SaaS系UI/UXプロジェクトマネージャーとしての視点
はじめに
SaaS型ソリューションの開発に携わり、主にUI/UX部分の監修とプロジェクトマネジメントを担当している者
スタートアップから大手企業まで、多種多様なクライアントに対して、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースと、高い精度の機能を両立させるための取り組みを行ってきた
仕事の紹介と役割
- エンドユーザーが求めるユーザーフローを設計し、開発チームと連携して開発仕様を詰める
- 顧客折衝を通じて要求仕様をまとめ、プロジェクト全体のスケジュールやリソースを調整する
- AIモデルの性能評価やセキュリティ要件を意識した設計を行い、サービス全体の品質を確保する
なぜPMなのか
UI/UXデザイナーや開発エンジニアなど専門領域が異なるメンバーをまとめることで、技術革新の速いAI分野でも一貫性のあるプロダクトを実現したいとの思い
リリース後も継続的にユーザーからのフィードバックを吸い上げ、サービスをアップデートしながらビジネスを成長させる面白さに惹かれた
課題と苦労話
- AIモデルの精度とユーザーエクスペリエンスの両立
- 高精度なOCRを実装しようとすると処理負荷が増大し、応答時間が伸びてしまう問題が発生
- 完璧な精度を追求しすぎると、UIが複雑化し、ユーザーが操作しづらくなるジレンマに陥る
- ステークホルダー間の期待値コントロール
- クライアント側とエンジニア側で「AIなら何でも解決できるはず」と過剰な期待が生まれ、スコープ拡張が止まらない状況
- 機能要件とUI改善の優先度を客観的データや市場調査で整理し、着実にプロダクトをローンチするための折衝が必要
- サービスの安全性とパフォーマンス管理
- 大量の画像データや個人情報を扱うため、セキュリティ面や法令遵守を徹底しながら、システム全体をスケーラブルに運用する仕組みづくりを模索
- コスト管理とインフラ要件のバランスを取りつつ、ユーザーが増加しても快適に使える基盤を維持する難しさを痛感
得られた経験と学び
- プロジェクト早期段階でのユーザーテストやPoCの重要性
- 小さな機能の実装とフィードバック収集を繰り返すことで、大規模リリース時のリスクを抑え、ユーザー満足度を高める手応えを得た
- チーム全員が共通言語を持つ必要性
- AIモデルの精度評価やUIのユーザビリティテストを、誰でも追跡しやすい指標(KPI)として定義することで、プロジェクト全体のモチベーションを維持
- コミュニケーションコストの最適化
- Slackやタスク管理ツールなどを用いたリアルタイムな情報共有と、レトロスペクティブ(振り返り)の仕組み導入により、トラブルの早期発見と継続的改善のサイクルを定着させることに成功
今後の展望
- AIのマルチモーダル化と連携機能の拡張
- 音声認識や自然言語処理との統合を進め、より多面的にビジネスをサポートできるSaaSプラットフォームを提供していく構想
- グローバル市場への対応
- 多言語OCRの需要拡大に合わせ、UI/UXを多文化圏のユーザーにも受け入れやすい形に最適化していく計画
- ユーザーコミュニティとの連携強化
- オープンイノベーションやコミュニティからの要望を柔軟に取り込む形でプロダクトを成長させ、大きなエコシステムを形成するビジョン