はじめに
大学や会社のLinux PCで仕事をしていると欲しいソフトをインストールしたくても管理者権限がないため、すぐにインストールできず面倒なことがよくあります。そこでローカルにインストールして試すことになるのですが、私のやり方をメモ代わりにここに示しておきます。
(モノによっては依存パッケージの関係でうまくいかないことがありますので注意してください。)
基本的な手順
ホームディレクトリに.local
という隠しディレクトリを作り、その下にインストールします。Ubuntuなら初めからあるとは思いますが、なければ作成しておきます。
次に.local/bin
を環境変数PATH
に追加します。bash_profile
やbashrc
内で追加するように設定しておくといいでしょう。
私の場合、PCが壊れた場合や新しく買った時のことを考え、自動でインストールするシェルスクリプトを作っています。
各種パッケージ・ライブラリ
autoconf
cd ~/Downloads
wget https://ftp.gnu.org/gnu/autoconf/autoconf-2.69.tar.gz
tar -zxvf autoconf-2.69.tar.gz
cd autoconf-2.69
./configure --prefix=$HOME/.local
make
make install
./configure
のときに--prefix
オプションでインストールディレクトリを指定するのがポイントです。
automake
cd ~/Downloads
wget https://ftp.gnu.org/gnu/automake/automake-1.15.tar.gz
tar -zxvf automake-1.15.tar.gz
cd automake-1.15
./configure --prefix=$HOME/.local
make
make install
cmake
cd ~/Downloads
wget https://cmake.org/files/v3.10/cmake-3.10.2.tar.gz
tar -zxvf cmake-3.10.2.tar.gz
cd cmake-3.10.2
./configure --prefix=$HOME/.local
make
make install
powerline-shell
まずpowerline-shell
本体をインストールします。pip install
に--user
オプションをつけると~/.local
にインストールされます。~/.local/bin
をPATH
に加えるのを忘れないようにしましょう。
pip install --user powerline-shell
次にpowerline-shell
のフォントをインストールします。
cd ~/Downloads
git clone https://github.com/powerline/fonts.git --depth=1
cd fonts
./install.sh
cd ..
rm -rf fonts # インストール後はディレクトリが不要となるので削除しても大丈夫
フォントのインストール後にターミナルの「編集」→「プロファイルの設定」→「フォントを設定する」からpowrline-shellのフォントを選択します。
tmux
tmuxを上記のようにしてローカルにインストールする場合、依存パッケージがインストールされていないとエラーが起きます。依存パッケージのインストールには非常に手間がかかり、解決できない場合もあります(私の場合そうでした)。そこで、minos-staticという依存関係の問題を解決するためのプロジェクトを使うことにします。
Minos-staticのダウンロード
まずはminos-staticを.local/src
にダウンロードします。
mkdir -p $HOME/.local/src
cd $HOME/.local/src
git clone https://github.com/minos-org/minos-static.git
これでminos-static
というディレクトリが~/.local/src
以下にできます。minos-static
を使ってインストールしたパッケージを使えるようにするために、環境変数PATH
に~/.local/src/minos-static/bin
を加えます。
Minos-staticを使ってtmuxをインストール
cd ~/.local/src/minos-static
static-get tmux # tmux-1.9a.tar.xzがダウンロードされる
tar xvf tmux-1.9a.tar.xz # 解凍
ちなみにstatic-get --search
とするとminos-staticを通して得られるパッケージの一覧を見ることができます。
TexLive
英語しか使わないのでTexLiveのみインストールします。
インストール方法はここを参照してください。
cd ~/Downloads
wget https://www.tug.org/texlive/acquire-netinstall.html
tar -zxf install-tl-unx.tar.gz
cd install-tl-<YYYYMMDD>
perl install-tl
あとは画面の指示にしたがってインストールディレクトリをローカルディレクトリに設定して実行するだけです。私の場合は~/.local/texlive/2017/
を指定してインストールしました。
ちなみにperl install-tl -help
とするとオプションリストを見ることができます(perl-docパッケージが必要)。
Boostライブラリ
インストール先を--prefix
オプションで指定してあげるだけです。
cd ~/Downloads
wget https://dl.bintray.com/boostorg/release/1.66.0/source/boost_1_66_0.tar.gz
tar -zxf boost_1_66_0.tar.gz
cd boost_1_66_0
./b2 --prefix=$HOME/.local install
OpenBLASライブラリ
インストール方法はOpenBLASのWikiのUser ManualやInstallation Guideを参照しました。
cd ~/Downloads
wget http://github.com/xianyi/OpenBLAS/archive/v0.2.20.tar.gz
tar -zxf v0.2.20.tar.gz
cd OpenBLAS-0.2.20
make # コンパイル
make install PREFIX=$HOME/.local # インストール