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脆弱エンジニアのAdvent Calendar 2024

Day 10

セキュリティ・ミニキャンプで講師した話

Last updated at Posted at 2024-12-10

脆弱エンジニアの Advent Calendar 2024 10日目の記事です

セキュリティ・ミニキャンプ in 北海道 2024 で講師デビューしたのでその感想とその他諸々お気持ちの記事です.

Who am I

セキュリティ・キャンプ2020 全国大会の卒業生で,その時はSRv6をやっていました.
応募課題の晒し
SRv6の成果発表
で今は無事に社会人となり,とあるネットワークの保守業務をしています.
保守と言っても,セキュリティ的な要素は少なく,インターフェースが落ちた!だの,ルーターが何もしてないのに壊れたとかそういう対応をしたりしています.(広く言えば可用性?)

セキュリティミニキャンプとは?

全国における情報セキュリティ人材の早期発掘と育成を目的に、各地で専門講義を実施しています。全国大会と比較して、期間が1日程度と短いことから「ミニキャンプ」とも称しています。対象は25歳以下の学生で、参加するには、応募課題を提出し、合格する必要があります。
なお、地域によっては、学生以外の一般の方も参加することのできる情報セキュリティ啓発の場として、「公開講座」というセミナーを開催しています。
引用

レベル感的には全国大会>ミニキャンプ
全国大会に受かるための前ステップとしての立ち位置にあり,各地域で専門講義を行いセキュリティ人材の早期発見を助ける.

ミニキャンプでの講義

  • 講義時間:150分
  • 講義内容:基本自由(ただし受講生がとっつきやすい講義内容にすること)
  • 手を動かす演習(ハンズオン)をやること
    →応募してくれた受講生の幅に合わせて講義のレベル感を調整する必要があり.
  • 受講生はオンライン(Zoom)で受講
  • 講師は現地で講義を行う

講師になった経緯

セキュリティ・キャンプ協議会のメンバーの方にこえをかけていただきました.
正式なルートとしてはセキュリティ・キャンプ修了生slackにチャレンジ講師応募フォームというものがあったので,それから応募が正しそうかなと思ってる :thinking:

講義の準備と内容

ミニキャンプ実施にあたり,講師は講義をするだけではありません.

  1. 講義内容を考える
  2. 講義についての概要と講師自己紹介を提出
  3. チューター募集の条件提示とチューター選考
  4. 受講生の選考課題の作成と受講生選考
  5. 演習環境作成と講義作成
  6. 当日の講義

と書くのは簡単ですが,結構ボリューミーです.
日程的には2~4ヶ月前から色々が動き始めます.

チューターの選考

講師からチューターの募集要件を出せる.
あると望ましいスキルとしてチューター募集の際に提示できる.
私の講義ではネットワークの話をするので,
IPアドレス、サブネットマスク、ルーティングなどの基礎知識を持ち、これらの概念を説明できる
とかを条件に提示した.

募集を締切ると,講師がチューターの選考を行う.
応募動機,スキルセットなどを確認して合格者を決める.

受講生の選考

受講生の選考問題を考えるところから.
講師一人,1~2題出せた.ミニキャンプの立ち位置を考えて,調べて考えて回答できるぐらいのレベルで出題を考える....
これが難しい.....
ダイナミックルーティングとスタティックルーティングの説明と違いってなんですか?
と出題.
募集締め切り後に,採点の依頼があり,応募動機と課題の回答を確認して採点.
ここで受講生のレベル感を把握.

講義の作成

講師も他の講師がどんな講義をするのかを知るのは,ミニキャンプの募集ができてからなので,どんな講義にしようかの詳細は探り探りでした.
北海道MC
北海道MCは2日間の開催で,3人の講師で行いました.
講義の順番は
1日めにOSPF講義(←私の講義).
2日めにWeb/クラウド講義とBGP講義
という並びだったので作戦を練り,OSPF→BGPと繋げられればなと思い講義を設計しました.

