✅ はじめに
内部不正による情報漏えいは、企業内部の従業員や関係者が意図的・または過失によって情報を外部に流出させる行為です。
外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部のリスク管理 も重要視されており、応用情報技術者試験でも頻出のテーマです。
本記事では、
✅ 内部不正の主な手口
✅ 被害の影響
✅ 具体的な対策方法
✅ 応用情報技術者試験での出題ポイント
を整理しました。
試験対策だけでなく、実務でも役立つ内容なので、ぜひ最後まで読んでください!
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📌 内部不正による情報漏えいとは?
🔹 攻撃の概要
内部不正とは、企業の従業員や元従業員、取引先などの関係者が、意図的・または過失によって情報を漏えいさせる行為です。
攻撃者は 「企業のシステムやデータにアクセスできる権限を持っている」ため、外部攻撃よりも検知が難しいのが特徴です。
🔹 代表的な手口
手口の種類 | 攻撃の内容 |
---|---|
持ち出し(USB・メール・紙) | 機密情報をUSBやメールで持ち出し、外部に流出させる |
不正アクセス | 権限を悪用して、機密情報や顧客データを盗み出す |
退職時のデータ持ち出し | 退職者が顧客情報や営業機密を持ち出し、競合企業に提供する |
権限の悪用 | 管理者権限を使い、不正にデータを操作・削除する |
ソーシャルエンジニアリング | 従業員を騙してパスワードを聞き出し、不正アクセスを行う |
📌 被害の影響
内部不正が発生すると、企業は以下のような深刻な被害を受けます。
• 顧客情報や機密情報の流出(信用低下・法的責任)
• 競合企業への情報漏えい(事業戦略・技術の流出)
• 業務停止・金銭的損失(システム破壊・取引先からの信頼喪失)
• 企業のブランドイメージの損傷(炎上・メディア報道)
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📌 具体的な対策方法
🔹 1. アクセス権限の適正化
✅ 最小権限の原則(Least Privilege)を徹底
• 必要最低限の権限のみ付与し、全員に管理者権限を与えない
• 定期的に権限を見直し、不要な権限は削除
🔹 2. ログ監視と異常検知
✅ SIEM(Security Information and Event Management)を活用
• ユーザーのアクセスログを監視し、**異常な行動(大量データ持ち出し・深夜アクセスなど)**を検知
• **機械学習による異常行動分析(UEBA:User and Entity Behavior Analytics)**を導入
🔹 3. データ持ち出し対策
✅ 持ち出しを制限し、データ流出を防ぐ
• USBメモリや外部ストレージの使用を禁止
• メール送信時の添付ファイル制限(暗号化・承認制)
• 印刷制限(機密情報の紙媒体化を防ぐ)
🔹 4. 退職者・異動者のアカウント管理
✅ 退職・異動時には速やかにアカウント削除
• 退職前に重要データのアクセス履歴を確認
• 退職後もアカウントが残らないよう、定期的に削除確認
🔹 5. 社員教育の徹底
✅ 内部不正を防ぐために従業員の意識向上
• セキュリティ研修を実施(情報漏えいの事例・対策)
• 内部告発制度を整備(匿名で不正を通報できる仕組み)
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📌 試験での出題ポイント
✅ 記述問題の対策
午後試験では、「内部不正の手口・影響・対策」を論理的に説明できるかが問われます。
以下のような問題が出る可能性が高いため、事前に練習しておきましょう。
Q1. 内部不正による情報漏えいの特徴を説明せよ。
解答例:
内部不正は、企業内部の従業員や元従業員、取引先が、意図的または過失により情報を外部へ漏えいさせる行為である。
攻撃者は正規のアクセス権限を持つため、不正を検知しにくいという特徴がある。
Q2. 内部不正による情報漏えいの影響とその原因を説明せよ。
解答例:
例えば、従業員が退職時に顧客リストを持ち出し、競合企業に提供するケースがある。
このような問題は、アクセス権限管理の不備や、データ持ち出し制限の欠如が原因で発生する。
Q3. 内部不正を防ぐための効果的な対策を2つ挙げ、それぞれの理由を説明せよ。
解答例:
1. 最小権限の原則を徹底する
• 不要な権限を持たせないことで、従業員が意図的・過失的に情報を漏えいするリスクを減らせる。
2. SIEMを活用したログ監視を行う
• ユーザーの異常行動をリアルタイムで検知し、内部不正の兆候を早期に発見できる。
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✅ まとめ
• 内部不正とは、企業の従業員や関係者が意図的・過失により情報を漏えいさせる行為
• 持ち出し・不正アクセス・退職時のデータ流出・権限悪用が主な手口
• 対策として「アクセス権限管理・ログ監視・データ持ち出し制限・退職者管理・社員教育」を徹底
• 試験では「手口・影響・対策」をセットで理解し、記述問題に対応できるようにする!