0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ARPとルーティングの基本とネットワーク内通信の流れ

Posted at

1.初めに

ネットワーク通信を学ぶ中で、ARP(Address Resolution Protocol)やルータの役割を理解することは非常に重要です。この記事では、ARPの役割や、異なるネットワーク間でのデータ転送の流れを、実際の機器とシミュレーションツール(例:Packet Tracer)を使いながら学んだ内容をまとめます。

2.ARPとは?

ARP(Address Resolution Protocol)は、IPアドレスからMACアドレスを解決するためのプロトコルです。特に同じネットワーク内で通信する際、PC間でデータを送受信するためには、送信先のMACアドレスが必要になります。これを得るためにARPを使用します。

ARPリクエストとリプライ

1.ARPリクエスト

送信元のPCが宛先のIPアドレスに対応するMACアドレスを知らない場合、ARPリクエストをブロードキャストでネットワークに送信します。

2.ARPリプライ

宛先のPCがARPリクエストを受け取ると、自分のMACアドレスを含んだARPリプライを送信元PCに返します。この時、送信元PCは宛先PCのMACアドレスを取得します。

3.ルータの役割と異なるネットワークへのデータ送信

同じネットワーク内であれば、PC間での通信は直接行われますが、異なるネットワーク間で通信する場合はルータが必要です。ルータは、異なるサブネット間の通信を仲介し、データを適切なネットワークに転送します。

1.PCが異なるネットワーク宛てにデータを送信

送信元PCが宛先PCのIPアドレスが同じネットワークに属していないことを認識すると、ルータに対してデータを転送します。これを「デフォルトゲートウェイ」と呼びます。

2.ルータの処理

ルータは受け取ったパケットの宛先IPアドレスを確認し、宛先が異なるネットワークに属する場合、次に転送すべきインタフェースにデータを転送します。この際、ルータはARPを使用して転送先のMACアドレスを解決し、新たにイーサネットフレームを作成します。

4. 実際のネットワーク通信の流れ(具体例)

以下は、PC1からPC2へデータを送る際の流れを説明します。

1.PC1が送信先IPを認識

PC1が宛先IP(例えば192.168.2.100)を認識し、同じネットワーク内であればそのまま送信します。異なるネットワークの場合は、デフォルトゲートウェイ(ルータ)に送信されます。

2.ARPリクエスト(同じネットワーク内の場合)

送信先のMACアドレスが不明な場合、PC1はARPリクエストをブロードキャストで送信します。宛先PCがそのリクエストを受け取り、ARPリプライを返します。
そして必要なMACアドレスを取得した後、PC1が送信するデータ(イーサネットフレーム)を作成し、宛先MACアドレスを指定して送信します。
※同じサブネット内であれば、ルータは使用せず、直接PC2にデータが送られます。

3.ルータを使用する場合(異なるネットワーク間)

PC1が異なるネットワークに向けてデータを送信する際、ルータが間に入ります。PC1はルータに向けてデータを送り、ルータはそのパケットの宛先IPアドレスに基づき適切なインタフェースを選び、転送先のネットワークに向けて新しいパケットを送信します。

5.まとめ

・スイッチとルータの違い
スイッチはMACアドレスをもとに、ネットワーク内でデータの転送を行いますが、ルータはIPアドレスをもとに、異なるネットワーク間の通信を中継します。

ネットワーク通信の流れを理解することは、ネットワーク設計やトラブルシューティングにおいて非常に重要です。ARPやルータの役割を理解し、実際の通信がどのように行われるのかを把握することで、より効率的にネットワークを構築できます。

6.参考資料・ツール

・Packet Tracer: シミュレーションツールとして活用しました。ネットワーク設計やトラブルシューティングの練習に役立ちます。
・Wireshark: 実際のパケットをキャプチャして解析することで、ネットワーク通信の詳細を確認できます。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?