Agile Japan 2020
アジャイルチームの成果指標設計、進め方と注意点
-開発チームの事業貢献を見える化するには
の感想になります。
生産性には2つの種類がある
- 物的生産性
- 単位あたりの産出量
- 付加価値生産性
- 産出量あたりの付加価値
- アジャイルな開発で求めているのはこっち
どの企業もアジャイルに取り組む理由は
- ユーザーが求めているものを早く取り入れたい
- 試行錯誤のサイクルを早く
が大きいと思います。
アジャイル開発をやって見たいからという理由で取り組んでいるところは少ないはず...
チームの評価指標は何を設定している?
今まではこのような指標がメインとなっていました。
- ベロシティ(スプリントごとのストーリーポイントカード消化数)の向上
- とにかく早くリリースできるように
決して間違っていないと思うのですが、
この評価指標は付加価値生産性
ではなく物的生産性
に該当するかと...
これでは、アジャイル開発を導入しようとした理由とチームの目標はずれてしまっています。
ここは講演を聞いて「確かに...」と。
チームのレベルに合わせて評価指標を設定すべし
- レベル1
- スプリントを正しく回せているか
- フレームワークに則って作業できているか
- レベル2
- フレームワークに則って作業できているか
- 事業KPIに紐づいた指標
- レベル3
- 事業KPIに紐づいた指標
レベル1
レベル1のチームは簡単にいうと初心者チームです。
チームに何名かアジャイル経験がないメンバーがいる状況をイメージしてください。
このようなチームには以下の点を指標にします。
- スクラムイベントを実施できているか
- PBIの見積もりは正しいか
- PBIのユーザーストーリー、受け入れ条件はReadyの状態でスプリントプランニング迎えることができているか
- ベロシティが上昇しているか
- スプリント内に発生する追加タスク(スプリントバックログ)は多くないか
- スプリントの中断はしていないか
- レトロスペクティブで決めたTRYを実施し、効果が現れているか
「うちのチームちゃんとスクラム(アジャイル)開発できてるよね。」って言えるチームになるのが目標です。
フレームワーク通りにできていないチームが事業の目標の話をしたって、チームがバラバラになるだけです。
まずは形だけでもできるようになりましょう。
レベル2
レベル2のチームは当たり前にフレームワーク通り実施できるようになってきたチームです。
このようなチームには以下の点を指標に追加にします。
- 事業価値に繋がるものをリリースできているか
この指標は「リリースできているか」
が含まれているので、大前提としてチームが作成したプロダクトがリリースされていることが重要となります。
ようやく、アジャイルを導入するなかで重要な点である「付加価値生産性」が指標として追加されます。
ある程度成熟してきた段階で、付加価値生産性ってどう評価されているか気にします。
結局、ユーザーが求めているプロダクトをつくれているかはリリースしてみないとわかりません。
だからこのタイミングで指標に追加します。
レベル3
レベル3のチームはベテラン軍団です。
メンバーの変更もほとんどなく継続してスプリントを回せているチームです。
このようなチームには以下の点を指標にします。
- 事業価値に繋がるものをリリースできているか
- ユーザーの利用率がUPしているか
- ユーザーからの評価はどうか
レベル2と同様に、リリースしたプロダクトについての評価がメインになります。
まさに事業レベルの指標です。
まとめ(感想)
チームの成長具合によって、評価する基準を変えてあげること。
今まで開発メンバーとして参加していた私は正直レベル1のことしか考えていませんでした。
理由は以下になります。
- リリーススパンが長い
- そもそもリリース一度もしていない
- 単純に遅い
- メンバーの入れ替えが激しい
こんな状態でした。
まずは最小構成でもいいからリリースしてみる、可能な限りメンバー交代しないことがレベル2へレベルアップできる近道ではないかと思いました。
他のチームと比べて評価しない
- 同じプロダクト
- 同じ状況
なチームは2つ以上存在しないと思います。
比べることよりも、そのチーム自体が成長しているかを評価した方が何倍も価値があると思います。
同じ条件でないチームを比べるのは簡単そうではありますが、難しすぎると思います。
開発メンバー1人ずつ評価するのは極力さける
よくあるのはゴリラ
なメンバーがいる場合です。
ゴリラ
は技術力もあり、その人が発言してしまったらその意見をすぐ採用されてしまうような人です。
このようなゴリラ
が誕生してしまうのは開発メンバー1人ずつ評価しているからなのではだと思います。
その人に聞けば問題ない、助けてくれるというのは非常にいいことですが、偏りすぎると悪影響です。
特にそのゴリラ
がチームから離脱することになると大変なことになります。
メンバー1人ずつではなく、チームとしてどうなのかを評価していけばゴリラ
的な存在ではなく、リーダー
的な存在が誕生するのではないでしょうか。
定期的に指標となるものを決めるイベントを設ける
ただスプリントイベントを回していてもチームメンバーは今どこを評価されているのか意外と把握出来ていません。
3ヶ月くらいの間隔で今のチームが求められてるものは何なのかをチームメンバーだけでなく、ステークホルダーと話して、明確な指標を作成して行くべきなのではないかと思った。
やっぱり人間は明確なゴールや基準があると頑張れる気がする。
まだまだアジャイル、スクラム知らんなぁ
AgileJapanに参加するまでは、スプリントイベントを回せていれば十分だろって思っていたところもあった。
私はレベル1のチームしか経験したことないので、まずはレベル2のチーム作りをしていきたい。