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文系が業務未経験かつインフラ知識ほぼ0でAWS Certified Solutions Architect - Associate 試験に合格した話

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はじめに

この度、AWS Certified Solutions Architect - Associate 試験(SAAとかソリューションアーキテクトとか言われるやつ)を受験して合格したのでこれまでの総括をしようと思います。
AWS未経験とかの合格記とかはちらほらありますが、IT業界の業務未経験でかつインフラの知識もほぼない人間の合格記はあんまりないと思うのでこれから受験する方の尺度になれば幸いです。
なお、試験問題の内容については規約で口外できないのであしからず。
過去のアウトプットは過去記事から参照していただけると嬉しいです。

私のスペック

  • 元国公立志望系私文卒の29歳でフリーター
  • IT系の資格はITパスポートくらい
  • ちょっとWebアプリを作ったことがある(よかったらQiita過去記事から参照していただけるとありがたいです)
  • 算数は小2で捨ててしまったクチでセンター試験では数IA2B合わせて50点しか取れないくらいに数字が苦手
  • 辿った経歴は文系だが、見た目とかアプローチとか考え方は理系とよく言われる
  • でも、最後は感覚で片付けるタイプ
  • 集中力に欠けるので完全座学は1日に長くて4時間が限界

要はITの世界の人間から見れば雪山で裸でタップダンス踊っているような人間でもなんとかなったというのが今回のお話です。

なんで受けたのか

  • 就職活動がさっぱりうまく行かないから
  • それに付随してとある企業様の面接の担当者様に「資格もないの……はぁ……(クソデカため息)」と言われてしまったから
  • 自分でもDjangoとReactでアプリ作ったり、そもそも作ったものをデプロイするときに困ったりするのでなにか1つでも既存のプラットフォームの知識をつけたほうがいいと思ったから

  • 昨年 Masuyamaさんと一緒にDjangoでWebアプリ開発をする機会があり、そのときにMasuyamaさんや他の参加者様がデプロイにAWSを使っていてすごいなと興味を持ったから

  • 上記の経緯を踏まえてTwitterのCADの仕事しているフォロワーさんが受験すると聞いて、じゃあ自分もやるか……と思ったから

  • それ以前にAWSはやたらよく聞くので試しにJAWS DAYS2021の初心者セッションに参加したら結構楽しかったから

使った教材

  • これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)
  • 【SAA-C02版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
  • AWS サービス別資料(通称Black Beltとか黒帯とか)
  • AWSのオンラインセミナー(個人的には結構重要)

色々調べた結果、これ以外では黒本と呼ばれる教材くらいが選択肢に入るくらいでいいと思います。
本試験受けた身としては模擬試験は完全に当てにならないので、模試として受けるよりはそれをとっかかりにサービスへの理解をより自分で深めていくという方針の方が合格する確率上がりますし、資格を取る意味的にも良いかと思います。

ちなみにホワイトペーパーは英語版で読まないといけないので私は使ってません、ただ本試験は問題文や選択肢の日本語がだいぶ怪しく英語ができる人は英語で受験する方が楽ってレベルなのでそれに慣れる意味では使う意義はあると思います。

以下個別に。

これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)

これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)

下調べしてこれがいいというのをちらほらと聞き、Masuyamaさんも当時おすすめしていた気がしたのでこれを買ってやってみました。
良かった点は

  • 完全0ベースの私でもとりあえずこれさえやってるうちに道しるべにはなるだろうと思った通り、割とロードマップにするには良い教材だったところ
  • ハンズオンが必ずあること
  • 模擬試験(個人的には本試験の2段落ちくらいの難易度)が2つあること

悪かった点は

  • 0べースの場合は自分でわからない用語や理解しきれなかった部分は調べないと力にはならないところ
  • 試験範囲が完全に網羅されているわけではない(この講座よりもやや踏み込んだ内容であったり、問題の問われ方を本試験ではされる)のでこれだけでOKとはなりにくいだろうというところ

  • 解説やスライドが間違っている(フォローするとおそらくAWSの更新速度の速さに教材の更新が追いついていないところ)ところ

  • 講師に質問してもすぐ返ってこない上に、わざわざこんなこと聞くなよ! みたいな感じでリンクだけ貼られて返信されたりするので気になる人は気になるところ(私は自分でさっさとググるので無問題)

