概要
Cognos BIやAnalyticsで、それぞれのバージョンでサポートされているサーバーのOSや、接続先のデータソースの製品・バージョンなど、サポート状況を確認するサイトが、以下のサイトになります。
このサイトは、残念ながらあまり読みやすいものではなく、読み違いをしてしまう事がありがちなケースをまとめましたので、是非ご参考にしてください。
IBM Cognos Analytics 11.0.0 Supported Software Environments
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27047186
内容
前述のURLにアクセスするとこの画面ですので、まずは一番良く見る「Software」を見てみます。
大概の情報はこちらの「Supported Software」のタブにあります。
Application Servers
まずはこの「Application Servers」です。
Cognos BIでは、昔は組み込みのTomcat(途中からWebSphere Liberty)ベースでデフォルトで動作するCognosを、p2pd.earというファイルを別途同梱されてくるWebSphereなどにデプロイして、別のApplication Serverで動かす事ができましたが、Cognos Analyticsでは以下の通り「embedded Websphere Application Server」のみとなっています。つまり、別のApplication Serverでは動かせません、という事です。
この実態としては、WebSphere Libertyなのですが、embeddedと書かれているこれはLibertyそのものではなく、例えば管理コンソールでの接続などはできませんので、Libertyをカスタマイズしようとされている環境は要注意です。
Content Servers & Data Sources
さて、その少し下に行くと「Content Servers」というものがあります。
これが何かというと、Cognosのリポジトリ管理用のDBである、Content Storeを動かすDBのサポートになります。
注意して頂きたいのは、その少し下に行くと、「Data Sources」というエントリーがあり、ここにもDBの一覧が並んでいます。
こちらの方は文字通り、レポート実行時にレポート内に表示する実際のユーザーデータを保持しているDBです。
この「Content Servers」と「Data Sources」の項目でサポートされているDB一覧は異なりますので、例えば「Amazon Redshift」を使うという環境で、このサイトをさっと検索して「All Versions」というサポート内容だけ見て安心していると、Content StoreではAmazon Redshiftは使えないというのに気がつかなかったりしますので、DBは2つの確認項目があるのを常にご認識下さい。
LDAP Servers
次に「LDAP Servers」です。
随分エントリーが少ないですが、Active Directoryなどは、その前の「Identity Management」に記載されているので大丈夫です。
これを見て、例えばSun One LDAPはサポートされないのか、Tivoli Directory Serverもバージョン6.2はサポートされないのか、と読み取られる方も多いですが、実はサポートされます。
基本的に一行目の「All LDAP Servers that support the LDAP V3 Specification」というのが効いていて、Sun One LDAPもTDS V6.2もLDAP V3互換なのでサポートされます。
TDS 6.3のみ記載されているのは、開発元の方でちゃんとテストしたバージョンです、という意味なのでその程度の意味しか無い事をご認識下さい。
ちなみに、過去に一度だけですが、LDAP V3互換ですが非常に珍しいLDAP製品で、Cognosと接続できないLDAPを経験した事があります。そのLDAPの仕様として、登録されている全ユーザーを参照できるような強い権限を持つユーザーを作成する事ができない、というLDAPで、強い権限のユーザーが作成できないため、Cognosと接続する事ができませんでした。
そういう事もありますので、珍しいLDAPを使用する時は、事前に検証してみる事をお勧めします。
Web Browsers
ブラウザのサポートも記載されています。
ありがちなのが、Google Chromeは「45 and future versions, releases and fix packs」と記載されていますが、Mozilla Firefox ESRは「45 and future fix packs」と記載されていて、46とかバージョンが新しくなるとサポートされないのかと思ってしまいますが、サポートされます。※IBMサポートに問い合わせた経験より
あと良くあるのが、例えばIE 11を使う環境で、端末のWindows OSが最新過ぎて、次項に出てくるOSサポート一覧に載ってないので、サポートされないのでは、という懸念です。
これは後に詳しく述べますが、IE 11はサポートされます。ブラウザはあくまでブラウザとして、どのOSで動いているかは基本的に問われません。ただし、FootnotesのところにわざわざサポートしないOSが記載されている場合は、当然サポートされないのでご注意下さい。
Operating Systems
さて、前のページに戻って、今度はOperating Systemsのページを見てみましょう。
こんな感じですね。AIXやLinuxでは、Footnotesのところに前提が細かく記載されているので、このOS上にCognosサーバーをセットアップする時は、ちゃんと前提を入れておくように注意しましょう。
さて、問題はこのWindowsです。
Componentsのアイコンの、左端はクライアント端末として使用する場合、二番目はサーバーとして使用する場合ですが、このクライアント端末として使用する場合は、恐らく誰も読み取れないのではないかと思います。
例えば、図のようにWindows 7 Professionalのクライアント端末サポートアイコンにカーソルを当てると、いかにもサポートされる緑チェックマークと、サポートされなそうな赤バツマークが表示されます。
あれ?Windows 7をクライアント端末として使用した時に、Cognos ViewerとかReport Authoringの使用はサポートされないの?めちゃめちゃ使ってますけど、と素直に読むとそう思えてしまいますが、違います。
ここの読み方は、「クライアント端末になんらかインストールを伴うツールに対するサポートをここでは表示しているのであって、インストールを伴わない機能、すなわちブラウザのみで動く機能は、ここで赤バツが付いていても無視して良い」になります。
じゃあ、Analytis Studio以下は消しておけばいいのにと万人が思われる事ですが、そのようにご認識下さい。
先ほど、ブラウザの項でサポートされます、と言ったのはこういう事です。
逆に言うと、Cognos Configuration~Transformerの間に赤バツが付いていると要注意です。
使用予定の端末で問題がないか、そこをしっかりと見るようにしましょう。
以上です。
困ってIBMサポートに問い合わせるたびに、段々とこのサイトの読み方がわかってきますが、同じ苦労をするのはもったいないので、共有させていただきました。