Cognos Analytics 11.1.6 新機能紹介
Cognos Analytics 11.1.6が2020年4月末にリリースされました。
新機能の一覧はマニュアルに記載がありますが、主だった新機能を紹介します。
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_new.doc/c_ca_nf_11_1_6_container.html
ポータル画面
画面左側の赤枠で囲っているように、アイコンの見た目が変わりました。
操作マニュアルの画面キャプチャの変更とか、ちょっと注意が必要です。
また、右上の「?」マークを選択すると画像のように、Cognos Analyticsに関しての技術情報を得るための、マニュアルやYoutube動画、コミュニティのリンクなどが表示され、情報の検索を行う事も可能です。
ダッシュボード
クロス集計での展開&省略
これはいいですね。こういう機能が欲しいと以前からよく言われてました。
ダッシュボードのクロス集計で、ディメンショナル型のモデルを使用した場合、赤枠のように「+」「-」が表示され、展開&省略ができるようになりました。
データフィールドウィンドウ
ダッシュボードのウィジェットのデータアイテムを変更する場合、ウィジェットの右上のアイコンで編集モードでやっていたと思いますが、赤枠の「フィールド」タブを選択すると表示される右側のウィンドウで、データアイテムの変更などの操作を行えるようになりました。
ツールバー位置の変更
ウィジェット毎に表示されていたツールバーが、赤枠の位置に配置されるようになりました。赤枠の中の右端のアイコンをクリックすると、ウィジェットの横に配置されるように変更も可能です。
編集内容のリセット
保存していたダッシュボードを開いて、色々編集し、やっぱり元に戻したいという時に、この「リセット」アイコンを選択すると、編集内容が全てキャンセルされ元の状態が復元されます。
単位やラベルのカスタマイズ表示
赤枠の様に「個」というような自分で指定した単位やラベルを表示できるようになりました。データアイテムの「・・・」から「フォーマット」を選択し、
この様に自由な文字を記載して、単位やラベルを指定する事が可能です。
勝手に選択されるチャートタイプをAIが学習
データアイテムを適当に選択して、キャンバスにドラッグ&ドロップすると、Cognosは勝手にお勧めのチャートタイプを選択してダッシュボードを作成しますが、気に入らない場合、上の赤枠のメニューから別の形式のチャートタイプを選びなおす事が可能です。
11.1.6からは、ここで選びなおしたチャートタイプをAIが学習して、このユーザーはこのタイプが好みだというのを覚えていて、次以降は勝手に選択されるチャートタイプが変わってくるようです。
計算式で作成したアイテムが使える幅が広がった
データモジュールやFramework Managerで作成した「計算式」が、ダッシュボードであれば、この辺りの「スパイラル」「デシジョン・ツリー」「ドライバー分析」や、閲覧ビューの「関係ダイアグラム」の表示グラフでも使用可能となりました。
地図チャートでカテゴリーアイテムを色分けに使用できる
地図上で、値の大小により色の濃淡を表現する事はできましたが、「場所の色」というフィールドにカテゴリー型のデータアイテムを配置する事で、そのアイテムのデータにより色分けをする事が可能になりました。
下の例では、「州」のレベルでデータを持っていますが、場所の色に「国」レベルのカテゴリーデータアイテムを置いているので、カナダとアメリカで色が分かれた表示になります。
ストーリーおよび閲覧ビュー
基本的にはダッシュボードで紹介した新機能が「ストーリー」や「閲覧ビュー」の機能にも組み込まれている形になります。
詳細は、マニュアルをご参照下さい。
ストーリーの新機能
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_new.doc/c_ca_nf_11_1_6_stories.html#concept_jsf_fff_ykb
閲覧ビューの新機能
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_new.doc/c_ca_nf_11_1_6_explorations.html#c_ca_nf_11_1_6_explorations
Jupyter Notebook
ノートブックでR言語がサポートされるようになりました。
詳細は以下のサンプルをご参照下さい。
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_gtstd.doc/c_notebook_examples_r.html
レポート
データ表
これも面白い機能が追加されました。
リストに似ていますが、リストにExcelの「展開&省略」「フィルター」の機能を取り込んで、データを「正・ゼロ・負」で見やすく表示する(画像では天気のアイコン)、という様な機能を取り込んでいる感じですね。
クライアントサイドで描画されるようなので、大容量データにはどうなのかという気はしますが、表形式のデータ表示の際に選択肢がリスト or クロス集計以外に一個増えたという風に思います。
視覚化でのドリルダウン&アップ
視覚化のチャートの中で、ディメンショナルモデルのパッケージを使用しての、ドリルダウン&アップが可能となりました。
視覚化の棒グラフでの2つの数値アイテムの配置
こんな感じに数値アイテムを2つ配置して、比較をするような表示をできるようになりました。縦棒グラフや横棒グラフで使用可能なようです。
データモデル
データモジュールの列追加・削除
既存データモジュールに、新規に列の追加や削除を行いたい時に、テーブル全体を更新するのではなく、個別の列を選択して追加や削除が可能になりました。
Framework Managerモデルの大文字・小文字変換ツール
Framework Managerモデルはmodel.xmlにオブジェクトの名称等が含まれますが、オブジェクトに使用されている文字の大文字・小文字の変換を行えるFMMD_ModelUpdateツールが提供されているようです。
管理
アナリティクス ユーザーライセンスで閲覧ビューが作成可能に
アナリティクス ユーザーのライセンスを購入すれば、閲覧ビューの作成が可能になったようです。
Watson Knowledge Catalogサポート
Watson Knowledge Catalogへの接続がサポートされるようになりました。
データベース接続サポートの拡張
以下のTechnoteで11.1.6で接続サポートが拡張された、各ベンダーのデータベースの一覧が記載されています。
https://www.ibm.com/support/pages/node/1106607