総評するとAWSを業務で全然触ってない方はとりあえず買っても問題ないと感じます。
Udemyなので30日は返金できますので、やってみてなんかちゃうわってなったら返金してもいいですし。
書籍だと黒本と呼ばれるのを使われている方が多いですが、私はお金ないの、書籍ではAWSの更新スピードに対応できてないだろうという判断、書籍を使った勉強が致命的に苦手という理由で買いませんでした。
もちろん黒本自体は見る限りは実績ある教材みたいなので手にとって確認されることをおすすめします。

【SAA-C02版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)

多分、模擬試験足らないなという判断で受験1ヶ月前に買いました。
先述の講座付属の模擬試験が基本レベルだとすると、こちらは同じレベルの問題が1回分とやや応用かつ、網羅的な問題集という感じです。
ちなみに基本1回以外の5回は試験範囲的にはそれぞれやや偏りがあるので、全部やることで網羅的に自分のステータスがわかるという感じです。

良かった点は

  • 問題数が多く、かつ基本レベルから踏み込んだ聞かれ方やあれ講義でそんなこと言ってたか? みたいな細かいところまで聞かれるところ
  • どの分野でどれくらい間違えてるかなどをグラフ化してくれるところ
  • 見直しは自分でチェック入れたところ、未回答、間違えたところ、正解したところとフィルタリングできるところ

悪かった点は

  • 本試験リスペクトなのか問題文や選択肢が怪しい上に、え? その聞き方だと解答も2つあるように感じるけど? みたいな問題がいくつかある(解説みてまあそういう解釈もできなくはないかなぁ……と思うレベル)

  • 解説がコピペくさいところと正直あんまり当てにならないので、自分でBlack BeltやClassMethodさんのブログ見たほうが理解は深まりそうなところ

  • 講義で出てない用語やサービスをいきなり問題で出されるのでええ……となるところ(個人の感想です)

ちなみに模擬試験と書いてあるのでみんな誤解しがち(レビューでも散見される)ですが、あくまで

AWS試験は多数の問題がプールされており、一度の試験では出ない問題が多数ありますが、参考書にあるような問題は簡易な問題のみを取り扱っており、実際の試験の方が難しいものが頻出します。本講座では難易度の高いレアな問題を多数取り扱って試験慣れしてもらうことを目的に構成しています。

※本模擬試験は多様で難易度が高い問題になれてもらうことで、合格する可能性を高めることを目的としているため、正答率が70%未満であっても、本試験に合格することができる方も多いです。正答率が本番試験の合格レベルを決めるものではない点をご注意ください。

というところが主眼であり、実際に本試験を受験した身からするとこの教材は解説を見て手に余るようなところを探して、Black Belt他の情報リソースを自分で探して理解を深めるためのツールに過ぎないのでご注意を。
個人的にはこの試験の1段上くらいが本試験の難易度だと思いました。

AWS サービス別資料(通称Black Beltとか黒帯とか)

AWS サービス別資料

個人的に今回のMVPその1。
色々な方が勉強に使ってるのも頷けるくらいに良い教材です。
何故かいうとAWS SAA試験では(多分AWSの試験に共通することだと思いますが)

  • サービス自体の理解
  • そのサービスと他のサービスとの連携の理解
  • さらにそれらの実際のユースケースの理解

これらを深めないと勉強したことが中々頭に入ってこないと思うからです(個人の感想)。
実際に上述の教材の模擬試験でもこの3点を意識した問題の問われ方をされていました。
で、この3点を各サービスごとに1時間程度で動画でまとめてくれていてしかもスライドをPDFでも用意してくれている神みたいな教材がこれなんです。
私みたいな業務経験のない人間はユースケースについてはかなり不利になるので、それをほぼ必ず紹介してくれているこの教材はとてもいいと思いました。
なお、必須というわけではなく業務経験があったりする(非AWSでもIT系の知識があるとかでも可)人は効率悪いから使わなかったと、あるRTA記事で拝見しました。

