はじめに
応用情報技術者試験午後の令和4年度の秋期のネットワークを解いて出てきた用語をまとめました。
1. L2TP/IPSec
・L2TP (Layer 2 Tunneling Protocol) と IPSec (Internet Protocol Security) の組み合わせは、VPN接続におけるセキュリティ技術の一つです。
・L2TP はデータをトンネル化して送信するためのプロトコルで、IPSec はそのトンネル内のデータを暗号化するための技術です。
・動作順序: データリンク層でL2TPによってカプセル化され、その後、ネットワーク層でIPSecによって暗号化されます。
2. TLS (Transport Layer Security)
・TLS は、インターネット上でのデータ通信を暗号化するためのプロトコルです。SSL(Secure Sockets Layer)の後継として広く使用されています。
・動作層: TLSは、トランスポート層(OSI参照モデルの第4層)で動作し、アプリケーションとトランスポート層の間で通信の暗号化を行います。
・利用シーン: HTTPS(HTTP over TLS)として、Webサーバとブラウザ間での暗号化通信に使われます。
3. IPSec (Internet Protocol Security)
・IPSec は、ネットワーク層で動作するプロトコルで、データの暗号化、認証、整合性を提供します。
・VPNでの利用: 通常、VPNでのトンネル接続(L2TP/IPSec、SSL VPNなど)に使用され、送信されるデータを暗号化し、安全にインターネット越しに送信できるようにします。
4. LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)
・LDAP は、ディレクトリサービス(ユーザーやネットワークリソースの情報を管理するサービス)にアクセスするためのプロトコルです。
・利用シーン: ユーザーの認証情報(ユーザー名、パスワード)を管理したり、組織内のリソースにアクセスしたりする際に使用されます。
・層: アプリケーション層(OSI参照モデルの第7層)で動作します。
5. Kerberos
・Kerberos は、ネットワーク認証プロトコルで、クライアントとサーバ間での安全な通信を実現します。
・特徴: 中間者攻撃(MITM)を防ぎ、チケットベースの認証を使用します。これにより、パスワードをネットワーク上で送信せずに認証を行うことができます。
・層: アプリケーション層(OSI参照モデルの第7層)で動作します。
6. SSL (Secure Sockets Layer)
・SSL は、インターネット上の通信を暗号化するために使われるプロトコルで、TLSの前身です。
・利用シーン: HTTPS通信で使われ、クライアントとサーバ間でセキュアな接続を提供します。現在ではTLSが主に使われています。
7. VPN (Virtual Private Network)
・VPN は、インターネット上で仮想的な専用線を作成し、暗号化された通信を提供する技術です。
・種類:
・L2TP/IPSec: レイヤ2でデータをトンネル化し、ネットワーク層で暗号化する。
・SSL VPN: SSL/TLSを使用して、リモートアクセスを安全に提供します。
・PPTP: 古いVPN技術で、暗号化の強度が低いため、現在はあまり使用されていません。
8. クライアント証明書とサーバ証明書
・クライアント証明書: リモートPCやユーザーを認証するために使用される証明書。特にセキュリティが重視される環境で使用されます。
・サーバ証明書: サーバが正当であることをクライアントに証明するために使用され、通信の暗号化を実現します。
9. SSL/TLSハンドシェイク
・SSL/TLSハンドシェイクは、クライアントとサーバ間でセキュアな接続を確立するプロセスです。このプロセスで証明書が交換され、暗号化方法が決定されます。
10. サーバ認証とクライアント認証
・サーバ認証: クライアントがサーバの正当性を確認するためにサーバ証明書が使われます。
・クライアント認証: サーバがクライアント(リモートPC)の正当性を確認するためにクライアント証明書が使われます。
11. トンネル方式と暗号化技術
・L2TP/IPSec: データリンク層でL2TPがトンネル化し、その後ネットワーク層でIPSecが暗号化します。
・SSL VPN: SSL/TLSプロトコルを使用し、アプリケーション層で暗号化を行います。ブラウザベースで簡単に接続できるため、柔軟性が高いです。
まとめ
・リモートアクセスにおけるセキュリティ技術やプロトコルは、認証と暗号化を通じて、通信の安全性を確保します。これには、TLSやIPSec、LDAP、Kerberosなどが重要な役割を果たしています。
・L2TP/IPSecやSSL VPNなど、さまざまなトンネル方式が用いられ、リモート接続のセキュリティを高めるために、それぞれ異なるプロトコルが使われます。
・証明書の利用(サーバ証明書、クライアント証明書)によって、認証の信頼性が向上し、セキュアな接続が実現されます。