[Gemini Code Assist & Gemini CLI]GoogleのAI開発支援ツールの概要と利用方法
Googleが開発したAI搭載のコーディング支援ツール「Gemini Code Assist」とその最新のコマンドラインツール「Gemini CLI」について、セットアップから料金体系まで詳しく解説します。
※当記事は2025/06/26時点での最新情報を元に作成しています
Gemini Code Assistの概要
Gemini Code Assistは、Gemini 2.5モデルを基盤としたAI搭載のコーディングアシスタントで、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたってAIによる支援を提供します。このツールは単なるコード補完を超えて、開発チームがアプリケーションの構築、デプロイ、運用を効率的に行えるよう設計されています。
提供エディション
Gemini Code Assistは3つのエディションで提供されています。
- 個人向け無料版(Gemini Code Assist for individuals):無料で利用可能
- Standard版:Gemini for Google Cloudポートフォリオの一部として提供
- Enterprise版:最上位版で企業向け機能を搭載
主要機能
コード生成・補完機能として、リアルタイムでのコード補完、コメントからの完全な関数生成、単体テストの自動生成が可能です。自然言語チャットインターフェースにより、コーディングに関する質問への回答やベストプラクティスのガイダンスを受けることができます。
128,000トークンのコンテキストウィンドウを持ち、ローカルコードベースと現在の開発セッションからのコンテキストを活用して、より関連性の高いコードを生成します。
Gemini CLIの位置づけ
Gemini CLIは、Gemini Code Assistの技術を基盤として開発されたオープンソースのAIエージェントで、コマンドラインから直接Gemini AIにアクセスできるツールです。Gemini Code Assistのエージェント機能をターミナル環境で利用できるよう設計されており、VS CodeのGemini Code Assistエージェントモードの基盤技術としても活用されています。
統合関係として、Gemini CLIとGemini Code Assistエージェントモード間でクォータが共有され、VS Code内でGemini CLIの一部機能を直接利用できます。
Gemini CLIの概要
2025年6月25日に発表されたGemini CLIは、Mac、Windows、Linuxのターミナルで「軽量なGeminiアクセス」を提供するプレビュー段階のAIエージェントです。コーディング理解を超えて、ファイル操作、コマンド実行、トラブルシューティングなど幅広いタスクに対応しています。
主要用途
コードの記述と説明、問題のデバッグ、プロジェクト管理、ドキュメントからの自然言語クエリによるヘルプ取得が可能です。コーディング以外にも、画像・コンテンツ生成、詳細な調査、問題解決、タスク管理にも活用できます。
Gemini CLIの特徴
技術的特徴
Gemini 2.5 Proモデルへの直接アクセスと100万トークンのコンテキストウィンドウを提供します。ReActループ(推論と行動)を使用して、バグ修正、新機能作成、テストカバレッジ向上などの複雑なユースケースを処理します。
組み込みツール
以下の組み込みツールが利用可能です。
- Google検索統合:プロンプトをGoogle検索で補強し、リアルタイムの外部コンテキストを提供
- Model Context Protocol(MCP)サポート:ローカルまたはリモートのMCPサーバーとの統合
- ファイル操作ツール:grep、terminal、ファイル読み書き機能
- ウェブ機能:ウェブ検索、ウェブフェッチ
カスタマイズ機能
特定のニーズやワークフローに合わせてプロンプトと指示をカスタマイズでき、既存のワークフローとの統合やタスクの自動化が可能です。Gemini.mdファイルを定義してエージェントをガイドし、コーディング設定を追加できます。
オープンソース
Apache 2.0ライセンスの下でGitHubで完全にオープンソース化されており、開発者はバグ報告、機能提案、セキュリティ改善、コード改良の提出が可能です。
Gemini CLIのセットアップ方法
前提条件
Node.js 18以上がシステムにインストールされている必要があります。
インストール手順
グローバルインストール
npm install -g @google/gemini-cli
直接実行(インストール不要)
npx @google/gemini-cli
初回起動と認証
インストール後、以下のコマンドでGemini CLIを起動します
gemini
初回起動時に認証方法を選択する画面が表示されます。個人利用の場合は「Login with Google」を選択し、ブラウザで認証を完了します。これにより、無料のGemini Code Assistライセンスが付与され、Gemini 2.5 Proへのアクセスが可能になります。
基本的な使用方法
認証完了後、ターミナルで自然言語による指示が可能になります。@
記号を使用してファイルやディレクトリを指定し、特定のコンテキストを提供できます。
Gemini CLIの料金体系
個人向け無料版
個人のGoogleアカウントでサインインすることで、完全無料でGemini 2.5 Proと100万トークンのコンテキストウィンドウにアクセスできます。
利用制限:
- 分あたり60リクエスト
- 1日あたり1,000リクエスト
プロフェッショナル向けオプション
従量課金制:Google AI StudioまたはVertex AIキーを使用した使用量ベースの課金
ライセンス制:
- Gemini Code Assist Standard:月額19ドル(年間契約)
- Gemini Code Assist Enterprise:月額45ドル(年間契約)
料金体系の比較優位性
競合他社と比較して、Gemini CLIの無料プランは非常に寛大です。他の有料AIツールと比較しても、1日1,000リクエストという制限は十分な利用量を提供しています。
まとめ
Gemini Code AssistとGemini CLIは、様々なにニーズを満たす幅広いユーザーに対応する包括的なAIコーディング支援ソリューションです。特にGemini CLIの無料プランは、AI支援開発ツールの普及において大きなインパクトを与える可能性があるでしょう。
この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。