AWS主催のオンラインセミナー

今回のMVPその2。
毎月どころか下手したら毎週AWSはオンラインセミナーをやっていて、現役のAWSエンジニアさんたちがいろんなプレゼンをしてくれています。
特に最新のAWSサービスのユースケースや新技術、あとはベストプラクティスなんかを語ってくれることが多いのでやはり業務経験ない私にはありがたかったです。
ちなみに言ってることは半分くらいギリギリ理解できるレベルでしたが、それでもだいぶ助けにはなりました。
私が受けたのはAWS Builders Online SeriesとJAWS-DAYS 2021(初心者向けセッションです)。
面白かったのはAWSで利用されるDBサービスのあれこれを利用用途に分類して小一時間でさっと語ってくれたセクションとAWSでのデータ分析のセクションでした。

2021-08-01_01h11_20.png

ハンズオンもあったりするのでAWS SAA取ろうと思うなら受けて損はないと思います。
タイミングによってセッションとしてAWS試験対策をやってくれたりもするので気になる方はチェックしてみると良いかと。

Q&A

勉強期間は?

A. 4月半ば~7/30(試験日)です。

ただしこれは私がド素人かつ座学ができないタイプの人間で、しかもながらでやるタイプかつエンジンもスロースターターという特性だからという話で、おそらく実務でAWSを使ってる方なら1ヶ月半、AWS未経験でもインフラ経験や知識、ノウハウがある方なら2ヶ月、慎重になって3ヶ月くらいだと思います(もちろん、個人差あり)

どんなことやってたの?

A. 4月~6月でUdemyの講義、6月~試験日前日までひたすら模擬試験とBlack Beltでした。

前述の通り私は集中して10時間も勉強することができないタイプなので変わりにほぼ毎日4時間位やってました、大体仕事or家事して勉強して寝る以外のことをこの期間ほぼやってません。

講義の方は当然初見では全く話も入ってこなくて、何言ってるかもわからないので当然つまらないのでBGMみたいな感じで聞いてました。
途中からなんとなくやり方が見えてきたので、講義の後半の方で

  • 初見はBGMとして聞いて何をやるのかとか興味を持てそうなところをなんとなくPUしていく
  • 2回目はちゃんと聞く。
  • 付属のハンズオンをやる
  • 3回目を聞いて、わからない用語や理解しきれない部分は自分で調べてアウトプットする

というリズムを作れるようになってからはこれをセクションごとにやっていました。
1セクション1時間~4時間くらい動画だけであるので作業量はその3倍以上とかになってます。
これは人それぞれの練度によって変わってくるので当然圧縮することも可能でしょう、1.5倍速で聞くことを勧めている方もいます。
ハンズオンはできる限り必ずやりましょう、手を動かさないと覚えません。
あと、個人的にはハンズオンはセクション、あるいは関連セクションでまとめてやることを強くおすすめします。
というのもAWSのサービスは作ったリソースをそのまま放置しておくと課金対象になる罠が至るところにあるので、逐一ハンズオンごとに削除しないといけないのですが、ハンズオンはリソースを削除していない前提で始まるので当然もう一度作り直すことになります。
VPCとかEC2くらいだったらまだいいのですが、ElastiCacheとかRedshift、RDS等の高額のサービスでうっかり削除を忘れてしまうと高額の費用を請求されるなんてことがあるのでくれぐれも気をつけてください(受講生の中にはElastiCacheを放置してしまい、17万請求された方がいらっしゃいました)。

模擬試験とBlack Beltに関しては

  • 1周目を普通に解いて、解説を全部読んで何間違えてなぜ間違えたかをアウトプットする
  • 弱いと感じたサービスはBlack Beltを確認する
  • 2周目は問題の選択肢を根拠付けて潰すようにして説いていく
  • 根拠が曖昧だったりしたサービスについてもう一度Black Beltを見て、総まとめとしてアウトプットする
  • 3周目は試験前に総決算として解く

という感じでやってました。
この段階のが楽しかったですね。
Black BeltでおすすめなのはSQSのBlack Beltです
これを見ればSAAレベルのSQS知識はもらったも同然レベルで、正直Udemyの講義よりも質はいいのでぜひご覧になっていただければ。
下に各模擬試験の私の得点推移を載せておきますので、後述の実際の試験の点数と合わせて合格可能性の判断基準にして頂ければと思います。

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ホワイトペーパーとWell-Architected Frameworkは読んだ?

