Google User Messaging Platform (UMP) SDK の使用方法が書かれている Web サイト (Get Started) には、以下のサンプルコードが記載されています。今回は、実際にこちらを使用し、アプリで IDFA 同意フォーム (ATT dialog) を表示させたときに確認した動作のお話です。

Get Started の抜粋

  override func viewDidLoad() {
    super.viewDidLoad()
    
    // Request an update for the consent information.
    UMPConsentInformation.sharedInstance.requestConsentInfoUpdate(with: nil) {
      [weak self] requestConsentError in
      guard let self else { return }

      if let consentError = requestConsentError {
        // Consent gathering failed.
        return print("Error: \(consentError.localizedDescription)")
      }

      UMPConsentForm.loadAndPresentIfRequired(from: self) {
        [weak self] loadAndPresentError in
        guard let self else { return }

        if let consentError = loadAndPresentError {
          // Consent gathering failed.
          return print("Error: \(consentError.localizedDescription)")
        }
        // Consent has been gathered.
        if UMPConsentInformation.sharedInstance.canRequestAds {
          self.startGoogleMobileAdsSDK()
        }
      }
    }
    if UMPConsentInformation.sharedInstance.canRequestAds {
      startGoogleMobileAdsSDK()
    }
  }

環境

Google User Messaging Platform SDK： 2.4.0

動作概略

おおまかには、UMPConsentInformation.sharedInstance.requestConsentInfoUpdateで確認した情報をもとにUMPConsentForm.loadAndPresentIfRequiredでメッセージが表示される流れになります。

表示されるメッセージは、iPhone や iPad の本体設定、ユーザーの居住地によって自動的に選択されるようになっており、自分で端末の状態をチェックしてメッセージを選択する必要はありません。私の調べた限りでは、以下のフローチャートに沿って、メッセージが自動選択されるようです。

GDPR メッセージ、IDFA 説明メッセージ、IDFA同意フォーム (ATT dialog) を表示させるためには、事前準備が必要です。GDPR メッセージ、IDFA 説明メッセージは、AdMob Web サイトの プライバシーとメッセージ で簡単に作成できます。

また、IDFA 同意フォーム (ATT dialog) を表示させるための準備は、以下の Web サイトで紹介されています。特に難しくないので、サクッと終わると思います。

以下、各 Case について補足していきます。

Case 1. なにも表示されない

European Economic Area (EEA) 以外に居住しているユーザーが、iPhone や iPad の本体設定から プライバシー → トラッキング → App からのトラッキング要求を許可 を OFF にしていると GDPR メッセージ、IDFA 説明メッセージ、IDFA 同意フォーム (ATT dialog) のいずれも表示されません。もちろん IDFA の使用がアプリから許可されることはありません。この場合は、IDFA が使用されませんが、SKAdNetwork を通じて、広告を表示させることはできます。

Case 2. GDPR メッセージのみ表示

AdMob の Web サイトで設定した GDPR メッセージが表示されますが、IDFA 同意フォーム (ATT dialog) は表示されないので、アプリから IDFA の使用を許可することはできません。この場合も Case 1.と同様に広告は配信できます。

Case 3. IDFA 説明メッセージ表示後、IDFA 同意フォーム表示

IDFA 説明メッセージ表示後に自動的に IDFA 同意フォームが表示されます。
日本に居住する多くのユーザーがここに該当すると思います。

Case 4. GDPR メッセージ表示後、IDFA 同意フォーム表示

European Economic Area (EEA) に居住していると UMP に判断された場合には、GDPR メッセージが表示された後に自動的に IDFA 同意フォームが表示されます。このとき、IDFA 説明メッセージ は表示されないことに注意してください。

さいごに

自分でコードを書いて iPhone や iPad の設定状況、ユーザーの居住地をチェックしなくても UMP 側で全てやってくれるので楽でいいですね。

間違っている点や不明点がありましたら、コメントでお知らせいただければと思います。

参考URL