はじめに
この記事はモチベーションクラウドシリーズアドベントカレンダー2021の6日目の記事です。
リンクアンドモチベーションでエンジニアをやっています。
この記事では開発チームにプロダクト志向をもたらすためにやった組織施策を紹介します。
プロダクト志向の定義
プロダクト志向なチームについて書籍『プロダクトマネジメントのすべて』にてこのように書かれています。
チームメンバー全員がプロダクトをまるで自分の子どものように愛し、自分の担当領域だけではなく、プロダクト全体のことを考えることを「プロダクト志向」とよぶ。たとえばエンジニアならば、ソフトウェアとしての設計や実装だけでなく、自分の書いたプログラムがどのようにユーザーに使われ、事業に価値を与えるかを考える姿勢のことを指す。
エンジニアのキャリアを語る中でプロダクト志向vs技術志向のような議論を目にすることがありますが、目的のあるものを品質高く作ることはエンジニアにとって両方必要な考え方かと思います。
私が所属するプロダクトチームでは限られたリソースで的確な価値創出を為すために、プロダクト志向がチームの土台として機能してきたのでやってよかった事例を紹介します。
機能型からミッション型組織へ
これまでの弊社の組織形態として、エンジニア、デザイナー、PMなど、それぞれ専門知識や技術を持ったメンバーがそれぞれの部門に所属しており、各部門からメンバーを集めたチームを構成する形になっていました。
弊社が内製化を始めてから開発組織が成熟するまでは、それぞれの専門職がナレッジを展開しながら組織全体として強くなっていこうというねらいがありましたが、副作用として部門で立てた目標とチームの向かう方向が擦り合わない、結果として個人が進む方向がぶれるということがあったかと思います。
開発組織が成熟してきた中で取られたのがプロダクトやプロジェクトごとに組織を区切ってエンジニアやデザイナーが同じ組織に属するミッション型組織にシフトしました。
この改編によってメンバーそれぞれのプロフェッショナリティをビジョン・ミッションで束ね、より自分ごととして要件化できるようになってきたのではないかと考えています。
もはやチーム施策というよりは開発組織全体の組織改編にはなりますが、この変更がプロダクト志向を保つために大きな一歩になったので紹介させていただきました。
チームの行動指針
次に紹介するのがチームの行動指針です。
実は私が所属するチームには既に行動指針が存在していたのですが、時の流れと共にメンバー入れ替わりによって策定背景を知る者が少なくなってきたためリニューアルしました。
策定方法としては、メンバーみんなで理想のチーム像を表すキーワードを持ち寄り、理想に近づくために必要な行動・思考・取り組みについてメンバー全員が考え、最終アウトプットとして指針に落とし込んでいきました。
微妙な言葉のニュアンスやまとまりの良さといった細部までこだわり抜くことで、愛着が湧き日々の思考に常駐させる心理的コストを下げられたかと思っています。
設定して終わりではなく日常の行動に紐づけるために、隔週で行動指針のふりかえりを開催してメンバー各々でできたことを発表し合って称え合うといったことを実施しています。
行動指針を設定して良かったこととしては、チームに一体感が生まれるだけではなく、プロダクトの進むべき方向や達成したい成果に対して個人の行動の道標として目線が揃ったことかと思います。
下記の画像が我々のチームで設定した行動指針です。
DNAの塩基配列である"ATCG"を4つの指針の頭文字としてまとめました。
プロダクト提案大会
視点を未来に飛ばして、直近の課題や技術的な実現可能性を度外視した上で、5年後10年後にどのようなプロダクトになっていたいかを考え共有し合う場です。
Howに偏りがちな目線をプロダクトのCoreやWhyから考えて、どんな機能があったら使いたくなるかをチーム全員で考える場はプロダクト志向を深めるために大切な時間になりました。
また、スプレッドシートにそれぞれ書き込んで発表し合う形だと堅苦しい感じになってしまうので、テーマを絞ったりコンセプトを取り入れたりすることで敷居を下げて尖った意見が出やすくなりました。
- 僕の私が考える最強の○○(プロダクト)
- こんな〇〇や嫌だ
- EEYAN GP(IPPON GPのパクリ)
- 「あれのせいで〇〇開かないっすね〜」何のせい?
提案大会で出たアイデアはその場限りにせずに、PMが持ち返って中長期的なロードマップを策定する上での材料の一つにしています。
まとめ
2021年を振り返って私のチームでやったことを整理してみました。
上記施策おかげ?で仲良し倶楽部になるでもなく殺伐とするでもなく、楽しく仕事ができているかなあと感じています。
チームビルディングでお悩みの方への助けになったら幸いです。