こんにちは!今回は2025年2月に登場したAnthropicの最新AI「Claude 3.7 Sonnet」について、前モデルとの違いをわかりやすく解説します。
基本性能:より多くを、より速く
スマートフォンが毎年進化するように、Claude 3.7 Sonnetも前のモデルに比べて大きく進化しました。具体的には・・
-
記憶力と表現力: 一度に128,000単語を覚えて(前モデルは200,000)、最大64,000単語の返答ができるようになりました(前モデルはわずか4,000)。これは、本をたくさん記憶できるのに短い感想しか書けなかった状態から、長い詳しいレポートも書けるようになったイメージです。
-
最新情報: 2024年7月までの情報を持っています(前モデルは4月まで)。
-
処理速度: 文章を生成する速度が約8%向上し、特に長い文章を作る際に体感できる差になります。
2つの思考モード:急ぎの質問と深い思考
Claude 3.7 Sonnetの最大の特徴は内部でモード切替する仕組み。例えるなら、普段は直感的に判断するモードと、重要な決断のときに論理的に考え抜くモードを切り替えられるようになったということです。
-
標準モード: 日常的な質問や簡単なタスクに素早く答えるモード。例えば「今日の天気は?」といった質問に即答します。
-
拡張思考モード: 難しい問題に取り組むときに使う特別なモード。人間が複雑な数学の問題を解くとき、紙に途中経過を書きながらじっくり考えるように、AIも段階的に考えます。この結果、数学問題の正解率が84.8%にまで向上しました。
プログラミング能力:アシスタントから共同開発者へ
プログラミングの能力も大幅に向上しました。
-
正確さ: コード作成の精度が21.3%も向上し、70.3%の精度に。簡単な計算機能を作れる程度から、本格的なアプリ開発をサポートできるレベルになりました。
-
実用性: GitHubとの連携やテスト実行ができるようになり、実際の開発現場で使えるツールに進化。大きなプログラムを扱うときのエラーも45%減少しました。
理解力と安全性:より賢く、より適切に
-
指示理解: 複雑な依頼を45%より正確に理解できるようになりました。例えると、何度も説明が必要だった相手が、一度の説明でしっかり理解してくれるようになった感じです。
-
数学能力: 難しい数学コンテストの問題も80%解けるようになり、高校生から大学数学者レベルの飛躍を遂げました。
-
判断力: 不必要な拒否が45%減少し、本当に問題のある依頼と、センシティブだけど正当な依頼をより適切に判断できます。
使い道の広がり:日常から専門分野まで
- 日常使用: チャットや基本的な文書作成は従来通りの速さで。
- 専門分野: 研究論文の分析やプログラミングコンテストでも活躍。
- 業務自動化: 航空会社のタスク処理の正確さが10%向上。
- 画像処理: 新たに画像を理解する能力も追加されました。
料金:必要に応じて選べる
基本料金は変わらず(入力300万字あたり約3ドル、出力300万字あたり約15ドル)ですが、拡張思考モードを使うと追加料金がかかります。これは「必要なときだけ特別な能力を使う」という考え方で、シンプルなタスクではコストを抑えつつ、複雑な問題にも対応できます。
実生活での影響
クラウドサービス(AWS BedrokやGoogle Vertex AI)を通じて誰でも使えるようになり、AIは「便利だけど限定的なツール」から「状況に応じて考え方を変えられる頼れるパートナー」へと進化しつつあります。
スマートフォンのアプリが日々の生活をサポートするように、Claude 3.7 Sonnetも私たちの仕事や勉強、創作活動をより効率的に、そして質の高いものにしてくれるでしょう。