A. 読んでないです。

ホワイトペーパーについては前述の通りです。
Well-Architected FrameworkはUdemyの講座2周したくらいで、オリジンは読んでません。
というのもあれはAWSを実際に利用している人達向けのマニュアルみたいなものなので勉強のコスト効率としては著しく悪いです。
ただし、Well-Architected Frameworkと11のベストプラクティスに基づいてAWSサービスは展開されているので、AWSを効率よく理解するのに適した概念であるのでどんなものであるかということと、何に注目して勉強を進めていけばいいかということを把握するためにも大切なものではあります。

ぶっちゃけ試験に出やすい範囲とかサービスってあるの?

A. 極論、試験範囲のサービス全て出ると思って勉強したほうがいいです。

理由は2つあって1つはこれまでもちらほらと書いたとおり、AWSはサービス間の連携を理解するのが肝であり、実運用でもそれが当たり前だからです。
このサービスはどういうサービスで、なんのためにあって、だからこんなサービスと連携して、こんなユースケースを作っている……と理解できればできるほど合格の可能性が高まると個人的には思います。
2つ目はAWSの試験はなんでも1000問以上プールされていて試験によってそこからランダムで65問出題されるので、正直Udemyの模擬試験を全部やってもせいぜい700問弱なので30%強の確率で自分でカバーしきれない範囲が出てきます。
そういうこともあってサービスはユースケースと連携で覚える必要があると思いました。

試験範囲全部とか面倒くさい

A. わかります。

なんでもSAA及びその上位資格であるSAPはAWS試験の中でももっとも広範な試験範囲らしく、実際かなり膨大な範囲です。
正直私も全部のサービスどころか1つとして完全に理解しきれたサービスはないくらいには広いです。
なので最終的に私は以下のような区分でサービスを分類していました、よかったら参考にしてください。

AWSの基本的なアーキテクチャを作成するためのサービス

  • EC2
  • VPC
  • S3
  • Route53
  • AutoScaling
  • ELB
  • CloudWatch
  • CloudFront(コンテンツ配信を行うようなサービスの場合)

特にサーバレスなアプリケーションを構成する場合のサービス

Lambda
SQS
SNS
APIGateway
ElastiCache
DynamoDB(非ステートレスであれば)
Step function
(分散アーキテクチャの疎結合を助ける、特にオンプレミスのワークロードとの連携もできる)

データ分析ワークロード

Lambda
SQS
S3
Redshift
Athena
Glue
EMR
Kinesis
LakeFormation

アプリケーションやワークロードの自動化、テンプレート

OpsWorks
Cloud Formation
Step function(分散アーキテクチャやマイクロサービスでの疎結合化を図るが、本質はワークロードの設定や管理の自動化。タスクで構成されるワークフローを簡単に作成できる)
SWF(Step FunctionのEC2インスタンスを使う版。)

コンテナサービスによるマイクロアーキテクチャ

Elastic Beanstalk(ECS、EKS、ECRと連携して自動化)
ECS
EKS

リポジトリ管理からデプロイまでのワークロード

CodeCommit(リポジトリの管理、つまりソースコード管理)
CodeBuild(コードのビルド及びテスト担当)
CodeDeploy(ビルドに成功したモジュールのデプロイ担当)
CodePipeline(上記の3工程をCI/CD化するサービス)

公式の模擬試験は受けた?

A. 受けてません。

2000円(AWS資格を有していると特典で無料)もかかるのに難易度は本番より低く、問題数20問強くらいしかないみたいなので……
ただ、日本語の酷さ(Google翻訳らしい)は味わえるみたいなので本試験の日本語が不安な方は受けてみるのもいいと思います。

結果

以下の通りのスコアとスコアパフォーマンスで合格しました。

2021-08-01_02h09_23.png
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正答率は51/65なので14問程度ミスっているということになります。
どこ間違えてるかは確認する術はありません。
可もなく不可もなくという感じだと思います、試験本番の手応え的には結構ぎりぎりかな……と思っていました。

最後に

受けてみて結構良かったと思っています、なんだかんだAWSはもう知っていることが前提みたいな感じで接せられることが多いので今後は(多少は)私も自信を持って話に参加できるようになるのかなと。
ともかく、早く就職して実務経験積みたいですね……資格も3年しか持たないのでDevOpsとか横の資格も取りたいですしSAPもチャンスがあれば挑戦したいですし(難易度は実務経験ないとしんどそう)。
勉強していてAWSインフラのエンジニアにも興味が持ててきたのでもしこの記事読まれた方で私に興味を持っていただけたらお声をかけていただけると嬉しいです。

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