ASOとは
「 App Store Optimization」の略で、モバイルアプリケーションストア(AppStore/GooglePlayStore)に最適化することです。
具体的にはランキングで上位に載るための施策だったり、検索結果の上位に表示する施策を指します。
最近ではランキングロジックが複雑になり、検索エンジンの評価対象がメタデータ(タイトルやキーワード)やダウンロード数だけでなくDAU/MAU、レビュー評価など多様化してきています。
そこで一口に「ASO対策」といってもやることが増えてきて、なにやればいいんだっけ?状態になりがちなので一度整理したいと思います。
この記事では具体的なASO対策にはあまり言及しません。
ASOの目的やアプリストアの特徴を理解することが目的です。
ASO担当者やこれからASOに注力したいと思っている方に、基礎知識として覚えていただけると幸いです。
※ 内容に関しては個人的な予想も含まれますのでご注意ください
ASO対策の目的とは
せっかくアプリを作って配信しても、ユーザーに届かなければ頑張って作った価値を提供できず、苦労が水の泡です。
また、ユーザーが例えば「家計簿をつけたい」と目的を持って検索しても、そこに適切なアプリが表示されないとユーザーにとってもデメリットとなります。
つまり、適切なASO対策はデベロッパー/ユーザーの双方にメリットが生じます。
簡単にまとめると
- 潜在ユーザー(※1)の目に触れる機会を多くする
- 潜在ユーザーがアプリをインストールする
- 顕在ユーザー(※2)が目的のアプリに出会いやすくする
- 利用ユーザーの満足度を上げて、更にランキングを上げる
ということがASOの大まかな目的になります。
※ 「潜在ユーザー」とはあなたの作ったアプリをインストールするつもりがないユーザー
※ 「顕在ユーザー」とはあなたの作ったアプリをインストールするつもりで検索するユーザー
ランキング・検索順位の向上
ランキングは「潜在ユーザー」にとってアプリを知るキッカケになります。
「最近こんなアプリが流行っているのかぁ」
「このアプリ良さそう」
といったように、必要性が顕在化していないユーザーに対してもアプローチすることができます。
一方、ストアの検索窓から「家計簿」と検索した場合もランキングで表示されます。
これは「家計簿をつけたい」という目的が顕在化したユーザーに対してリーチすることが出来ます。
どちらも他アプリと順番で並ぶので一つでも上にあることでよりダウンロードしてもらう確率があがり、1人でも多くの方に価値を提供できる機会を得ることができます。
ユーザーとの接点から効率的に集客する
ユーザーとの接点は実に多様です。
ASO施策とはその接点を効果的に使い、いかに多くのダウンロードにつなげるかの施策といっても過言ではありません。
具体的な施策は色々なところで言及されているかと思いますので今回は割愛させていただきますが、各接点でやれることは多く存在します。
- ストア内検索の検索結果画面
- ストアおすすめ、特集
- 人気検索(AppStore)
- 検索時のサジェスト
- 他アプリの詳細画面下部にある関連アプリ
- デベロッパーページ(GooglePlay)
- WEB検索
- 広告
- TV(CM)
- 書籍等
コンバージョン率の向上
冒頭でも触れたとおり、ストアのランキングはダウンロード数よりもより使われているか、ユーザーに満足いただけているか、といった指標にシフトしつつあります。
もちろん1人でも多くのユーザーにダウンロードしてもらいたのですが、残念ながら「思ってたのと違う」といって使われなくなったりアンインストールされてしまったりすると満足度の平均は下がってしまいます。
とにかくダウンロードしてもらうのではなく、より満足していただけるユーザーにダウンロードしてもらう工夫が必要になります。
アプリの詳細ページ(ダウンロードページ)にはアイコンの他にスクリーンショット、説明文などがあります。
ダウンロードする前の時点で、「このアプリで何ができるのか」「どういった価値を提供しているのか」を適切に説明することでユーザー理解が深まります。
アプリに対する理解を深めたうえでアプリを使ってもらうと、使い始めたあとの起動率や継続率が向上します。
結果的にDAU/MAUが向上するのでランキングも上がり、さらに多くのユーザーに使ってもらうといういいサイクルにつながるのです。
もうひとつ重要なこととしてKPIまでのコンバージョンを上げる目的もあります。
Twitterでは初日に5人以上フォローしたユーザーの継続率が高い
といった、アプリを成長させるうえでのKPIが存在します。
それらのKPIが定まっている場合は、アプリダウンロード前に「このアプリは友達をフォローしたりフォローされたりするものですよ」とマインドセットしてKPIまでのスムーズに誘導することが可能です。
- 内容を十分理解してもらうことで継続率・起動率の向上、アンインストール率の低下につながる
- 成果地点を意識して、インストール前にユーザーに訴求することで利用率を上げる
Storeのランキング・検索順位に影響する指標とは
ストアのランキングに影響する指標はストアによって異なります。
また、検索結果のランキングとカテゴリのランキングでも若干指標が変わります。
AppStore
AppStoreはダウンロード数を重視する傾向にありましたが、最近ではキーワードとの関連性や、DAU/MAUをより重視するようになりました。
また最近ではタイトルやキーワードだけでなく説明文も分析対象に含まれているのではないかと感じます。
- イントール数(カテゴリでのランキングはこれが顕著)
- タイトル
- キーワード
- 説明文
- DAU/MAU
GooglePlayストア
GooglePlayはAppStoreに比べ、非常に多角的な視点からランキングを形成しています。
GoogleさんらしくWeb側も含めて評価しているのが特徴です。
- イントール数(カテゴリでのランキングはこれが顕著)
- アンインストール率(ただし、一定期間内のアンインストールのみ計測)
- DAU/MAU
- メタデータ全般
- 被リンク
- 評価
- +1(Google+)
- App Indexing | Google Developers
ランキングを上げるには
指標は様々あり、それら全てに対してなにかしらの施策を行うのは非常に大変です。
小手先のテクニックは山ほどあり、これまでに色々トライしてきましたが、本質的には下記に集約されると感じています。
- ユーザーに価値あるサービス/機能を提供すること
- その価値を理解してもらうこと
- 各プラットフォームのガイドラインを意識し、使いやすいアプリを作ること
そうすることでユーザーからも評価され、結果としてストアからも評価されることになるのではないかと考えています。
といってもそれが一番難しい