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Advent Calendar 2019

Day 1

リモートのメンバーとオンラインもくもく会形式で仕事をしたら生産性が上がった話

Last updated at Posted at 2019-11-30

はじめに

例えば「ベテランと新人」といった組み合わせのように、チームメンバー間のスキル差が大きい場合においては、コードレビューやペアプログラミングなどによる教育の効果をもって、チーム全体の技術力の底上げを図っていくことが考えられます。

この時、例に挙げたベテランのようなスキル上位者の側がフルリモートで働いていたとしたら、どうでしょうか?

チームの特徴

本記事で紹介するチームでは、スキル最上位者であるテックリードがフルリモート1で働いています。

  • チームは3名
  • 拠点が2つあり、拠点Aにテックリード1名、拠点Bに残りのメンバー2名
  • 拠点間は1,500km離れており、頻繁に対面で会うことは時間やコストの観点から困難

絵にすると以下のような状況です。

qiita2.png

また、チームで担当する領域がPHPやGoといったプログラミング言語のコードだけでなく、AWS全般や各種監視ツールの設計や管理なども含まれるため、コードレビューやペアプログラミングといった手法だけではチームの扱う技術をカバーできないといった特徴があります。

チームの課題

テックリードから見ると、遠方の拠点のメンバーをいかにフォローしてチーム全体の生産性を上げていくかが課題です。

こうしたこともあって、チーム内では常日頃から「何かわからないこと、詰まったことがあれば遠慮無く質問して良い」という雰囲気が醸成されており、実際にそのような質問のやり取りは以前からSlackを使って行われています。

しかし、内容の複雑度合いによっては、テキストではなく画面を共有しながらの会話が適しているケースがあります。

そのような時、

  1. メンバーがビデオ通話(Slackのビデオ通話等)での接続をテックリードに打診する
  2. テックリードはこれを了承
  3. ビデオ通話を開始し、画面も共有
  4. 問題が解消したら通話終了

といった流れになるわけですが、同じオフィスの近くの席にいて声を掛けるのと比較すると手間が多く、そのことがメンバーを「必要なタイミングに必要な質問をする」行為から遠ざけてしまう傾向にありました。

テックリードから見ても、タスクの進行に大なり小なり問題が生じているにも関わらずメンバーから質問が上がって来ないわけで、テックリード側もメンバー側も何となく「やりづらさ」のようなものを感じていました。

課題に対して取り組んだこと

チームの定例ミーティングで先に挙げた課題が議題となり、検討した結果、以下の施策を導入することにしました。

  • あらかじめ時間を設け、その間は自席PCからビデオ通話を繋ぎ、画面を共有しながら各自のタスクを行う

いわば、オンラインもくもく会形式で仕事をする、というものになります。

また、このビデオ通話にはGoogle Meetを使うことにしました。

Google Meetでは、

  • 参加者全員のPC画面を同時に共有可能であり、各参加者のPCには全員分のPC画面(と顔)が表示される

  • 各参加者は共有された全員の画面の中から、自分が見たい画面を選んで大きく表示できる

と柔軟な表示が可能であったためです。

以下は、オンラインもくもく会実施中のGoogle Meet画面の様子。
テックリードが説明しながら操作するAWSマネジメントコンソール画面をメンバーが見ているところ。
ぼかし後2.jpeg

このオンラインもくもく会を1回あたり2時間、週3回開催で運用することにしました。

得られた効果

1. 口頭での質問を行うことへの心理的障壁が下がった

既にビデオ通話の接続と画面共有も済んでいることから、質問を開始するのに必要となるのは「声を発することのみ」です。

事前のSlackでの打診が不要となり、メンバーからは質問がしやすくなりました。

また、以前であれば、ビデオ通話での質疑応答終了後、すぐに新たな疑問が出た時に、あまり間を置かずに再度ビデオチャットの接続を依頼することは何となく憚られるところがありましたが、オンラインもくもく会の実施中は常時接続しているため、そのような遠慮を感じることも無くなりました。

2. 案件の進捗に改善傾向が見られた

オンラインもくもく会の実施中に取り組む各自の案件としては、

  • 要所要所でテックリードのフォローが必要となることが想定される、比較的難易度の高い案件
  • 進捗がやや遅れており、追い上げが必要な案件

を優先的に選定することにしました。

遅れそうな、あるいは遅れている案件をテックリードからのリアルタイムのフォローを受けながら取り組むことで、「詰まる」「悩む」時間をできるだけ少なくし、進捗の改善を図ることができました。

最後に

メンバーからは「遠方にいるテックリードが、まるで自分の席の隣にいるように感じられた」との意見もありました。

今回紹介したチームのように、チーム内にフルリモートのメンバーがいて同様の課題がある場合に、参考にしていただければと思います。

  1. 正確には拠点Aの支社に出社することもあり「フル」リモートではありません。ただ、拠点Bのメンバーから見るとフルリモート。逆に拠点Aのテックリードから見たら、拠点Bのメンバーもフルリモートですね。

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