はじめに
これまで約1年間、開発チームリーダーとして仕事をしてきました。
しかし、「理想のリーダーとは?」という問いに答えがでず、モヤモヤしてしました。
そんなタイミングで読んだのが本書です。
新米リーダーがどう感じたのかという視点で、備忘録を書いていきます。
本の紹介
下記の3部構成となってます。
- 第一幕:Netscape(マネージャ)
- 第二幕:Apple(ディレクター)
- 第三幕:Slack(エグゼクティブ)
でのリーダーとしての経験を30エッセイとして紹介している本です。
本書内でも、記載がありますが、目新しいTipsのようなものが書いてあるわけではなく、
継続によって効果の出る「プラクティス」が記載されています。
総評
現時点では、刺さるエピソードと刺さらないエピソードの差が大きい本でした。
Netscapeでのエピソードは私の立場に近いこともあり、
本書を読んだ目的である「理想のリーダーとは?」の問いのヒントを得られたように感じました。
一方で、Apple, Slackでのエピソードは刺さらない(他人事のように感じてしまう)ものが多い印象でした。
上記のように読み手の立場によって、大きく見え方が変わる本のため、
キャリアの節目に読んでみると面白いのかなと思います。
刺さった内容
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マネジメントとはまずチームが直面している障害やメンバー間の軋轢といった情報を明らかにすることであり、さらにそうして得た情報を分析して、進むべき正しい道を見出すこと(序文:Instagram 前CTO マイククリーガー)
→ マネジメントという言葉には、個人・会社などの正解があると思いますが、私の理想像を言語してくださっている気がしました。 -
あなたが手にしているこの本は、私がマネージャーになった最初の数年間に、しっかりとしたサポートを受けられなかったことへの不満から生まれたものです。(第一幕 冒頭)
→ この文章から、読み進めることにワクワクし出しました。 -
リーダーは、チーム内で何が許容され、何が許容されないかの基準を設定します。(2章 会議ボケ)
→ リーダーの行動はチームの基準となる。だからこそ、サブタイトルにもあるささいなことを丁寧に行い、チームの基準を作るべきと。 -
意見が洗練されるのは、誰かの同意によってではなく、議論を通じてです。(4章 様子を見る、場をつかむ、味見をする)
→ ミーティングの席で、「言いづらいな」「自分なんかが」なんて思うことが少なからずあります。そんなタイミングでこの文章を思い出したい。 -
自分の仕事について、どんな風に褒めてもらいたいですか?(6章 プロフェッショナルとしての成長をはかる質問表)
→ 質問表には19個の質問があり、どれも現時点と将来を見つめ直す鋭い質問であった。特に、「どんな風に褒めてもらいたいか」という質問は、褒めてもらうための行動ができているのか?と考えさせられた。 -
管理職に就くのは昇進ではない、キャリアとしては再出発です。(9章 新任マネージャーのデススパイラル)
→ 本章では、デススパイラルについてのエピソードが語られており、近しい状況のマネージャーが多い印象を受けました。また章の締めくくりでは、リーダーシップの原点は「信頼」であると語られており、私の「理想のリーダー像」が明確になった章でした。 -
マネージャーの仕事はものづくりではなく、ものづくりができるチームを作ること(11章 我慢の限界まで任せる)
→ マネージャーになったときに、この文章を読み返して、自分の責務を思い出したいです。 -
フィードバックを与え、受け取るという行為はあらゆる面で、人間関係における信頼関係を構築する機会となります(15章 手厳しいことを言う)
→ 本章では、手厳しいことを言う・言われることの重要さを説いてくれています。 -
私の経験則によれば、マネージャーとしての仕事の50%は、情報を集め、評価し、再分配することです。(26章 情報ネットワーク)
→ 序章の「マネジメントとはまずチームが直面している障害やメンバー間の軋轢といった情報を明らかにすることであり、さらにそうして得た情報を分析して、進むべき正しい道を見出すこと」にもつながる話で、なぜ1on1が大事かがわかる章でした。 -
リーダーシップとは、他人に見せるための服であり、私は揺るぎない優しさを選びます(30章 揺るぎない優しさを)
→ 本書の締めくくりの文章。念頭に置きたい言葉となりました。
最後に
みなさんもぜひ読んでみてください。何か気づきがあると思います。
私も、また本書を読んだ時に違った感想を持つのが楽しみです。