フリーランスエンジニアとして生き抜いていくためには、技術だけでは足りません。もちろん、コードが書けることは大前提ですが、それに加えて「問題解決力」や「ビジネス感覚」などの非技術的スキルも重要です。実際に私がフリーランスとしてのキャリアを積んできた中で感じた、エンジニアとして進化し続けるためのポイントをお話しします。
- 最初はただのエンジニア
多くのフリーランスエンジニアは、最初のうちは技術に自信を持っています。「自分はこれだけのスキルを持っているから、きっと仕事を取れる」と思いがちです。しかし、現実はそう簡単ではありません。特に初めのうちは、ただコードを書くだけではなく、クライアントとの調整や要件定義、提案書作成なども含めた仕事全体をこなすことになります。
その時に気づいたのは、「エンジニアリングは手段であって、目的ではない」ということです。クライアントが求めているのは、ただ動くシステムではなく、ビジネスの問題を解決するためのシステムです。そのことに気づくことで、自分の視点が一気に広がりました。
- 技術だけでは限界がある
「この技術を使えばうまくいく」と思って導入した技術スタックが、必ずしもクライアントのニーズにフィットするとは限りません。例えば、あるスタートアップのプロジェクトでは、私が最初に提案した技術がクライアントのリソースに合わないことが分かり、急遽別のアーキテクチャに変更することになりました。この経験から、フリーランスエンジニアとして最も重要なのは「柔軟性」だと実感しました。
もちろん、コードを書く力は大事ですが、クライアントにとって最適な技術選定や、スケーラビリティ、コストを最優先で考える視点が必要です。フリーランスとしてやっていくためには、技術力だけでなく、ビジネス的な判断ができるようになることが求められます。
- コミュニケーション力の重要性
フリーランスエンジニアは、クライアントと直接やり取りする機会が多いため、技術的なスキルに加えて「コミュニケーション力」が欠かせません。特に、非エンジニアのクライアントとのやり取りでは、専門用語を避けて分かりやすく説明する能力が必要です。技術的な問題や進捗状況を適切に伝え、信頼関係を築くことがプロジェクトの成功に直結します。
また、場合によってはクライアントが求めている結果を実現するために、技術的な妥協をすることもあります。このような「折衝」のスキルも、フリーランスエンジニアとしての成長に欠かせない要素です。
- 自分をアップデートし続ける
フリーランスとしてのキャリアを積んでいく中で、最も大切にしているのが「自己アップデート」です。業界は日々進化し、新しい技術やツールが次々と登場します。その中で、自分自身のスキルセットをどう維持し、さらに進化させていくかが、長期的な成功に繋がります。
私は、自分の成長に役立ちそうなオンライン講座や書籍を常に取り入れ、実際のプロジェクトに応用しています。例えば、最近では「クラウドインフラ」の分野に力を入れており、AWSやGCPを使ったシステム設計のスキルを磨いています。このように、学び続けることで、次に進むための「武器」を手に入れることができます。
- フリーランスとしてのスタンス
フリーランスエンジニアとして仕事をしていく中で、最も大切にしているのは「信頼」です。クライアントに信頼されることが、次の仕事や新しいチャンスに繋がります。そのためには、ただ技術を提供するだけでなく、クライアントのビジネスを理解し、積極的に提案を行うことが重要です。
最初のうちは、ただの「作業者」として見られることが多いですが、少しずつ「パートナー」として信頼されるようになり、仕事の幅が広がっていきます。この変化を感じる瞬間が、フリーランスエンジニアとしての醍醐味だと思います。