1.プロトコルとは?
通信を行う際に決められた"お約束事"のこと。
データのやり取りをスムーズに行うために、各層に応じたプロトコルが役割を分担している。
2.TCP/IPとは?
TCP/IPは、インターネットをはじめとするネットワーク通信の基盤となるプロトコル群のこと。TCP/IPモデルは4つの階層に分かれており、それぞれ異なる役割を持つ。
階層 | 役割 | 主なプロトコル |
---|---|---|
アプリケーション層 | ユーザーと直接やり取りする | HTTP, HTTPS, SMTP, POP3, IMAP, FTP, DNS, DHCP |
トランスポート層 | 通信の信頼性を確保 | TCP, UDP |
インターネット層 | データの送信経路を決定 | IP, ICMP, ARP, RARP |
ネットワークインターフェース層 | 物理的な通信を処理 | Ethernet, Wi-Fi |
3. 代表的なプロトコルと用途
アプリケーション層
プロトコル | 用途 | ポート番号 |
---|---|---|
HTTP | Webページ閲覧 | 80 |
HTTPS | セキュアなWebページ閲覧 | 443 |
SMTP | メール送信 | 25 |
POP3 | メール受信 | 110 |
IMAP4 | メール受信(サーバー管理) | 143 |
FTP | ファイル転送 | 21 |
DNS | ドメイン名解決 | 53 |
DHCP | IPアドレス自動割り当て | 67, 68 |
NTP | 時刻同期 | 123 |
トランスポート層
-
TCP(Transmission Control Protocol)
- コネクション型(事前に接続を確立)
- 信頼性重視(データの順番や正確性を保証)
- 例:Web通信(HTTP, HTTPS)、メール送受信(SMTP, POP3, IMAP)
-
UDP(User Datagram Protocol)
- コネクションレス型(事前の接続不要)
- 軽量で高速だが、信頼性は低い
- 例:DNS、ストリーミング、音声通話(VoIP)
インターネット層
・IP(Internet Protocol):データの宛先を決定(IPアドレス使用)
・ICMP(Internet Control Message Protocol):エラーメッセージや通信確認(pingコマンドなど)
・ARP(Address Resolution Protocol):IPアドレスからMACアドレスを取得
・RARP(Reverse Address Resolution Protocol):MACアドレスからIPアドレスを取得
4.TCP/IPのデータの流れ
通信時にデータは各層を通過し、各層でヘッダ情報が付加される。
[アプリケーション層] → HTTPリクエスト作成
↓
[トランスポート層] → TCPヘッダを付加(ポート番号指定)
↓
[インターネット層] → IPヘッダを付加(宛先IP指定)
↓
[ネットワーク層] → 物理的に送信
- 受信側はこの逆の順でデータを処理する。
- 各層で付加される情報を「カプセル化」といい、通信の仕組みを理解する上で重要な概念。
→ 「カプセル化」の概念を追加すると、ネットワークの基礎理解が深まる!
5.ソケット通信とポート番号
ソケット通信とは、TCP/IPを利用した通信手法のこと。データを送受信する際に「IPアドレス+ポート番号」を指定する。
・ポート番号は、アプリケーションごとに決められた“窓口”
・送信時は、アプリケーションが利用するプロトコルに応じて、適切なポートが選ばれる
・受信時は、サーバーが特定のポートで待ち受け、適切なアプリケーションへデータを渡す
補足:
ポート番号には 「ウェルノウンポート」「登録済みポート」「ダイナミックポート」 という分類がある。
- **ポート番号**は、アプリケーションごとに決められた“窓口”
- 0〜1023番:**ウェルノウンポート**(よく知られたサービス用)
- 1024〜49151番:**登録済みポート**(特定のアプリケーション用)
- 49152〜65535番:**ダイナミックポート**(一時的な通信で利用)
6.まとめ
・TCP/IPは4層モデル(アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、ネットワーク層)
・プロトコルごとに役割が異なる(HTTPはWeb、SMTPはメール送信など)
・TCPは信頼性重視、UDPはスピード重視
・データは各層でヘッダ情報を付加しながら送信される
・ポート番号を使って適切なアプリケーションへデータを届ける