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ことりんと一緒 Springもね - 4. REST API デザイン

Last updated at Posted at 2018-11-10

概要 / 説明

ことりんと一緒 Springもね - 3. 関数から波括弧省略では、RestController に対して GET / POST / PUT / DELETE メソッドでアクセスできるAPIを追加しました。

ただ、その追加の仕方は特に指針もなく適当に追加したものでした。そのため、公開するAPIも分かりやすくするという指針のみで、以下のように定義した関数ごとに名前をつけて定義をしていました。

@GetMapping(value = ["/display"])
fun getMessages() : List<Message> {

そこで、もう少し REST API らしいデザインに変更したいと思います。

前提 / 環境

ランタイムバージョン

  • Kotlin : 1.3.0
  • SpringBoot : 2.1.0.RELEASE

Spring Dependencies

  • Web

開発環境

  • OS : Mac
  • IDE : IntelliJ IDEA
  • Build : Gradle

手順 / 解説

REST API デザイン

ここでは、まだ厳密に API デザインは考えずに最低限の方針だけ考えてみます。

アクセスURI

  • 名詞 でアクセス
    • 動詞ではない

もともとの定義は、クラスへのアノテーションでルートパスを決め、関数毎にアクセスURIを決めていました。そこでの名称は、操作がわかりやすいように動詞表記でした。

@RequestMapping("/simple")
class SimpleController {

    @GetMapping(value = ["/display"])
    fun getMessages() : List<Message> {

そのため、実際には次のようにアクセスし、動詞的なアクセスとなっていました。

http://xxx/simple/display

ここの処理で display したいのは、messages でした。
そこで、上記のようなアクセスから、以下のように messages を対象とする意図した名詞でのアクセスに変更します。

http://xxx/messages

@RequestMapping("/messages")
class SimpleController {

    @GetMapping()
    fun getMessages() : List<Message> {

関数に記述していたアクセスURLがなくなっていますが、それは次で説明します。

HTTP メソッドと CRUD 操作

先に説明した アクセスURI で名詞でのアクセスするようにしました。
そのアクセスする名詞に対しての CRUD操作 (CREATE / READ / UPDATE / DELETE) を HTTP メソッド (GET / POST / PUT / DELETE) で表現するようにします。
そのため、先に定義していたような関数ごとの アクセスURI を必要としなくなりました。

HTTP メソッドと CRUD 操作の関係は以下のようにします。

HTTP メソッド CRUD 操作 意味
GET READ 取得
POST CREATE 登録
PUT UPDATE 更新
DELETE DELETE 削除
POST / PUT - 冪等性

POST と PUT はどちらも状態の作成や更新をする際にしようする HTTP メソッドです。
では、なぜ POST を CREATE, PUT を UPDATE としたのでしょうか。

理由は HTTP メソッドの冪等性にあります。

冪等性とは簡単に説明すると再実行しても同じ結果になるような性質を言います。

HTTP メソッドの冪等性は、以下のようになります。

HTTP メソッド 冪等性
GET 冪等
POST 非冪等
PUT 冪等
DELETE 冪等

登録処理について想像してみてください。
同じ命令を複数回実行すると、同じレコードが複数できてしまいます。冪等ではありません。
一方で更新処理は、同じ命令は複数回実行しても結果は変わりません。冪等です。

このように考えると、POST = CREATE = 非冪等 / PUT = UPDATE = 冪等 が相応しいと分かります。

REST API の修正

以上の事を踏まえて以下のように修正しました。

  • 名詞アクセス
  • HTTP メソッドでのCRUD処理
  • 冪等性を考慮した登録処理
修正前
@RequestMapping("/simple")
class SimpleController {

    @PutMapping(value = ["/insert"])
    fun insertMessage(@RequestBody message: Message) : Message {}

    @PostMapping(value = ["/update"])
    fun updateMessage(@RequestBody message: Message) : Message {}
修正後
@RequestMapping("/messages")
class SimpleController {

    @PostMapping
    fun insertMessage(@RequestBody message: Message) : Message {}

    @PutMapping
    fun updateMessage(@RequestBody message: Message) : Message {}

まとめ / 振り返り

今回はREST APIのデザインについて"簡単"に触れました。
厳密に考えていくと、全然これだけでは足りません。
APIのバージョニングや、階層化、コレクションの表現やステータスコードなどまだまだ考慮する事があります。

とりあえず、今回はシンプルに考えて作る上での最低限な事として扱ってみました。

今後、Microservices のデザインまで踏み込む話題のときに、APIデザインについて改めて考えてみたいと思います。

今回のソース

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