講義の設計

受講生の募集/選考を通して,受講生のレベル感を把握して講義を作成し始めました.
蓋を開けてみると,JANOGでNOCをしていたネットワークゴリゴリ強い人~初学者までの幅広いかたが集まりました.
私の講義では,ネットワークを構築しOSPF使って通信してみようという内容にしました.

【講義の内容】

  • ネットワーク/IPアドレスなどの演習をするための基本的な基礎知識のおさらい
  • スタティックルーティングの設定
    • Ciscoのお作法
    • インターフェースにIPアドレスを設定しlink up
    • スタティックルートの設定
    • 疎通確認
    • 障害試験
    • ACLの設定
  • OSPFの設定
    • OSPFの設定
    • 障害試験
    • OSPFのメトリック設定
    • トラヒック迂回試験
    • OSPFの動作原理について

セキュリティというか,可用性についてに重きをおいて講義を作成しました.
そして,一番重要な 次の日行うBGPの講義の理解度をアップする という作戦を意識しながらの講義のレベルを調節しながら講義を作成しました.
SpecialThanks:チンピラ上司

講義作成の余談

恥ずかしながら自分は締め切り駆動で😅😅
講義がすべて完成したのが講義当日の2h前😇
講義の一週間前からチューターさんにかなり協力してもらい,講義を作りました.
この経験を通して,締め切り駆動はよくないという教訓を得ました...😇😇

講義当日の様子と講義をしてみての感想

受講生はZoom参加なので,受講生一人ひとりのキャッチアップが非常に難しかった.
どうしても質問対応などは1対1になってしまうので,ブレイクアウトルームを活用して対応したが,オンラインの難しさを痛感した.
セキュリティ・キャンプのSNS🙌

Q:次の日につながる講義にできた..?

A:いい感じにつながる内容なった.これに関しては賭けだったので,結果的良かった.
引用:当日の様子

受講生の評価

セキュリティミニキャンプでは,各ミニキャンプのレポートを公開している.
※PDF注意
北海道MCのレポート

受講生の理解度:82%!
受講生の満足度:82%!
かなり高い!!!!!!
また,受講生から直接SNSで感想をもらい,楽しかった/理解が深まったと好評をもらい,満足🥰
講義をする前は,講師が私に務まるのか/そもそも講義時間に講義が出来上がるのかとギリギリの戦いをしていたが,蓋を開けて見ればとても良かった.
でも,良かったと締めくくるのは良くなくて,締め切り駆動なところ/もっとこうすればネットワークの魅力がつたわったなぁと反省点があるので,改善していきたいと思った.

講師をやってみて

まずは,セキュリティ・キャンプの卒業生としてコミュニティに貢献できたことが嬉しかった.
150分でなにが伝えることができるのか.どうすれば伝わるのか,受講生に教えるという立場を経験できたのはすごく大きかった.
仕事でこのような経験は得ることができないので,改めて「講師やってみない?」と声をかけていただいた協議会メンバーに感謝.
また,講師のAzaraさん,砂原先生の講義をみて自分に足りないところや場数の経験の差を痛感し自分はもっと成長したいなと刺激を受けた.
チューターの二人の知識への(いい意味での)貪欲さ,自分が今できることはなにかを考えて行動する姿にも刺激を受けて,凝り固まった社会人脳にかなり良い刺激で自分にできることは真似したいと思える素晴らしいチューターさんでした.

[超余談]
北海道現地に行くことができたので,美味しい魚と美味しい料理,美味しいセコマを堪能できた🥰
セコマのホットシェフに感動してホットシェフTシャツを買うぐらい,美味しさに感動したw
北海道は食べるものすべてが美味しかった....🥰
新千歳空港でお土産を買ったんですが,もう袋いっぱいにお土産を買ってしまい,思わぬ出費になりましたw🤑
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