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【読書】アプリにおける「使いやすさ」とは何か - UIデザインの教科書を読んで

Last updated at Posted at 2022-09-04

エンジニア夏休み企画に便乗し、積読を1冊消化した感想文です。

読んだ本

UIデザインの教科書[新版] マルチデバイス時代のインターフェース設計

  • 「UIUX 勉強 本」とかで検索するとまず間違いなくお勧めされる本。
  • 日ごろから「この画面微妙...でも何がいけないのか言語化できない..」と悩むエンジニアには、以下説明文は魅力的に映るはず

使いやすい理由とは何か
本書はUIにおけるデザインの定義から、
ハードおよびソフトによる制約、人間の心理による影響、
そして具体的にデザインを形にする方法までを、
図や画像を使いながら、わかりやすく体系的に解説していきます。

感想

概念・具体的内容のどちらに対しても、「こういうのが知りたかったんだ!!」が詰まった本だった。
「そもそも使いやすい・使いづらいって何?」というモヤモヤを言語化してくれ、かつ実際のデザインで使える知識や例を豊富に提供してくれる。
全くの画面デザイン/フロント初心者にはわかりづらい部分もあるかもしれないが、
多少画面デザインに携わったことのある or フロントエンドの実装に携わったことのあるエンジニアであれば、日ごろ何となく感じている違和感の言語化に役立つ本だと思う。

特に印象深い学び

カッコ内には本書の章番号と見出しを記載している。

デザインの必要性 (1-2:デザインの目的)

  • デザインの目的は、その機能や働きによって何らかの課題を解決すること であり、新しい価値を創造すること
  • 必要とされる機能が世の中でそこにしか存在しないならば、インターフェースや使い勝手は二の次となる
    (代替手段がなければそれを使うしかなく、何よりもその機能に価値があるため)

UIとUXの関係 (1-3:UIとUX)

  • UIは「ユーザー」と「システムやサービス」との接点
    UIをデザインするということは、システムやサービスのIFをより使いやすく設計するということ
  • UXは対象を知った瞬間からのすべての体験
    UIを使った時にユーザーの内面に起こる反応がUXとなる。
  • しかしUIの改善=UXの改善とは限らない(そもそもそのUIで実現しようとしていることは、UXの向上につながるのかを検討することが必要)

どうして「使いづらい」のか (4-2:インタラクションコスト)

  • インタラクションコスト = ユーザーが受ける負担(精神的負荷 + 身体的負荷)
    • 精神的負荷の例
      • 読む
      • 理解する
      • 覚える
        例)文字の詰まったテキスト、ボタンに見えないボタン
    • 身体的負荷の例
      • スクロールする
      • クリック / タップする
        →デバイスによって負荷のかかり具合が大きく異なることが特徴
  • ユーザーにとって、負荷は低いほうが「使いやすい」
  • インタラクションコストを下げる3つのアプローチ
    1. 一貫性
    デザインの意味や操作を予測できるようにすることで、認知負荷を下げる
    2. シンプルさ
    状況を明快にすることで、認知負荷を下げる
    3. 共通概念
    既知のルールやサインを利用し、認知負荷を下げる

WEBならではのわかりづらさ:前後関係 (5-1:縦、横、前後)

  • WEBサイト・アプリと本の違いは「リンクがあること」であり、縦+横+前後の関係による3次元的な構造であること
    →それゆえに、「わからない」「使いづらい」といったWEB固有の問題が発生する
  • 前後関係の表現としては以下2つがありうる
    • ビジュアル
      ex) ヘッダーにナビゲーションを表示させる
    • インタラクション:
      ex) ページ遷移時に新規画面をスライドして画面に表示させる

WEBならではのわかりづらさ:階層関係 (5-2:階層の深さと広さ)

  • 階層には「深さ」(=階層深度)と「広さ」(=カテゴリ数)があり、「深さ」と「広さ」は反比例する
  • 階層は「浅く広く」の方が、探しやすく使いやすい
    • 階層の上下移動は負荷が高い
    • ラベル(=階層の名称)がより分かりやすい
  • ラベリングは排他的に名付けることで、ユーザーが目的のものを見つける手助けとなる(認知負荷を下げる)
    • スマホ対応等でみられる「…」に種々の機能を詰め込むのは、排他的でないので使いづらい

「わからない」とは何か (5-6:わからないとは何か)

  • 「わからない」は以下2つに集約される
    • 「場所がわからない」
    • 「操作がわからない」
    • 構造と操作における、一貫性のあるIFデザインがあれば2つとも解決できる

終わりに

ここで触れた内容は一部であり、実際の本には豊富な図解付きで多くの内容が記載されている。
本記事では「わからないとは何か」までしか記載していないが、本にはその続きがあり、「わからない」に対応するための方法のストックも提供してくれる。
「画面デザインに興味がある、でもいまいち何をしてよいかわからない...」、
「画面作ってるけど、なんかわからんが使いづらい...」
そんな悩みのあるエンジニアにはぜひ本書を読んでもらいたい。

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