りますか? 
ネガティブに考えると、社会性あるかなーとか、生活サイクル大丈夫かなーという懸念もあります。そこは他の質問で気にかけたほうがよいです。
一方で『一日中ゲームをし続けられる』というのも大きな強みとなります。

過去数十人のテスターを見てきましたが、一定の割合で訴えるのが眼精疲労です。
もちろん一日中ゲームを見たり細かいテストケースを見たりするので目の負担も少なくありませんが、
普段からずーっとゲームをしている方は耐性があるような気がします。 
ですので、必ずしもなしではないと思っています。
 

育成編

メンタルケアは定期的に

テスターは複数人いることが多いので、何かともめます。
匂いが気になったり、言動が気になったりするものの、自己解決できる方は少ないです。
面倒だからとほっておくと、あとで揉めに揉めたりします。
定期的に個別の面談をすることをおすすめします。

※ただし、適当に面談していると「相談したのに流されるだけ」となります。
面談は難しいのです。ここは長くなるからまた別途。

社会人としての基本も教える勢いで

社会人経験や、オフィスワークをしたことがない方もいるので、「え、そんなことも?」ということも教えたほうがよいです。
コンプライアンスってものがあってだな、とか、ツイート内容気を付けてね、とか。
人の話はメモをとりましょう、とか遅刻はしてはいけませんよ、とか。
それぐらい常識でしょ、なんて考えていると後でギャップがつらくなる可能性があります。

キャリアパスを考えておく

2-3年やっていると、テスターたちも年齢を重ねていきます。
このままテストしているだけでいいんだっけ?
雇用形態、このままでいいのだろうか?など自分の人生を考えたりします。
そういった相談にのるのはけっこう大変です。が、大変だからといって契約終了にするなどテスターを使い捨てにしてはいけません。
そういうことをしていると、いつまでもテスターという職業の待遇があがらず、優秀な方は他の業種にいき、回りまわって困るのは自分たちなのです。
理想としてはファストフード店のようにランクをつけて、自分の成長が実感でき、かつ
キャリアアップのフローなども見えているととても理想的です。

XXができるとステータスアップ!給料もいくらアップ!なんて可視化したことで
目標が定まってアウトプットが向上した事例はけっこうあります。
テスターの底力はすごいのです。

判断するべき時はする

もしテスターが複数名いる現場において、場を乱す・周りに対してネガティブな影響を及ぼす人がいる場合は、心を鬼にして早めに判断をくだしたほうが良いです。

以前、そういった方ではありながらテスト経験があるため雇用し続けたことがありますが
代わりに周りが疲弊し退職してしまいました。

安定してテストを回すためには、真摯にがんばるテスターを守らないといけません。

さいごに

テスターを生かすも殺すも自分次第!(と言い聞かせています
毎日地道にテストをしてくれる人に感謝をして、テストをしやすい環境を少し意識すれば
自分たちに返ってくるものもあるので長い目でお互い幸せになる方法を探していきましょう!

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