✅ はじめに
近年、ランサムウェア攻撃が急増し、企業や自治体が業務停止に追い込まれる 事例が多発しています。
応用情報技術者試験でも、「ランサムウェアの仕組みや対策」が問われることがあり、試験対策として重要なテーマです。
本記事では、
✅ ランサムウェアとは何か?
✅ どのように感染するのか?
✅ 被害の影響
✅ 具体的な対策方法
✅ 応用情報技術者試験での出題ポイント
を整理しました。
試験対策だけでなく、実務でも役立つ内容なので、ぜひ最後まで読んでください!
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📌 ランサムウェアとは?
🔹 攻撃の概要
ランサムウェア(Ransomware) とは、感染したPCやサーバーのデータを暗号化し、復旧のために身代金(Ransom)を要求する マルウェアの一種です。
「身代金型ウイルス」とも呼ばれ、データを人質に取ることで金銭を要求する のが特徴です。
🔹 代表的なランサムウェアの種類
種類 | 特徴 |
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Crypto型 | ファイルを暗号化し、復号キーと引き換えに身代金を要求 |
Locker型 | OSやシステム自体をロックし、使用できなくする |
Double Extortion型 | 暗号化+データ窃取 を行い、身代金を払わない場合に情報を公開すると脅迫 |
RaaS(Ransomware as a Service) | ランサムウェアの攻撃手法を「サービス」として提供し、誰でも攻撃可能にする |
特にDouble Extortion型が増えており、「バックアップがあっても情報漏えいを防げない」という点が脅威です。
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📌 ランサムウェアの感染経路
🔹 代表的な感染手口
感染経路 | 詳細 |
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メール(フィッシング詐欺) | 不審な添付ファイルを開いたり、偽サイトに誘導されてマルウェアをダウンロード |
リモートデスクトップ(RDP)攻撃 | 脆弱なパスワード のRDP(リモートデスクトップ接続)を突破し、ランサムウェアを仕込む |
ソフトウェアの脆弱性 | 未修正の脆弱性 を悪用し、侵入してランサムウェアを展開 |
USBメモリ・外部デバイス | 感染したUSBメモリ からマルウェアが拡散 |
サプライチェーン攻撃 | 取引先のシステムを経由して感染(2021年のKaseya攻撃が有名) |
最近は 「VPNやRDPの脆弱性を狙った侵入」 が増えており、強固なパスワードと多要素認証(MFA)の導入 が不可欠です。
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📌 ランサムウェア攻撃の影響
ランサムウェア攻撃を受けると、企業の業務が停止し、深刻な被害 が発生します。
被害内容 | 影響 |
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業務停止・システムダウン | 企業や自治体の業務がストップし、復旧に数週間かかるケースも |
金銭的損害 | 身代金(数百万〜数十億円)を要求される |
データ消失 | バックアップがなければデータが復旧できない |
情報漏えい(Double Extortion型) | データが暗号化されるだけでなく、攻撃者に流出 |
社会的信用の低下 | 顧客情報が流出し、企業の信頼が失墜 |
特に 「医療機関」や「インフラ関連企業」 では、業務停止が直接人命に関わるため、リスクが非常に大きいです。
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📌 具体的な対策方法
🔹 1. バックアップの強化
✅ 定期的に重要データをバックアップする
• オフラインバックアップ(物理ディスク)を用意 し、攻撃者がアクセスできないようにする
• クラウドバックアップを活用し、多重バックアップ を実施
🔹 2. メール・フィッシング対策
✅ 不審なメールを開かせない仕組みを作る
• メールフィルタリングを強化 し、怪しい添付ファイルをブロック
• 従業員向けセキュリティ教育を実施(怪しいメールを開かない習慣を徹底)
🔹 3. リモートアクセス(RDP/VPN)の強化
✅ RDPやVPNを安全に運用する
• 強固なパスワードを設定し、MFA(多要素認証)を導入
• 不要なRDPポートを閉じ、アクセス制限をかける
🔹 4. ソフトウェアの脆弱性対策
✅ OS・ソフトウェアを常に最新に保つ
• Windowsやアプリの更新を定期的に実施(特にVPNやRDP関連の脆弱性に注意)
• EDR(Endpoint Detection and Response)を導入し、異常な動きを検知
🔹 5. ランサムウェア対策ソフトの導入
✅ 次世代アンチウイルス(NGAV)を活用
• 振る舞い検知機能 を持つNGAVを導入し、ランサムウェアの挙動を阻止
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📌 試験での出題ポイント
✅ 記述問題の対策
午後試験では、「ランサムウェアの手口・影響・対策」を論理的に説明できるかが問われます。
以下のような問題が出る可能性が高い ため、事前に練習しておきましょう。
Q1. ランサムウェアの特徴と攻撃手法を説明せよ。
解答例:
ランサムウェアは、感染したPCのファイルを暗号化し、復号キーと引き換えに身代金を要求するマルウェアの一種である。
主な感染経路には、フィッシングメール、リモートデスクトップの脆弱性、ソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃 などがある。
Q2. ランサムウェアの被害を防ぐための具体的な対策を2つ挙げ、それぞれの理由を説明せよ。
解答例:
1. オフラインバックアップを実施する
• ランサムウェアはシステム全体を暗号化するため、攻撃後にデータを復旧する手段が必要となる。
2. RDPのアクセス制限を行う
• 攻撃者は脆弱なRDPを悪用してランサムウェアを仕掛けるため、強固なパスワードと多要素認証を導入することでリスクを低減できる。
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✅ まとめ
• ランサムウェアはデータを暗号化し、復旧のために身代金を要求するマルウェア
• 感染経路は「メール」「RDP攻撃」「脆弱性攻撃」などが多い
• 「バックアップ・RDP対策・フィッシング対策・脆弱性管理」が重要な防御策
• 試験では「感染手口・影響・対策」をセットで理解し、記述問題に備える!