Dell XPS13 における Windows 10, Linux Mint のデュアルブートの構築
Dell XPS13 は、UEFIブート,セキュアブートなため、Linux を入れるのは苦労する。
ネットで調べても苦労している人が多いようで、私もまとめておかないと取り戻せないのでメモしておく。
この面倒さだけでも Dell XPS13 を買い控える理由に十分になるのではないかと。
対象
今回、設定したPCは以下の通り。XPS 13 (9360) に対してインストールする。
メーカ | Laptop 名 | モデル | 年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
Dell | XPS 13 | 9360 | 2016 | US配列, SSD 500G, 4Kディスプレイ(高DPI) |
Linux インストールのポイント
- パーティション領域を予め確保
- Windows から行える。パーティションソフト必要なし
- BIOSで AHCI Mode にする
- 最も重要で面倒
- 有効にしないと、パーティションが一切認識されない
Windows での事前準備
Linux をインストールする前に Windows で準備しておくべきことがある。
色々と面倒だがやっておいた方が良い。
回復ドライブの作成
Dell の Webページ参考にする1。そのまま手順に従えば良い。
致命的に失敗したときのために回復ドライブは作成しておくこと。
クリーンインストール直後の素の状態が最も容量が少ない(はず)。
パーティション領域の確保
コントロールパネルの管理から実行する。
パーティション管理ソフトなんていらなかった。
- コントロールパネル/管理ツール/コンピューターの管理を実行
- 記録域/ディスクの管理
- 右クリック→ボリュームの縮小
- 縮小する領域のサイズ(MB): 任意の数値 (e.g: 204800 = 200 GB))
- 縮小ボタンの実行
※ 逆に拡大する場合も 3.項でボリュームの拡張で大きくできる。
BIOS のアップデート
まず、Dell Supper Assist を最新にする。現在(2019/01/19)で Version 3.1.0.142 である。念のため、BIOS を最新にしておく。
ない場合は、Dell Web ページよりダウンロードできる。
BIOS(UEFI)で AHCI Mode の有効化
XPS13 の BIOS 初期設定は、SSD は、RAID Mode で Windows からのみ パーティションの操作やアクセスが可能な状態となっている。
そのため、Linux でのパーティションの操作や Acronis Boot Disk によるバックアップが行えない。
単に BIOS の設定を RAID から ACHI にするとSSDが認識されずに Windows が起動されない。
というわけで、Windows 側で XPS 13 の ACHI Mode に対応させる必要がある。
この、切り替え方法は Arch Linux Wiki - Dell XPS 13 (9350) 2 に詳細に記載されている。
SATA コントローラーの欄参照。方法が 4 つ提供されておりそれぞれリンクが張られている。
- セーフモードで起動してから通常モードに戻す
- Windows のデバイスマネージャで Microsoft Storage Spaces Controller を選択
- レジストリのエントリを修正
- 他のレジストリエントリを修正
私は、最も安全そうなセーフモード経由の方法でセットアップした。
セーフモードによる ACHI モードでの Windows 起動有効化
- Windows 10 通常起動: セーフモードの設定
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動
- 次を実行:
bcdedit /set {current} safeboot minimal
- 再起動
- XPS13 BIOS(UEFI) 画面で AHCI に変更
- Dell のロゴ画面で F2 を押す
- Dell XPS 13 9360 の画面起動
- Setting/System Configuration/SATA Operation
- AHCIへ変更: RAID On → AHCI
- Apply で反映、再起動
- Windows 10 のセーフモードの起動
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動
- 次を実行:
bcdedit /deletevalue {current} safeboot
Acronis True Image 2019 によるバックアップ
まずは、BitLocker の無効を行う。有効の場合、バックアップが行えない。
- BitLocker の無効
- 設定/更新とセキュリティ/Bitlockerの解除
- 参考: BitLockerを無効にする方法
次に、以下の手順で Acronis ブータブルメディアを作成し起動する。
- Acronis True Image 2019 起動
- ダッシュボードよりツールを選択
- ブータブルメディアビルダーを選択
- 詳細→Linux ベースのメディアを選択
- USBドライブを選択
- Dell ブートローダ起動
- Dell ロゴ画面で F12 を押す
- USB メモリの選択
- バックアップからディスクごとバックアップ
Linux のインストール
Linux Mint 19.1 Cinnamon をインストールした。特に問題なくそのままインストールできた。
wifi も正しく認識されたため、ネット環境も問題なく構築された。
サードパーティー製ドライバをインストールするためにセキュアブートを無効の上起動さえた。
前提として、USB メモリに Linux Mint の ISO を書き込み USBメモリ起動を可能にしておく。
- Dell ロゴ画面で F12 を押す、ブート選択画面へ
- OTHER OPTIONS/Change Boot Mode Setting
-
2) UEFI Boot Mode, Secure Boot OFF
を選択 - DO YOU WISH TO PROCEED?: YES
- FINAL CONFIRMATION: Apply The Changes
- Dell ロゴ画面で F12 を押す、ブート選択画面へ
- USB メモリを選択
- e.g: UEFI: JetFlashTranscend 16GB 1100, Partition 1
- USB メモリから Linux が起動する
完了後: Grub の解像度を変更
インストールが完了したのはいいが 高 DPI のため、Grub のコントロール画面が
すごく小さくなった。そのため、解像度を下げて見やすくする。
/etc/default/grub
編集すれば良いため、以下手順で編集する3。
$ sudo cp /etc/default/grub /etc/default/grub.orig
$ sudo vim /etc/defualt/grub
$ sudo update-grub2
$ sudo reboot
編集内容: 以下を追加
# display setting
#
# resolution: 800x600
GRUB_GFXMODE=800x600x32
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="nomodeset"
GRUB_GFXPAYLOAD_LINUX=keep
まとめ
とにかく面倒だった。
回復メディアを作成し、さらに Acronis などでディスクごとバックアップしないと安心感がない。
また、この方法は他のPCでも応用が利きそうなので覚えておきたい。