現状
2021年7月からイギリスの大学院でデータ・エンジニアリングの修士号を履修中です。 今月上旬、無事、修士論文の提出を終えました。未消化単元の受講を終え次第、職探しを始めようと考えています。論文を書く過程で教わったビジネスとアカデミアに於ける評価基準の違いと先行研究レビューの位置付けを紹介します。今後、社会人大学院への進学を検討している方の一助になれば幸いです。ビジネスとアカデミアの異なる評価基準
そもそもビジネスとアカデミアでは評価基準が異なります。例えるなら野球とサッカーくらい、ゲームのルールに違いがあります。
一般的にビジネスでは売上・利益・効率等、企業経営への貢献が重視されるのに対し、アカデミアでは過去の研究にはない新規性が求められます。
では新規的な研究や論文とは何でしょうか?
研究に新規性があるかどうかを判断する為に先行研究レビューが存在します。
先行研究レビューの位置付け
先行研究レビューとは、自分の研究テーマに関する過去の論文を読み(漁り)、整理・体系化する作業を指します。側から見ている限り、この作業は学生に人気のない、面倒な作業として認知されているようです。先行研究レビューは「見て見て!僕・私、ちゃんと過去の論文読んだよ!」と言うアピール材料の為だけに存在するのではありません。本来の目的は、過去に出版された論文から、まだ研究がされていない領域や差分を探すことにあります。
この為、「僕・私、ちゃんと読みましたよ」アピールとなる要約に加え、過去論文を俯瞰的に眺め、共通点や相違点を洗い出す作業が必要になります。過去論文の比較・精査を経て始めて、研究・論文がアカデミアで評価に値する新規性を持つかどうかが判断されます。
研究・論文を審査する側の視点に立った場合、提出者の主張・論旨がどれくらいの量の過去研究に基づいているかを定量的に判断するバロメーターにもなります。