背景
飲食店での店長職から未経験でデータアナリストに転職して3年が経ちました。
実務ではKPIモニタリングや機械学習による業務効率化に携わってきて、いろいろな勉強をしてきたのでその中で読んだ書籍のうち、お気に入りのものをいくつか紹介します。
これからデータアナリストを目指す方や、駆け出しで何を読んだらいいかわからない方の参考になれば幸いです。
※購入時より版が更新されているものは本記事作成時点での最新版を載せています。
※資格取得に関しては過去2回まとめていますので、今回は対象外とします。
推薦書籍リスト
以下に10冊テーマごとに紹介します。
問題設定
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データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考
https://www.amazon.co.jp/dp/4478115117
データ分析を行う際には何を分析するか、ビジネスにどのような貢献をするのかを考えることが最も重要でかつ難しいところだと思います。こちらの書籍ではビジネス課題を意思決定プロセスの課題として捉え直すことで、役に立つデータ分析のためのフレームワークが紹介されています。自分の分析がいまいち役に立っているかわからなくなった時や、新しい案件に取り組む際におすすめです。
効果検証
ビジネスにおいてキャンペーンを実施したり、サービスの変更が行われた際に、その効果・影響がどの程度あったのかを知りたいといった依頼を受けることがよくあります。そのような分析依頼に対して、適切に検証を行うためのいろいろな手法がRコード付きで紹介されています。
SQL
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スッキリわかるSQL入門 第4版
https://www.amazon.co.jp/dp/4295018465
未経験からデータアナリストに転職して一番最初に勉強した書籍です。SQLを勉強するとき、最大のハードルとなるのが実行環境の構築ですが、この書籍ではブラウザで操作できるdokoQLという実行環境を利用して、クエリを実際に書いてデータを抽出する練習ができるため、SQL未経験者には特におすすめです。
Python
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Python 実践データ分析 100本ノック 第2版
https://www.amazon.co.jp/dp/479806727X
SQLでデータ取得ができるようになったら、Pythonでさらに加工や可視化を行っていきます。この書籍ではサンプルデータが提供されているため、Google Colab等の実行環境を利用して、Pythonでのデータ処理を学ぶことができます。
PandasやMatplotlibなどのライブラリを利用してPythonでの基本的なデータ加工や可視化のコードを実際に書いて挙動を確認できるため、Pythonでデータ分析をやったことがない方にははじめの一歩にちょうどよいです。
機械学習
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Kaggleで磨く 機械学習の実践力
https://www.amazon.co.jp/dp/4865943269
Pythonを使えるようになったら、機械学習をやってみたいという方が多いのではないでしょうか。この書籍はデータ分析コンペであるKaggleを通して機械学習スキルを身につける/高めることを想定しており、ベースラインのモデルをどう作るか、特徴量エンジニアリングやハイパーパラメータのチューニングをどのように進めるかが詳しく書かれています。機械学習をやってみたい、Kaggleに挑戦してみたいという方におすすめです。
Kaggleでは最適化する指標がルールで決められていますが、実務では決められていません。この書籍ではビジネス上のKPIと相関する機械学習モデルの評価指標を設計することの重要性を学ぶことができます。またいろいろな評価指標がPythonコードとともに紹介したうえで、ビジネスインパクトの期待値の計算方法まで触れられており、機械学習をビジネスに活かすための非常に実践的な内容になっています。
可視化・資料作成
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Google流資料作成術
https://www.amazon.co.jp/dp/4534054726
データ分析を行った結果を報告する際に、メッセージをうまく伝えるための原則がまとまっています。全ページカラーの書籍になっており、選ぶべきグラフ、色使い、ラベルの付け方等、たくさんのサンプルスライドを通して学ぶことができます。一度目を通して手元に置いておくと折に触れて役に立つと思います。
事例
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データ分析失敗事例集
https://www.amazon.co.jp/dp/4320125673
先人の失敗事例と教訓がコンパクトなケースで数多く紹介されています。何事にも失敗は避けられないとは思いますが、避けられる失敗は避けたうえで意味ある失敗をするために、こうした事例を頭の引き出しに入れておくことは非常に有用です。
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金融AI成功パターン
https://www.amazon.co.jp/dp/4296201247
ここまでのリストと異なり業界特化の書籍になりますが、金融系の案件に入る準備として読みました。審査や不正検知等の業界で定番のテーマについて、用いるデータ項目や運用までの進め方について紹介されており、業界での機械学習の利用について理解が進みました。勤めているあるいは担当する案件の業界について書籍が出ていれば、実際にデータ分析を進めるうえでキャッチアップを短縮できたり、分析のヒントを得られたりするので読んでおくことをおすすめします。
マインドセット
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世界一流エンジニアの思考法
https://www.amazon.co.jp/dp/4163917683
Microsoftでシニアエンジニアを務める方の書籍です。システムエンジニアの方でデータアナリストではないですが、そのマインドセットや仕事術は同じように真似できる部分が多くあります。プレイヤーとして効率よく働きたいけどやり方がわからないという方や、マネージャーとして生産性高いチーム運営に興味があるという方におすすめです。
まとめ
この3年間に読んだ書籍でのお気に入りを以上10点紹介しました。ここ数年はDXやAIがニュースにならない日はないくらいに注目されており、今後も良書がどんどん出版されていくと思います。読んで満足せず、学びを実務に生かせるようがんばっていきましょう。(自戒を込めて)